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第1節 

1 地球温暖化対策

(1) 地球温暖化防止行動計画の推進
 関係省庁において、引き続き地球温暖化防止行動計画の効果的かつ円滑な推進を図る。5年度において講じようとする主な対策は、次のとおりである。
? 地球温暖化防止行動計画を地域に即して具体化するため、地方公共団体における温暖化対策のマスタープラン(推進計画)及び各種の地球温暖化対策の導入に関する実施計画の策定を補助する。
? 廃棄物の滅量・再資源化、ごみ焼却余熱の有効利用及び温室効果ガスの回収等廃棄物処理分野における新技術の開発並びに廃棄物の減量・再資源化、エネルギーの回収に係る普及・啓発活動を引き続き推進する。
? 低公害車普及拡大のための低公害車の導入可能性、運用上の改善策等の実証調査等を引き続き実施するとともに、低公害車の公害パトロール車としての導入に対する補助や税制上の優遇措置の拡充を行う。
? 二酸化炭素排出低減・抑制に資する交通体系の形成のため、中長距離の物流拠点間の幹線輸送におけるモーダルシフト(鉄道輸送、内航海運等への誘導)の推進や効率的物流システムの構築、バス交通の活性化等を図るとともに立体交差やバイパス等の道路整備を引き続き行う。
? 安全性の確保を前提とした原子力の開発利用や水力、地熱の利用、また、コンバインドサイクル発電、大陽光発電の導入等を引き続き推進する。
? 調査研究、観測・監視を一層推進するため、現象解明及び影響評価対策に関する研究、人工衛星等を用いた観測、並びに観測技術の開発を引き続き実施する。
? 新エネルギー技術や省エネルギー技術、二酸化炭素の固定化・有効利用等の革新的技術開発について、従来のサンシャイン計画、ムーンライト計画等の研究体制を一体化したニューサンシャイン計画及び(財)地球環境産業技術研究機構における研究等を積極的に推進する。
? 地球温暖化防止上有効な新たな技術の普及促進を図るため、各種対策・技術の現状等を把握するとともに各分野への適用可能性等を検討し、対策の普及促進のためのマニュアルを整備する。
? 地球温暖化防止行動計画の周知・普及のため、引き続き経済団体等関係団体、有識者、一般に配布・周知するとともに地方公共団体に対しても各種会議等を通じ周知する。
? 国際協力については、引き続き関係機関への支援等を行う。また、アジア太平洋地域の開発途上国における温暖化対応戦略の策定支援をはじめとして引き続き地球温暖化防止に資する技術の移転の推進を図る。
? 地球環境保全に関する関係閣僚会議は、二酸化炭素の排出総量等のほか、対策の実施状況について報告を受ける。
(2) 地球温暖化防止のための総合的長期的ビジョン(地球再生計画)の具体化の促進
 世界各国が協調して革新的環境技術の開発等に取り組む総合的かつ長期的ビジョン(地球再生計画)の具体化の促進に努める。
(3) 気候変動枠組条約への対応
 1992年(平成4年)5月に採択された気候変動に関する国際連合枠組条約の発効に向け、締約国会議に委ねられた事項等に係る国際的な取組に対し、積極的な貢献を行うとともに、温室効果ガスの排出・吸収目録の作成や温暖化対策の効果予測など条約に盛り込まれている責務を果たすため所要の措置を講ずる。
(4) 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)における検討への協力
 IPCCは、1992年(平成4年)11月の第8回全体会合において、組織を再編成し、1995年(平成7年)を目標としてそれまでに得られる最新の科学的知見を集約・整理した第2次評価報告書を取りまとめる予定であり、我が国としても1993年(平成5年)6月に予定される第9回全体会合を始めとする関連会合及ひ第2次評価報告書作成のための作業に積極的に参加し、IPCCの活動に引き続き貢献していく。

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