環境省自然環境・自然公園特定外来生物等の選定について

第3回 特定外来生物等分類群専門家グループ会合(昆虫類)議事録


1. 日時 平成17年1月13日(木)14:00~15:40
2. 場所 経済産業省別館10階 1028会議室
3. 出席者  
   (座長) 石井  実
   (委員) 高桑 正敏    桐谷 圭治
五箇 公一    梅谷 献二
小倉勘二郎
   (環境省) 上杉生物多様性企画官
堀上野生生物課課長補佐
   (農水省) 岡田野菜課課長補佐
5. 議事  
【環境省 堀上補佐】 予定の時刻になりましたので、特定外来生物等分類群専門家グループ会合(昆虫類)の第3回会合を開催したいと存じます。
 まずお手元にお配りしました資料の確認をさせていただきます。委員名簿がありまして、その下に資料1-1から1-4までございます。1-1が特定外来生物等の選定の作業手順、1-2が、外来生物(昆虫類)の特徴と選定に際しての留意点、1-3が特定外来生物等選定作業が必要と考えられる外来生物に係る情報及び評価(案)、この1-1から1-3までは前回の資料と同じでございます。資料1-4が新たにお付けしましたが、特定外来生物等の選定作業が必要と考えられる外来生物に関し、想定される未判定外来生物の例及びその他種類名証明書添付生物の例(案)、それから2-1としまして、セイヨウオオマルハナバチの取扱いについて、資料2-2がセイヨウオオマルハナバチに係る情報及び評価(案)、資料3が要注意外来生物リスト(昆虫類)(案)。参考資料を1から4までお付けしてございまして、参考資料1が特定外来生物等の概念図、参考資料2から4までが議事概要になっております。それから、今回、桐谷委員の方から1枚表裏になりますが、昆虫類専門家グループ会合に対する質問とコメントが出ております。もう1つ、日本生態学会自然保護専門委員会から環境大臣あてに、特定外来生物等の選定に関する意見書が出ておりますので、これもお付けいたしました。
 以上、もし資料に不備がございましたら、事務局の方までお申し出いただければと思います。
 それでは、議事進行につきましては、石井座長、どうぞよろしくお願いいたします。

【石井座長】 それでは議題に入りたいと思います。年始早々お集まりいただきましてどうもありがとうございます。昆虫会合はこれで最後ということになりますので、ご審議よろしくお願いしたいと思います。
 早速ですけれども、議題の1は、特定外来生物等(昆虫類)の選定についてということになっておりますけれども、前回の会合では天敵農薬にかかる制度についてご説明お願いいたしました。それから、クワガタ類に関する関係者をお呼びいたしましてヒアリングも行いました。本日はこれまでの会合での議論を踏まえまして、さらに内容を整理していきたいと。そして、特定外来生物の選定に結びつけたいというふうに考えております。
 まず、特定外来生物の指定候補と未判定外来生物、種類名添付生物について、昨日行われたセイヨウオオマルハナバチの、これ4回会合をやっていただいておりますけれども、この結果を踏まえましてどのように整理したのか、事務局の方からご説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。

