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第2節 

3 自然公園の指定、公園計画の見直し

(1) 国立・国定公園の指定
 自然公園には、我が国の風景を代表するに足りる傑出した自然の風景地を指定する国立公園、国立公園の風景に準ずる優れた自然の風景地を指定する国定公園、都道府県の風景を代表する風景地を指定する都道府県立自然公園とがある。現在までに多くの自然公園が指定され、自然環境の保全に資するとともに、野生体験、自然観察や野外レクリエーション等の自然とふれあう場として重要な役割を果たしている。
 平成3年度末現在、我が国の自然公園は、28の国立公園(205万ha)、55の国定公園(133万ha)及び299の都道府県立自然公園(194万ha)からなり、その合計面積は871万haで国土面積の23%を占めている(第7-2-1図)。


(2) 海中公園地区の指定
 海中公園制度は、海中の景観を維持するため、環境庁長官が国立・国定公園の海面の区域内に海中公園地区を指定し、必要な規制を行うとともに、その適正な利用を図るものである。
 平成3年度末までに、国立公園に28地区、国定公園に30地区、合計58地区2,419haの海中公園地区が指定されている。
(3) 公園計画の再検討
 自然公園の適正な保護及び利用を図るため公園計画を定めることとされているが、国立公園を取り巻く社会条件等の変化に対応するため、昭和48年度から自然保護の強化を基調として公園計画の再検討を行っている。また、再検討が終了した公園については、おおむね5年ごとに公園計画の点検を実施することとしている。
 平成3年度には、瀬戸内海国立公園(和歌山県、山口県及び福岡県地域)について再検討を終了した。
 また、国定公園の公園計画についても、国立公園に準じて国及び都道府県において再検討を進めており、平成3年度に網走国定公園、栗駒国定公園、蔵王国定公園、沖縄海岸国定公園について再検討を終了した。
 なお、都道府県立自然公園は、公園計画の定められていない公園があるため、公園計画を定めるよう指導を行った。
(4) 乗入れ規制地域の指定
 平成2年に「自然公園法」が改正されたことに伴い、国立公園又は国定公園の特別地域のうち環境庁長官が指定する区域において、車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させることが規制されることとなった。
 これは近年普及の著しいスノーモービル、オフロード車あるいはモーターボート等の乗入れによる植生や野生動植物の生息・生育環境への被害を防止するためのもので、改正法施行以来平成3年度末までには富士箱根伊豆国立公園を始めとする17国立・国定公園の24地域13万6,263haを乗入れ規制地域に指定した。
(5) 公園事業種の変更
 近年の自然志向の高まりによる自然公園利用の多様化、複合化あるいは過剰利用等に対処し、公園の保護及び適正な利用の推進を図る観点から、登山鉄道などの鉄道施設や動物全般を対象とした繁殖施設を設けられるよう、平成3年7月5日に「自然公園法施行令」が改正され、公園事業施設のうち「鋼索鉄道による運送施設」が「鉄道による運送施設」に、「養魚施設」が「動物繁殖施設」にそれぞれ変更された。

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