7 農林水産業に係る水質汚濁防止対策
(1) 農業用水水質汚濁対策
農業用水の水質を保全する観点から、全国で農業用水路、農業用ため池及び農業用地下水の水質の実態把握を行うとともに、水質汚濁が懸念される大規模な農業用水源池を対象とした水質実態、汚濁原因等の調査を行った。また、農業用用排水の水質改善の手法を確立するための調査を実施した。
また、農業振興地域においては、農業集落から排出される汚水等を処理する施設を整備する農業集落排水事業670地区、緊急に被害防止対策を必要とする地区については、用排水路の分離、水源転換等を行う水質障害対策に関する事業直轄1地区補助71地区を実施した。
(2) 水産関係公害防止対策
水銀、PCB、ダイオキシン等有害化学物質等の魚介類への影響、汚染状況等についての調査、海外漁場で漁獲された魚介類の化学物質による汚染実態の調査、酸性雨による湖沼の酸性化が内水面漁業に及ぼす影響の調査及び保全対策の検討並びに貝類の毒化予知手法の開発等の貝毒対策を行うとともに、「海洋水産資源開発促進法」に基づく沿岸水産資源開発区域等における水質汚濁等の防止を図るための環境調査に助成した。
また、内湾・浅海域に立地する発電所の大量取放水による漁業資源への影響についての検討、栄養塩類の構成比の変化が漁業に与える影響の調査、干潟・浅海域等の浄化機能の定量的手法を確立するための調査等を行った。
さらに、突発的な漁場油濁被害等の漁業公害の防止及び軽減を図るため、都道府県の漁業公害調査指導員による漁場の監視及び漁業者の指導、油処理剤等の防除資器材や観測器具等の配備等を総合的に行う漁場保全対策事業に助成した。また、漁場者団体を中心としたFRP漁船、漁網、貝殻等の漁業系廃棄物処理計画策定について助成したほか、公害による漁業被害の実態や公害防止対策等について、映画、テレビ等による啓発活動を行うとともに、都道府県等が実施する漁場クリーンアップ事業に助成した。このほか、石油を分解する微生物による油濁処理技術の開発を行った。
赤潮の発生及び被害の防止対策として、瀬戸内海等赤潮の発生のおそれのある水域を対象に、赤潮の原因となるプランクトンの発生状況等を調査するとともに、これらのプランクトンに関する情報の収集及び関係機関相互で情報交換・伝達を行うための赤潮貝毒監視事業に助成した。また、各種赤潮の発生機構の解明と漁業被害防止技術の開発のほか、赤潮情報のデータベース化・ネットワーク化を通じた赤潮発生予察システムの開発を行う事業等を実施した。また、貧酸素水塊(青潮)の発生・被害防止技術の開発を行った。
(3) 被害救済対策
原因者不明の油濁事故に対処するため、(財)漁場油濁被害救済基金の救済事業等に助成した。養殖共済の赤潮特約に係る純掛金の一部に助成した。