【堀上補佐】 資料1に基づきましてご説明いたしますが、資料1-1から1-3までは前回までにここでご議論いただいたものと同じ資料でございます。資料1-4につきましてご説明をいたします。前々回になりますけれども、特定外来生物の選定作業が必要と考えられる外来生物として、アリについて3種候補として出されておりました。そのときには議論はしておりませんでしたけれども、未判定外来生物と種類名証明書添付についてここで書いてございます。アリ3種、基本的には非意図的に入ってくるもので、意図して輸入されてくる種類ではないということがございます。
 そういう意味からしますと、未判定外来生物については特にここでは挙げていない。もう1つは、この3種以外、特に国内に入って大きな被害が予想されるという状況に今ありませんので、未判定外来生物、もともと意図的に輸入したいという人があらわれた場合に判定するということからしますと、今回、ここでは定める必要がないのであろうと。もう1つは、種類名証明書の添付というのがございまして、これも基本的には輸入されるときに必要になる制度でございまして、これらの種類を輸入するということは今のところ想定されませんので、特に付けてございません。ただ、仮にこういった種類を学術研究等で輸入したいと、これに近いものを輸入したいというような場合があれば、それは税関においてチェックするときにわからないというものが出れば、そこは専門家に出向いていただく、あるいは我々の職員が見て専門家に情報を送ると、そういったことをして判定していくということで、特にここで未判定、あるいは種類名証明書添付をする必要はなかろうということで、なしということにしてございます。
 以上が、アリ3種についての情報でございます。
 それから資料2の方は、昨日行われましたセイヨウオオマルハナバチの第4回の小グループ会合で行われた議論についてまとめられたものでございます。昨日の小グループ会合にもお出ししておりますが、資料2-1、2-2とも、小グループ会合の中で話し合われてきたものでございます。資料2-2の方は、セイヨウオオマルハナバチにかかる情報及び評価となっておりますが、基本的には小グループ会合第1回から3回までに話し合われました内容から出てきた指摘事項、あるいは情報というところから知見を整理したものでございます。これは中身は割愛させていただきます。
 資料2-1ですけれども、セイヨウオオマルハナバチの取扱いについてということで、小グループの報告という形で出ております。頭の方ですが、本小グループではセイヨウオオマルハナバチにかかる定着実績、在来マルハナバチへの影響、外来植物への影響、現場での利用実態と逸出防止措置の実施状況、効果等について4回の会合を重ねて議論を行ってきた。以下、小グループとしての検討結果を昆虫類グループ会合に報告すると、そういう趣旨でございます。
 最初の方は影響についてどういう整理がなされてきたのかということと、流通利用実態等についての整理が書いてあります。裏に取りまとめということで提案を示してございます。表の方の丸2つですが、最初の丸が生態系等へ与える影響ということでございます。最初のチェックが定着の可能性ですが、北海道で自然の巣が発見されておりまして、周年の活動が確認されておりますので、そういう可能性があるのではないかということが言われております。それから、毎年継続的に大量な利用がなされていると。たとえ定着が確認されなくても大量に野外に逸出すれば定着しているのと同様の影響を与えることが考えられますと。そういう指摘がございました。
 それから2つ目のチェックのところですが、在来マルハナバチへの影響について、最初の方、営巣場所をめぐる競争、それから餌資源をめぐる競合、生殖攪乱、寄生生物による影響というものが在来のマルハナバチへの影響として挙げられておりましたが、実験室内での影響はいろいろと確認されております。ただし、野外での実態が不明確であるということが示されておりました。もう1つは、在来植物への影響ですけれども、盗蜜行動が野外においても確認はされている。ただし、結実率に影響を与えているかどうかは不明確であるということが示されております。
 それから利用状況と逸出防止措置の実施状況ですが、全国で年間約7万コロニーが流通していると。セイヨウオオマルハナバチを利用することによりまして、農業、生産面での効果が発揮されていると。野外にそのハチが逃げ出すということを防ぐためにネットを張るわけですが、あるいは使用済みの巣箱を回収するわけですけれども、その状況については普及率としてはまだ高くない。普及推進は図ってはいるものの普及率はまだ高くない。そういう状況にあります。ネット展張あるいは使用済み巣箱の回収の効果、北海道では効果的であるというような調査もなされておりますけれども、経年的な調査は行われていない状況である。ネット展張によりまして、温室内の環境をきちんと管理しなければいけない、あるいはネットを張ることによるコストアップ、そういったことに対応した技術開発、支援策というものの必要性、重要性が指摘されてございます。
 そういうものを踏まえまして、まとめの方に入るわけですが、セイヨウオオマルハナバチについては野外における生態系等への影響について十分な知見は得られていないものの、実験結果を踏まえれば被害を及ぼす可能性が強く示唆されている。毎年、継続的に大量のコロニーが利用されていると。そういう状態のまま野外に逸出するようなことであれば、その被害を及ぼすおそれが高まる。なので、逸出防止上の高い効果が期待できるネット展張、使用済み巣箱の回収を確実に実施することが重要であると。
 もう1つは、被害の実態についてまだ確たる知見が得られていない状況、ネット展張の実施率も高くない状況で、なかなか農家の方々の理解を得ることが難しい、そういう理解を得られないおそれも高い状況と。一方で、個々の農家にネット展張等を促すことに関しては、法的担保をもって義務づけることによる効果を十分認識することが必要であるということでまとめておりまして、以上を鑑みまして小グループとしてセイヨウオオマルハナバチの取り扱いについては以下の3つを提案するというまとめになっております。
 1つ目が、国、農協、メーカー等において逸出防止措置としてのネット展張、使用済み巣箱の回収を強力に普及推進する。今も普及推進を図っているわけですが、それをさらに進めていくということです。それから逸出防止措置の必要性を農家に普及啓発するためにも、生態系等の被害に係る知見のさらなる充実を図る。特に野外の状況に関する調査を重点的に実施する。調査の実施状況、農家への普及啓発、そういった状況を踏まえて、随時小グループにおいて検討を重ねて、ここは1年程度を目途に特定外来生物への指定について検討するということで、小グループの中で指定を前提とした検討を進めていくということの議論がなされていたところでございます。
 資料1と2につきましては以上でございます。

