知床国立公園 知床の類まれな自然を、流氷から始まる命の循環を通じて感じる

ストーリー

知床半島は世界有数のヒグマの生息密度を誇り、海にはシャチやクジラが泳ぎます。この豊かな自然を支えているのが冬に沿岸を埋め尽くす流氷です。アムール川の淡水を源とする流氷は生成過程で海水を撹拌し、海底に積もった栄養分をまき上げます。また、流氷に付着した藻類が、春の訪れを機に増え始めます。それらふたつの出来事に支えられたプランクトンの大増殖が起点となって小魚を育み、サケなど大きな魚の餌となり、やがてオオワシやシマフクロウといった鳥類やヒグマ等の哺乳類など、陸の生き物の命に繋がり、そして森に蓄えられてた養分は川を経て再び海に戻されます。知床は、流氷に端を発する命の循環を垣間見ることができる貴重な地域なのです。