4 スパイクタイヤによる粉じん対策
近年、積雪寒冷地域においてスパイクタイヤを装着した自動車が道路を損傷することにより大量の粉じん(以下「スパイクタイヤ粉じん」という。)を発生させ、生活環境の悪化をもたらすのみならず、人の健康への影響も懸念されて深刻な社会問題となったことから、国、地方公共団体等において各種の対策が講じられてきた。
まず、制度としては、「スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律」が平成2年6月に成立して公布、施行された。同法は、スパイクタイヤ粉じんを発生させないように努めることを国民の責務として規定するとともに、国及び地方公共団体においても、スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する啓発、知識の普及等の関連施策の推進・実施に努めなければならないとする一方、環境庁長官が指定する地域においてスパイクタイヤの使用を規制することとしている。
環境庁では、地方公共団体における脱スパイクタイヤ関連施策の実施に資するための「ノースパイクタイヤまちづくりマニュアル」、啓発用パンフレット、ポスター等を作成し、都道府県等に配布した。
地方公共団体においても、平成元年以来、12月を「脱スパイクタイヤ運動推進月間」とし、関係23道府県で構成する「スパイクタイヤ対策行政連絡協議会」及び関係198市で構成する「ノースパイクタイヤ都市づくり推進協議会」の主催、環境庁ほか関係6省庁の後援による各種キャンペーン活動等を一斉に展開している。
また、平成2年12月には、スパイクタイヤの使用が禁止されない自動車等を定める施行令を公布するとともに、環境庁は平成3年1月から順次スパイクタイヤの使用を規制する地域を指定しているところである(4年3月現在17道県内672市町村)。
さらに、平成3年11月には、大型自動車等に対するスパイクタイヤ使用規制の適用猶予期限を平成5年3月31日とする施行令を公布した。