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阿蘇くじゅう国立公園(PC表示) 阿蘇くじゅう国立公園(SP表示)

阿蘇くじゅう国立公園 特徴

地形・地質・景観

阿蘇山は、南北約25km、東西約18kmに及ぶ世界最大級のカルデラを有し、最高峰の高岳(1,592m)をはじめ阿蘇五岳からなる中央火口丘や、その周囲の火口原と外輪山によって構成されています。火口付近は荒々しい景観ですが、火口縁から遠ざかるにつれて多くの植物が生育する草原となり、穏やかな景観を呈しています。

一方、くじゅう連山は、最高峰の中岳(1,791m)をはじめとした峰々からなるトロイデ(鐘状)型火山地形として変化のある景観となっています。これらの南北には、火山灰などによって形成された火山性高原が広がり、雄大な草原景観を呈しています。また、窪地が多く、豊富な湧水や雨水によって多数の湿原が発達しています。

このような火山と草原のコントラストが本公園を訪れる人々にとって大きな魅力の一つとなっています。

中岳中央火口
くじゅう連山と硫気現象
阿蘇の草原
タデ原湿原

植物・動物

火山の周辺では、火山性ガスの影響により、ミヤマキリシマやコケモモなどの特徴的な植物が群落を形成しており、独特の景観を呈しています。

また、山麓に広がる草原地帯は、永年にわたり放牧、野焼き、採草などの行為によって樹林化が抑えられてきました。優占種はススキですが、草原のまま維持されているからこそ、絶滅が心配されているヒゴタイ、キスミレ、エヒメアヤメなどの希少種が多く残されており、たいへん重要な生育地となっています。

そのほか、タデ原などの湿原には、サワギキョウやヌマガヤなどが群生する学術的に貴重な植生が発達しています。

ミヤマキリシマ群落(高岳)
ヒゴタイ
キスミレ

特徴的な動物としてはチョウ類があげられ、草原の植物を食草とするオオルリシジミ(食草:クララ)やゴマシジミ(食草:ワレモコウ)などの希少種が生息しています。また、樹林にはキュウシュウエゾゼミ、草原にはダイコクコガネといった昆虫類が生息しています。

鳥類も草原性の種が多く、ホオジロ、ホオアカ、セッカ、コジュリン、コヨシキリなどのほか、ノスリやツミなどの猛禽類も見られます。

そのほか、爬虫類ではタカチホヘビやヤマカガシ、両生類ではオオサンショウウオやブチサンショウウオ、カジカガエルなどが生息しています。

オオルリシジミ
キュウシュウエゾゼミ

本公園の生態系は、火山性ガスが噴気する硫気荒原のほか、山麓部に広がる樹林、野焼きや採草により維持されている草原の大きく3つに区分されます。

硫気荒原は過酷な環境に適応した動植物による特異な生物相が成立し、樹林は二次林や自然林など様々なタイプの森が多様な動植物を育んでいます。草原は、人の利用や管理によって植生が異なり、野焼き・採草などを続けることでススキなどが優占する長草型の植生や、放牧の牛馬による採食でシバなどが優占する短草型の植生などが見られ、それぞれ特徴的な動植物を育む生態系を有しています。

採草利用している草原(長草型)
放牧利用している草原(短草型)

文化・歴史

野焼き

本公園の草原では、春になると一斉に野焼きが行われます。これは、茅野や放牧地などとして活用するために、草原が樹林へと移り変わらないように、千年以上前から続いている営みです。

温泉

本公園内には火山の恵みである温泉地が多く、古くから地域の人々や観光客に親しまれています。

野焼き(春)
主な温泉地の一つ(筋湯温泉「日本一の打たせ湯」)写真提供:九重町

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