~諸外国における自然再生事業の特徴~ 諸外国における自然再生事業は、オランダやバルト三国におけるエコロジカルネットワーク、アメリカにおける各種行動計画(アクションプラン)、EUにおけるハビタット指令など、国土全体の生態系保全のあり方を見据えた自然再生に関して基本となる計画を踏まえ、個別の具体的事業を実施していることが特徴である。 また、自然再生事業は、絶滅危惧種やそのハビタットの再生という地域レベルの事業から国土全体の生態系や景観保全といった国レベルの事業に至るまで多様なスケールで存在し、それぞれのスケールにおいて実施すべき事業に優先順位がつけられていることも特徴的である。 すなわち、種、ハビタットおよび生態系の現状を、「今後、どうすべきか」あるいは「将来、どうあるべきか」という目標が地域レベル、国レベルで明確に設定されているということである。同時に、自然再生事業を実施したことによる効果が、国全体における生態系や景観に関する将来計画に反映されており、自然再生事業における目標設定と土地利用計画や国レベルの整備事業との間の整合性も図られている。 なお、自然再生事業の中には、イギリスやアメリカのように、事業の目的に生態系の回復だけでなく、積極的な雇用機会の増進を掲げた経済効果を見込んだものがあることも特徴である。 |
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