4 税制上の措置について
平成3年度においては、現在直面している都市・生活型公害、地球環境問題などの問題に積極的に対処するため、以下のような税制上の措置を講じることとしている。
(1) 国税関係
ア 再生紙の利用促進、空き缶の回収促進、ガラスびんの再利用促進を図るため、古紙脱墨設備、金属製空缶回収装置、ガラスくず再生用陶磁器等除去装置につき、特別償却措置を創設する。
イ 「特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律の一部を改正する法律」の成立後、その施行とあわせて、洗浄分野で使用される特定フロンの排出抑制・回収設備に係る特別償却をトリクロロエタンにも拡充する。
ウ 昨年6月の「水質汚濁防止法」等の改正により、新たに規制対象として追加された指定地域特定施設等についても、特定の事業用資産の買換え(交換)の場合の譲渡所得の課税の特例の対象に加えるほか、現行の租税特別措置を延長する。
エ 汚水処理用設備、ばい煙処理用設備、廃棄物処理用設備(有害汚泥処理装置及び鋳物廃砂処理装置)に係る特別償却措置について、その適用期限を延長する。
オ 廃棄物再生処理用設備である廃プラスチック類再生処理装置にか係る特別償却措置について、その適用期限を延長する。
カ 公害防止事業団が行う建設譲渡事業の用に供するために個人が土地を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例について、税率を引き下げた上、その適用期限を延長する。
キ 以下の土地等について地価税(仮称)における非課税措置を講ずる。
・自然環境保全に関するもの−以下の各地域(地区)内の山林、池沼及び原野等に係る土地等
(ア) 国立公園又は国定公園の特別地域
(イ) 都道府県立自然公園の特別地域(国立公園の特別地域と同等の規制を受けるものに限る。)
(ウ) 自然環境保全地域の特別地区
(エ) 都道府県自然環境保全地域の特別地区(自然環境保全地域の特別地区と同等の規制を受けるものに限る。)
(オ) 鳥獣保護区の特別保護地区
・公害防止事業団に関するもの−事業協同組合等が公害防止事業団から譲り受けた産業公害防止のための集団設置建物等の用に供する土地等(組合員等への再譲渡が予定されているものに限る)で、譲渡代金の償還期間内であるもの
ク 一般廃棄物処理施設又は産業廃棄物処理施設の用に供されている土地等について、地価税(仮称)における課税価格の計算の特例措置を講じる。
(2) 地方税関係
ア 石油精製業者のうち軽油中に含まれる硫黄分を低減するための軽油脱硫油設備を設置するものに対し、平成3年度及び4年度に限りその設備に係る固定資産税の課税標準の軽減措置を創設する。
イ 昨年6月の「水質汚濁防止法」等の改正により規制の対象となった中規模のし尿処理浄化槽(指定地域特定施設)についても、従来からの規制対象施設と同様に、固定資産税、特別土地保有税、事業所税の非課税措置を講じる。
ウ 電気自動車を取得した場合に適用される自動車取得税の課税の特例及び電気自動車を保有する場合に適用される軽自動車税又は自動車税の課税の特例について、その適用期限を延長する。
エ 洗浄分野で試用される特定フロンの排出量削減に資する排出抑制・回収設備に係る固定資産税の課税標準の特例措置を延長する。