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第2節 

1 道路交通公害対策

 道路交通公害対策としては、自動車構造の改善、交通管理、道路構造等の面からの対策を総合的に推進する必要がある。
 窒素酸化物対策については、自動車本体からの排出ガスの低減対策として、ディーゼルトラック等について、更に一層の低減を図るべく引き続き中央公害対策審議会において平成元年度中の答申を目途に審議を行う。また、燃料面からの対策による自動車排出ガス低減に関する調査を引き続き実施するとともに、新走行モードによる規制値の設定等に関する調査を実施する。
 さらに、自動車排出ガス低減技術の進展状況等に関する評価を行うとともに、ディーゼル黒煙の削減手法についての調査、動物実験によるディーゼル排出ガスの慢性影響に関する調査及び自動車排出ガス対策の効果予測等のための排出ガス原単位の設定等に関する調査を実施する。
 このほか、京浜・阪神地域を対象としてとりまとめた各種交通対策等についての計画を推進していく。
 また、自動車排出ガスの一層の低減のため、地域全体の自動車排出ガスの総量の抑制等の新たな考え方に立った対策について検討を進める。
 道路交通騒音対策については、自動車本体からの騒音の低減対策として、所要の対策を引き続き実施する。
 また、地方における道路交通騒音防止対策の計画的総合的推進に資するため、必要な調整等を図りつつ、モデル地区において調査等を実施する。
 低公害車の普及については、学識経験者等からなる検討会においてまとめた普及方針に基づき、低公害車モニター調査、「公害健康被害の補償等に関する法律」に基き公害健康被害補償予防協会に置かれた基金(以下「公健法の基金」)等を活用して引き続き推進していく。
 また、最新規制適合車等への代替促進、自動車交通量の抑制に効果のある共同輸配送の推進については、公健法の基金を活用して進めていく。
 交通管理については、警察において都市総合交通規制(第2部第2章第4節2(4)参照)を拡充するとともに、交通管制センターの管制エリアの拡大と機能の高度化及び幹線道路における信号機の系統化等を図る。併せて、道路交通情報の収集・提供の拡充に努める。
 道路環境対策としては、バイパス・環状道路を環境保全に配慮しつつ整備することによる交通量の分散・円滑化、交差点の立体交差化等による渋滞箇所の解消、遮音壁、環境施設帯の設置を行うほか、道路緑化等のによる親しみとうるおいのある道路環境の整備を推進する。また、沿道環境対策として「幹線道路の沿道の整備に関する法律」基づく沿道整備道路の指定、沿道整備計画の策定、同計画を実現するため施策を行うとともに、高速自動車国道等の周辺における住宅の防音工事助成等を実施する。さらに、道路開発資金制度により沿道環境の向上に資する建築物の建築等に対する長期の低利融資を行う。このほか、各道路管理者においては、道路交通情報の収集・提供、過積載車両等の指導取締り等により沿道環境の保全に努める。

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