【石井座長】 どうもありがとうございました。ということでして、特定外来生物について、昆虫のところでは第1回目の会合に既に出ておりましたけれども、アリ類3種、それからセイヨウオオマルハナバチが取り上げられましたけれども、これについてはすぐに入れるということではなくて、1年程度を目途にということになっているわけです。
 では、セイヨウオオマルハナバチに関しましては、五箇委員が委員として実質上活躍されておりますし、4回、本当にご苦労さまでしたけれども、ちょっとコメントがあったらお願いしたいと思います。

【五箇委員】 セイヨウオオマルハナバチの小グループ、過去4回、昨日で最終会合が終わりまして、今事務局から説明がありましたような結論といたしました。特にこの会合の中で議論が集中したのは、要はこの影響を評価する上でのデータが十分であるかどうかという部分ですね、この部分に関しては当然各委員の方で今まで得られたデータを提示するとともに、やっぱりそれらをどう判断するかという部分で、各方面から意見を出していただきまして、現実にはやはり急速に輸入量が増えた結果として、今野外で捕獲される数が増えているというのは事実であると。そこは事実なのですが、現実に影響評価するというには、まだ十分な時間が足りていないというのがあると。ただ、各研究者それぞれにマルハナバチの研究はこれまでに十分行ってきておりますので、この1年間の間に十分にその研究データを整備し、さらに補充するということで、十分に検討に足るデータの整備及びその間に農家さんに使用者及び販売者に対しての説明、普及啓発というものについても時間をかけることが可能であろうと。さらにネットを張るというシステムを準備するということから、現段階で法律で指定してしまうという前に、将来的に十分に環境が整備された中で法律の指定をスタートさせるということを念頭において、この会合としてはさらに調査と検討を重ね、審議を継続してその指定に入れるタイミングを図るという結論にしたということです。

【石井座長】 どうもありがとうございました。事務局に確認ですけれども、マルハナバチの方の小グループは今後も継続するというふうに書かれていますけれども、それでよろしいですね。
 今後もしたがって、今日がこちらの方は最後になりますけれども、継続して審議をいただく。1年程度目途にということになっております。

【環境省 上杉企画官】 マルハナバチの小グループは、そういう意味では引き続きセイヨウオオマルハナバチについての検討を続けるということになりますけれども、最終的に特定外来生物に指定するかしないかというのを検討する際に、この本昆虫グループがどういう形で絡んでいくのかというのは、その時点でまた別途ご相談させていただきたいと思っています。

【石井座長】 では、今の件。

【高桑委員】 今の説明を聞いていますと、そうすると1年程度経過して、また指定するかどうかについての検討をするということであって、指定を前提として1年程度の余裕をみるということではないわけですね。

【五箇委員】 実は、昨日の会合でもそこをかなり議論、その言い回しですね、最終的な結論としての言い回しの問題もあるのですが、要は、前提としてというのが本来の姿勢なのですが、ここはつまり科学的データに基づいての話になります。したがって、入れるということを今確約できるかというと、現実には逆にひっくり返すデータですね、ネガティブデータが出てもおかしくはないわけですね。これに関しては逆に法律に指定されていても、要するに特定外来生物に指定された種でも、その後それを覆すデータが出れば、必然的にそのリストからは外されるということは、もうこの法律では決まっているわけでして、現段階でしたがって入れるということを決めた上で検討という言い方はやはり正しくはないであろうと。入れることを前提にしながらも、さらにその知見というものを整理した上で検討するというふうにとらえていただければと思います。その辺に関しては、あくまでもこれは指定された後でもそういったことは、状況は起こり得るというふうには考えていただければと思います。

【石井座長】 高桑委員、よろしいですか。この点、多分重要なことだと思います。指定を前提ではなくて、指定するかどうかも含めて検討を続けていくということで、それが1年置くということですね。
 それで私としては、時間余りありませんので、セイヨウオオマルハナバチ、資料もございますし、まず議論していただきまして、その後で1回目にやりましたけれども、先ほどご説明のあったアリのお話、それから最後にクワガタ、前回やりましたし、それから天敵の話もやりました。この辺についてまたやってみたいと思っております。
 まず、セイヨウオオマルハナバチの取扱いですけれども、ただいまの五箇委員からの補足説明も含めまして、いかがでしょうか、このような扱いにしたいということです。

