1 自然公園の施設整備
平成3年における自然公園の利用者数は前年に比べ1.7%増えて10億1,400万人に達し、初めて10億人を超えた。このように国民の自然とのふれあいを求めるニーズはますます高まっており、ゆとりやうるおいのある真に豊かな国民生活を実現していくため、多様な自然環境を保全しつつ、自然の質に応じた利用基幹施設の整備を推進することが必要である。この整備体系を示せば第7-5-1図のとおりである。
(1) 国立・国定公園の利用施設
国立・国定公園は、優れた自然環境を有する地域であるので、これら自然環境に配慮しつつ、自然とのふれあいを求める国民のニーズに応え、安全で快適な利用を推進するため、園地、歩道、野営場、公衆トイレ等の利用の基幹施設を整備した。特に公衆トイレについては、水洗化など快適性の向上を図るため、平成3年度から着手した緊急再整備事業を引き続き実施した。なお、4年度における国立・国定公園の利用施設の整備状況は第7-5-1表のとおりである。
(2) 国民休暇村
国民休暇村は、・国立・国定公園の自然環境の優れた休養適地に、低廉で快適な宿泊施設を始め、自然に親しむための各種の施設を総合的に整備するものであり、現在、32か所が利用に供されている。
国民休暇村の施設のうち、園地、歩道、野営場等の公共施設については、国又は地方公共団体が整備し、宿舎、ロッジ、スキーリフト等の有料施設については(財)国民休暇村協会が整備、運営している。
国民休暇村の年度別利用者数の推移は第7-5-2表のとおりである。
(3) ふるさと自然公園国民休養地
ふるさと自然公園国民休養地は、都道府県立自然公園内で、都市住民が積極的に自然に働きかける活動を通じてより深く自然とふれあい、自然と人間との調和のあり方を身につけることに重点を置き整備する地域であり、5か年で博物展示施設(ふるさと自然公園センター)、園地、野営場、歩道等必要な施設の整備を行うものである。平成4年度は、継続6地区、新規1地区の整備を行った。