国立環境研究所においては、従来から組織の充実を図ってきたところであるが、平成5年度においても引き続き研究体制の整備を進める。
特別研究については、5年度には9課題を実施することとしており、新規課題は「環境負荷の構造変化から見た都市の大気と水質問題の把握とその対応策に関する研究」及び「ディーゼル排気による慢性呼吸器疾患発症機序の解明とリスク評価に関する研究」の2課題である。
また、開発途上国における適正な環境保全・対策技術の開発・普及のための開発途上国との共同研究の検討を新たに開始するとともに、5年度に竣工する環境遺伝子工学実験棟を利用して、遺伝子組換え生物による環境保全や環境影響に関する研究を本格的に開始する。
地球環境研究センターにおいては、地球環境研究の総合化、地球環境データベースやスーパーコンピュータシステムの有効利用のための環境整備等の地球環境支援業務及び地球環境モニタリング業務を引き続き充実させるほか、国連環境計画(UNEP)の地球資源情報データベース(GRID)のわが国のセンターとしての活動体制の整備を図る。また、アジア太平洋地域の環境保全に資する新たな事業を閉始する。
環境情報システムの整備については、地球環境、大気汚染、水質汚濁、自然環境保全等に関するデータベースの整備を一層進めるほか、UNEPの国際環境情報源照会システム(INFOTERRA)についても、情報源の登録を拡大するなど所要の作業を進める。