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第5節 

3 公害防止計画の実施の推進等

(1) 公害防止計画事業の実施
 公害防止計画に基づき、地方公共団体等は公害の防止に関する施策を総合的に講じている。その実施状況は第1-5-3表のとおりであり、平成5年度における公害対策事業の事業費は2兆8,625億円、公害関連事業の事業費は9,621億円、合わせて3兆8,246億円である。


(2) 公害防止対策事業に対する財政上の特別措置
 公害の防止に関する施策の一層の推進を図るため、公害防止計画に基づき地方公共団体等が実施する公害防止対策事業については、「公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律」(以下「公害防止財特法」という。)に基づき、国の負担又は補助の割合のかさ上げ、地方債の適債事業の拡大、地方債の元利償還金の基準財政需要額への算入等、国の財政上の特別措置が講じられた。
 過去5年間の公害防止対策事業の事業費及び国の負担又は補助のかさ上げ額をみると第1-5-4表のとおりであり、平成5年度のかさ上げ額は369億円となっている。


(3) 公害防止計画策定地域における主要環境質の状況
 公害防止計画に基づく各種施策の推進等により、公害防止計画策定地域における主要な環境質は次のような状況にある。
 二酸化硫黄については、環境基準の長期的評価による達成測定局数の割合(達成測定局数/有効測定局数)は、平成4年度では100%となっている。
 二酸化窒素については、環境基準との対応状況をみると、第1-5-5表のとおりであり、平成4年度では環境基準ゾーンの上限である0.06ppmを超えた測定局数の割合は、4.5%となっている。
 浮遊粒子状物質については、環境基準の長期的評価による達成状況は第1-5-6表のとおりであり、平成4年度の達成局数の割合は41.6%となっている。
 光化学オキシダントについては、平成4年度では環境基準(1時間値が0.06ppm以下)を達成した測定局は687局中8局となっている。また、注意報発令基準濃度(1時間値0.12ppm)以上の濃度を観測した測定局は、687局中305局となっている。
 河川、湖沼及び海域の水質については、BOD又はCODの環境基準達成状況(達成水域数/全水域数)は第1-5-7表のとおりであり、平成4年度においては、河川(BOD)について66.2%、湖沼(COD)について19.0%、海域(COD)について79.2%となっている。


(4) 自治大臣指定に係る公害防止対策事業の実施
 公害防止計画策定地域以外の地域において地方公共団体が実施した公害防止対策事業のうち、自治大臣が主務大臣及び環境庁長官と協議の上、指定したものについては、公害防止財特法第3条第3項の規定により、公害防止計画に基づく公害防止対策事業と同様の財政上の特別措置が講じられた。
 過去5年間に指定された公害防止対策事業は第1-5-8表のとおりである。

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