【梅谷委員】 どんな生物でも外来生物を日本の野外に放して、生態系に全く影響ないということはあり得ないでしょう。この場合は、農業資材としてすでに多用されているという一面があって、1年たってもどう判断するか、難しい問題だと思うのです。影響があれば全部だめにするのか、それともネット法が多大な効果をあらわして、たとえ入れても逸散という事例がほとんどなければ、一応この方法を踏襲して輸入を続けるのか、そういう判断は責任も重いし、難しい選択になるでしょう。最初の案としては、いわゆる指定を前提としてという字句が入るという意見もあったようですが、それはちょっとおかしいのでは。その辺は1年たった先のデータ次第でしょうが、どういうふうに考えますか。

【五箇委員】 確かにこの1年間という短期間でどれだけのことが判断できるかということもあるのですが、実際問題としては、かなり各方面でマルハナバチの生態、及び生態リスクに関する研究というのは継続されてきておりまして、ある程度のデータは十分にそろっていると、問題はそれを整理するということ、さらに補充するという部分、そこには当然人とお金も必要になりますから、昨日はその部分についても検討いたしまして、農水省の方から研究予算というものに関しても準備していただくということも、もう決まっております。
 ただ、この1年何のために、1年というか、この1年以内で継続するという意味については、今ここで指定してしまうと何も整備されていない環境で指定ということになれば、必然的にもう使用禁止にせざるを得ないという状況があります。これが果たしてやっぱり農業生産という部分等を考えた場合、それが正しい判断かどうかということもあると思います。この法律でもその部分に関しては十分に産業利用という部分についても考慮しなくてはならないということは文言としても入っております。そう考えた場合、むしろネットの効果というのも既にある程度データとして出ておりますから、それを確実に張れば使用するということを継続する可能性は十分高まりますし、むしろそれを使用現場において徹底させるという準備期間、及びそのネットに関しても、昨日の議論の中で農水省の方ではある程度の補助金を準備する可能性というものもあるということも示されておりますので、ここは文字通り産官学協働でこのマルハナバチというものを、いかに健全に利用するというシステムをつくるかということに議論を集中させて、この1年以内でタイミングを図っていきたいと。むしろ1年後というよりも、この1年間の間でそのタイミングを図って、もっと早くにでもその部分について結論を出せればその時点で出したいというふうには考えております。

【桐谷委員】 ここの最後のところで、野外のセイヨウオオマルハナバチなどの状況について調査を重点的にするという、この点、私、一番大事だと思うのですが、要するにそういうクローズな条件をつくって、それでちゃんとマルハナを管理できるのかどうかということで、実際にそういうことをやっていないところとやっている地域で、やっている地域で野外に今おるやつを全部とっていったら、それ以上増えないのだったらこれ確実にこれはかなりその効果が出ているのですが、やっぱり説得力あるとすれば、そういうことは実際に野外でもやってもこうやれば確かにマルハナ、前からおるやつだけであって、これさえなくせば現在はもう出てないのだと。そういうふうな実験のデザインを、これが一番大事じゃないかと思うので、ここでいくら議論してもそのことは出てこないので、ですから、やってもらうところでちゃんとしたデザインで、それをできたらそれは2、3年ぐらい、継続しないとわからないかもしれないですが、少なくとも出発点のデザインとしてはそういうのをぜひ五箇さん、考えてやっていただきたいなと思います。

【石井座長】 ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。

【梅谷委員】 それから、法律の施行というのは前にさかのぼれませんので、今既にセイヨウオオマルハナバチは国内で生産体系がかなり整ってできていて、それを使って国内で増殖したものは規制できないでしょう。そっちの方はどうなるのですかね。別な法律を作って、例えば登録取り消しとか、非常に難しくなる、その辺まで考える必要があります。

【五箇委員】 今のご質問はあれですよね。既に生産ができていて、そういった部分で登録抹消するかということですが、このマルハナバチについては実際には農業用生物資材に過ぎなくて、農取法にも何にもひっかかっていないというのが現実なのですね。むしろこれがいわゆる農薬と同じ登録を受けているのであれば、ここの法律ではなくて農薬取締法の方での議論になるわけです。天敵農薬と同じ扱いになるわけですね。そういうことです。したがって、今まで何もなかった、いわゆる無法地帯にいた部分をこの法律で今ちょっと議論せざるを得なくなってきたというのが現実。
 今、おっしゃったように、もしこれでこの法律がこの種に対して試行された場合どうなるかということですが、今言いましたように、管理して使用するということが、この法律の中でも条件さえ整えれば使用継続はできます。その場合には当然大臣の許認可も必要になりますけれども、そういった許認可システムも含めて検討材料にこの1年の中には入っております。

