2 河川、港湾、漁港、海岸の環境整備
(1) 河川の環境整備
ア 河川の環境整備
河川の高水敷等を整備し、水と緑の公共空間として住民に憩いとレクリエーションの場を提供するため、河川環境管理基本計画(平成元年度迄策定132水系)に基づき河川の由然環境の適正利用のための施策を推進するとともに、事業費75億600万円で205河川について環境に配慮した河川の整備を行い、良好な水辺空間の形成を図る河川環境整備事業(河道整備事業)を事業費4億6,300万円で6河川について、水門、船溜り等の整備を行いレクリエーション空間としての河川利用の推進を図る河川環境整備事業(河川利用推進事業)を実施した。また、河川周辺の景観等に調和した河川改修等を行う「ふるさとの川モデル事業」及び河川改修と市街地整備を併せて行う「マイタウン・マイリバー整備事業」、河川とその周辺の良好な景観の形成を図るため堤防の強化と併せ、堤防に植樹を行う「桜づつみモデル事業」、河川の自然環境を体験する場を創出する「せせらぎふれあいモデル事業」を実施した。
イ ダム周辺の環境整備
ダム貯水池周辺の環境を整備し、自然環境との調和を図るため、新規事業(レイパーク事業)の着手を含め新たに御所ダム等6ダムを加え、合計35ダムについて事業費10億7,900万円で、整地、法面保護、緑化対策等の基盤整備を図るとともに、特定貯水池総合保全整備事業(グリーンベルト事業)として新たに寺内ダムを加え、合計5ダム(事業費3億3,800万円)で実施し、ダム貯水池周辺の森林地域等の保全整備を行った。
また、新たに、水と緑のオープンスペースとしてダム湖を活用し、親水性を向上させるためのダム湖活用促進事業(レイクリゾート事業)を新たに土師ダム等を加え、合計4ダム(事業費3億400万円)において実施した。さらに、堆砂対策と併せて、常時一定水位で利用可能な湖面を創出し、ダム湖の親水性を向上させるレクリエーション湖面整備ダム事業を2ダム(事業費2億2,420万円)において着手した。
ウ 砂防設備周辺の環境整備
都市周辺の渓流において、自然環境との調和を図り、緑と水辺の空間を確保し、生活環境の整備を行うため、平成元年度は事業費7億7,550万円で滋賀県大山川等18渓流において高水敷の整備、緑化等を実施した。また、平成元年度より、歴史に残る砂防設備を積極的に保存する「砂防学習ゾーン・モデル事業」を新たに実施した。
(2) 港湾の環境整備
ア 港湾における緑地等の整備
港湾において快適な環境を創造し、港で働く人々及び港を訪れる人々に憩いの場を提供するため、平成元年度は横浜港等において緑地等の整備を行った。また、歴史的港湾施設の保存、活用を図るとともに、周辺の環境整備を一体的に進める歴史的港湾環境創造事業を実施した。
イ マリーナ等の整備
マリーナは、海洋性レクリエーション活動の増大に対応するだけでなく、その優れた景観と高い親水性からアメニティの高い潤いのある空間を創出することが期待される施設であり、自然環境の保全との調和を図りつつ、積極的に快適な環境を創造する観点から、その整備を推進している。平成元年度においては、公共事業により、小名浜港等においてマリーナの整備を行ったほか、伏木富山港等においてプレジャーボートスポット(ヨット、モーターボート等のプレジャーボート用の簡易な係留施設)の整備を行った。また、マリーナ等を中心とし、周辺の環境と調和した安全で快適な海洋性レクリエーション基地の整備を推進するコースタルリゾートプロジェクトを昭和61年度より全国39か所で行った。
(3) 漁港の環境整備
漁港における景観の保持、美化を図り、快適で潤いのある漁港環境を形成するとともに、作業効率又は安全性の向上に資するため、植栽、休憩所等の整備を行う漁港環境整備事業(事業費22億円)を実施した。
(4) 海岸の環境整備
多様な海洋性レクリエーション需要の増大に伴う海浜利用の進展に対処するとともに、快適で潤いのある海岸環境の保全と創出を図るため、離岸堤、突堤、人工リーフ、階段式護岸、遊歩道、人工海浜等の整備を行う海岸環境整備事業を、平成元年度は、浦ノ浜、用宗漁港、博多港、広尾等全国235か所において事業費297億5,530万円(うち国費99億2,250万円)で、実施した。