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第3節 

4 森林の保全管理

 森林の有する多面的機能の確保に資するため、森林病害虫等防除法等に基づき、森林病害虫等の防除を実施するとともに、必要な助成を行った。特に、松くい虫被害対策については、松くい虫被害対策特別措置法等に基づき、保安林等の保全する松林について、伐倒駆除(被害木の伐倒、薬剤散布)、特別防除(薬剤の空中散布)、特別伐倒駆除(被害木の伐倒及び破砕等)、補完伐倒駆除(被圧木等の伐倒、薬剤散布)、松くい虫の天敵であるアカゲラを利用した防除等の各種防除を環境の保全に配慮しつつ、総合的に実施するとともに、保全する松林の周辺森林において、広葉樹林等への樹種転換を積極的に推進した。
 森林の適切な管理を行うため、保安林及び林野火災等の被害が多発するおそれがある森林について行う森林パトロール、林野火災予防資機材の配備等に加え、防火森林、防火林道の整備等に助成した。
 また、国民参加による森林整備を推進するため、分収林制度を積極的に推進したほか、国民、企業等の任意、自主的な搬出による全国レベルの基金である「緑と水の森林基金」の造成・整備を積極的に推進し、国民の期待にこたえた森林資源の整備、利用等に関する総合的な調査研究、普及啓発等を実施した。
 国有林野については、原生的な天然林を保存することにより、森林生態系からなる自然環境の維持、動植物の保護、遺伝資源の保存等に資することを目的として保護林を設定している。そのうち、我が国の主要な森林帯を代表する天然林の区域に設定される森林生態系保護地域については、平成4年度末までに狩場山地、白神山地、屋久島等15か所、約18万8千haを設定した。
 さらに、タンチョウ、ツシマヤマネコ、レブンアッモリソウ等の希少な野生動植物を保護するため、特定動物生息地保護林及び植物群落保護林を設定し、これらの動植物種の生息・生育地等の保全を図るとともに、すべての保護林について巡視を行い、野生動植物種の保護を推進した。

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