3 環境保全活動の推進
(1) 環境保全活動一般
環境問題に対する関心の高まりとともに、環境保全活動に参加したいと考える者が増加している。また、企業においても環境保全型の活動に対する関心が高まっている。
しかしながら、どのような活動が「環境にやさしい」のか、どのように環境保全活動を実施するのか等、実行段階でさまざまな混乱や問題点が生じており、適切な情報提供を行うとともに社会的な条件整備や適切な情報提供等、地域や企業における環境保全活動を一層促進していくための施策を充実していくことが必要となっている。
環境庁では地域における環境保全活動を促進するため、環境庁では、平成3年度においては、仙台において「環境保全リーダー研修会」を実施するとともに、「地域環境保全基金」を活用した地方公共団体の施策を促進するため、情報交換等の支援策を行った。
また、企業における環境保全活動の現状を把握するための調査を実施するとともに、環境にやさしい商品生産及び環境に配慮した消費行動を促進するため、エコマーク制度の指導育成事業を行った。
(2) リサイクル活動の推進
「再生資源の利用の促進に関する法律」の成立(平成3年4月)・施行(3年10月)及び廃棄物の再生を明記した「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の改正法の成立(3年10月)を受けて、リサイクル活動の一層の促進を図ることが必要となっている。
このため、平成3年より、経済企画庁、環境庁、大蔵省、厚生省、農林水産省、通商産業省、運輸省及び建設省は、10月を「リサイクル推進月間」と定め、再生資源の利用の促進に関する国民の理解と協力を得るため、各種シンポジウムの開催等、広範な普及啓発活動を実施した。
また、環境庁では、リサイクル活動を一層促進するため、各種パンフレット、普及啓発用ビデオ等の作製配布を行うとともに、市区町村における情報提供の現状を把握するための調査を実施した。
さらに、厚生省では、新たにごみ減量化促進対策補助金の制度を設け、ごみの資源化ルートの構築や組織づくり等に対して補助を行うとともに廃棄物の減量化や再生利用を促進するための各種啓発活動を行った。
(3) 空き缶の散乱防止
缶飲料の生産量は急速に増大し、昭和45年には8億缶程度であったものが、平成2年度には290億缶を超える状況にある。これらの缶飲料の空き缶の一部が道路、海岸、河川等に散乱し環境美化の観点から問題となっている。環境庁が平成2年度に全国の約700市区町村について実施した調査の結果では、近年、散乱状況に顕著な改善が見られず横ばい状況にある。
空き缶散乱防止対策としては、それぞれの立場から様々な取組が行われている。地方公共団体においては、それぞれの地域の実情に応じた各種の対策を講じており、空き缶散乱防止に関する条例や要綱の制定、投げ捨て防止のキャンペーン、清掃の強化等のほか、一部の地方公共団体においては、空き缶回収機を活用して、一定の枚数を集めると図書券等に交換できる補助券を発行する方式や預り金方式(デポジット)などの導入により空き缶回収等を行っている例もみられる。
国においては、関係11省庁からなる「空き缶問題連絡協議会」における申合わせに基づき、普及啓蒙活動の充実を図っているほか、環境庁及び厚生省は「環境美化行動の日」の設定を地方公共団体に呼び掛け、空き缶散乱防止を含め、広く環境美化のための国民各層の積極的行動の推進を図っている。
事業者においては、普及啓蒙活動を全国的に行うとともに、美化キャンペーンとしてごみ持ち帰り袋の配布、くずカゴの配布、全国各地での空き缶回収活動の推進及び自動販売機への回収容器の設置の促進等を行っている。
住民等においては、空き缶持ち帰り運動やごみの分別収集に協力するとともに、全国各地で散乱空き缶の回収、資源化等でユニークな活動を行っている。