2 野外活動・休養施設、身近な自然とふれあう施設等の整備
(1) 国民宿舎
国民宿舎は、自然環境に恵まれた休養適地における、国民の低廉かつ快適な宿泊休養を目的とした施設である。平成2年度末宿舎数は297か所であり、2年度の利用者数は864万人であった(第7-5-3表)。
(2) 国民保養センター
国民保養センターは、自然公園等の休養適地に主として地域住民の日帰りレクリエーション活動と保健休養を目的とした施設である。平成2年度末のセンター数は69か所であり、2年度の利用者数は288万人である(第7-5-4表)。
(3)自然環境保全活動拠点 −ふるさといきものふれあいの里−
ふるさといきものふれあいの里は、トンボ、セミ、カエル等の小動物が生息する地域等、ふるさとの特色ある自然とのふれあいの場を保全し、同時に自然教育の場を確保しようとするもので、施設整備を行うだけでなくボランティア参加等による自然解説指導等を行い、自然教育をすすめることを目的としている。
事業は、地域の持つ自然の多様性に応じて、地域内のタイプの異なる自然観察地等を歩道等で有機的に結ぶ広域整備型と、地域内に活動拠点として自然観察地等の一体的な整備を行う単独整備型とに類別し、それぞれにネイチャーンター、観察施設、生態系保全施設等を整備する。平成3年度は広域整備型3地区、単独整備型4地区の計7地区で整備を実施した(第7-5-5表)。
(4) 長距離自然歩道
長距離自然歩道は、国民が広く自らの足で自然や史跡などを訪ねることにより、健全な心身を育成し自然保護に対する理解を深めることを目的とするもので、自然公園や文化財などを有機的に結ぶ長距離にわたる自然歩道として、昭和45年度から整備を進めている。四季を通じて利用できるよう、また、都市住民が容易に利用できるよう配慮しつつ、整備を行っており、総延長は1万2,999?である。2年度からは東北自然歩道の整備に着手している。
なお、その利用者数は、平成2年には3,049万人に達した。それぞれの概要は第7-5-6表のとおりである。
(5) 保健保安林、レクリエーションの森
生活環境保全機能及び保健休養機能の高い森林について、保健保安林の指定を積極的に行い、その利用のための施設整備につき助成したほか、環境保全保安林整備事業を推進した。公衆の保健及び風致の保存を目的とする保健保安林及び風致保安林は約58万haであり、適正な配備を図るとともに、生活環境の保全・形成を図るため、保安林の造成改良等の森林整備(244か所)及び森林の買入れ(1か所)を実施したほか、保健保安林の基礎整備の一環として、施設整備(34か所)を行った。
国有林野のうち国民の保健及び休養の用に供するために指定された自然休養林をはじめとするレクリエーションの森(約55万ha)については、定期的な整備及び維持管理を行い、森林の保健休養機能の積極的な発揮を図った。
また、森林の有する保健・文化的機能を高度に発揮するため、国有林野に各種森林レクリエーション施設を総合的に整備するヒューマン・グリーン・プランを推進した。
(6) 家族旅行村
家族旅行村は、主として家族が恵まれた自然の中で手軽に利用できる観光レクリエーションの場を確保するとともに、あわせて地域の振興に資することからその整備を進めており、平成3年度においては、11地区の整備を継続するとともに、新規3地区において実施設計調査を行った。
(7) 少年自然の家
少年自然の家は、少年を自然に親しませ、集団宿泊活動を通じてその情操や社会性を豊かにし、心身を鍛錬し、もって健全な少年の育成を図ることを目的とする社会教育施設である。国立少年自然の家については、これまでに全国に14ヵ所整備する計画の下に順次その建設を進めてきたが、平成3年度においてその設置を終了したところである。また、引き続き既設国立少年自然の家の施設整備を行ったほか、公立少年自然の家2ヵ所の建設事業に対して補助を行った。