3 生活雑排水対策の推進
生活雑排水は生活排水のなかでも大きな負荷割合を占め、公共用水域の水質の汚濁の主要な原因の一つとなっている。
この生活雑排水対策を推進するためには下水道整備の促進を図るほか、下水道整備計画等を勘案しつつ、地域の実情に応じ、農業集落排水施設、コミニティプラント、合併処理浄化槽等各種生活排水処理施設の整備を的確に組み合わせて進めるとともに、各家庭からの汚濁負荷を削減するため、住民意識の啓発、住民による実践活動の推進等の対策を総合的に推進していく必要がある。
このため、環境庁においては昭和62年度から生活雑排水対策の実施が緊要な湖沼流域、総量規制地域等において、生活雑排水対策広域推進事業を実施し、63年度から水環境フォーラムの開催等を行っている。また、地方公共団体において生活雑排水対策を総合的に推進するために63年に作成した「生活雑排水対策推進指導指針」に基づき対策の推進を図った。さらに、平成元年12月、生活雑排水対策に係る制度の在り方について、中央公害対策審議会に諮門し、平成2年3月に答申がとりまとめられた。また、生活雑排水により汚濁の進行している都市内の中小河川において直接浄化施設を設置し、水質改善を図るとともに住民意識の啓発を図ることも重要であり、一部の地方自治体においては対応が図られている。
このほか、生活環境の保全等を図るとともに公共用水域の水質保全に資するため、厚生省及び建設省においては、毎年9月10日を「下水道促進デー」とし、また、環境庁、厚生省及び建設省では、毎年10月1日を「浄化槽の日」として、国民的運動を展開している。