【石井座長】 ちょっと時間もなくなってきましたので、何かありますか。
 セイヨウオオマルハナバチの扱いですけれども、このようなことで、今結論は出さないということになると思いますけれども、1年以内というお話になりましたけれども、ということでよろしいでしょうか。
 そうしたら、ちょっと説明の方は最初の方にあったのですけれども、アリ3種の話です。これに関しましては、第1回目の会合で既に出ておりまして、この3種ですね、ヒアリ、アカカミアリ、それからアルゼンチンアリですけれども、これを指定すると。ここでそのこととともに、未判定外来生物、それから種類名証明書添付の対象にはしないと。このように事務局の方からご提案がありましたけれども、この点についてご審議いただきたいと思います。よろしいでしょうか。

【五箇委員】 このアリ3種、これまでの会合の中でも、これを指定するということに関しては異論はないと思うのですが、問題はやっぱり指定した以上は防除しなくてはならないというところですよね。その部分については、具体的に何か秘法なりプランなりが環境省なり農水省であるかどうかということですね。これは前にも聞いたと思うのですけれども、改めてちょっとそこは確認したいと思います。

【堀上補佐】 前にもお答えしていると思いますが、今確たる防除の手法というのはありません。ないというのが状況だと思います。まず、こういった非意図的なものは見つけたときにすぐにどう対処するかというのがまず1つ。ですから、情報をどう集めるかというのがまず1つだと思います。それともう1つは、もう既にある程度蔓延してしまっていて、それをどう対処していくのか。そこは計画的にやらざるを得ないと。それは今既に駆除している地域もありますので、そことどうその情報を把握して、方法を吸い上げてほかの地域に回していくのかということになろうと思います。
 ですから、今ちょっとまだここでこういうものというのはなかなかお示しできませんが、防除についてはこれから検討していきたいと。

【石井座長】 農水の方、何かございますでしょうか。

【農水省 岡田補佐】 私はちょっと本当はお答えする立場ではないのですけれども、基本的にこのアリ3種については農林業に対する被害が今のところ確認されてございませんので、当方として防除なり、やる予定はございません。

【石井座長】 これは1度目にやった議論かなと思いますので、この辺でよろしいですか。
 ほかにこの点、いかがでしょう。

【高桑委員】 この3種というのを、ではこれから駆除しようというときに、例えばアカカミアリについては沖縄と中硫黄島に発見されており、それを実際に防除する方法というのは今これからだということを今お聞きしましたけれども、実際にその防除する中で、これ現地に行って何らかのことをしなければいけないわけですよね。そういうときに、例えば硫黄島の場合にはこれ以外にも、例えばナンヨウアシナガバチですとか、フカイオオドロバチですか、こういったものが発見されている。これはもう今優占種になっているということで、どうせ行くならば、これらも対象とするような緩やかな気持ちは持てないものかどうかというのがまず第1点です。いかがでしょうか。

【石井座長】 ついでに調査もしてくれというお話です。

【堀上補佐】 防除に関しては、本来予算措置でもできなくはないのですね、予算があればということですが。それはどういうところにそういう予算を投入するかということにかかわってきますので、例えば沖縄とか生物多様性が非常に高いようなところについては環境省としてはきちんと対応しなければいけない。そういうところはこのアリだけではなくて、他のものも含めてやらなければいけないということに、これからなっていかなくてはいけないと思っていますので、そういう対策の中で考えていきたいと思います。

【五箇委員】 今、予算措置の話もあったのですが、多分これ本当にすぐに予算を振り出せと言っても、多分難しいのは重々承知していますので、例えば昨日のマルハナバチでもそういった議論を重ねていくことで農水省の方からそういう競争資金も準備できると。競争資金に過ぎないので、これからアプライしなければいけないとか、いろいろ手間はあるのですが、同じように環境省の方でも地球局の方で地球環境研究推進費ほか、競争資金はありますから、ここでそういうことは余り積極的には言えないのですが、自然局の方からもこういうことが問題になっているということは、そういったファンデーション部門には逐一報告していただけると、我々研究者としても競争資金はとりやすいかなというふうには思いますので、そこは公の場を借りてお願いしたいと思います。

【石井座長】 わかりました。
 そうしたら、このアリ3種の扱い、これでよろしいでしょうか。

【梅谷委員】 一つ伺いたいのですが、このアリが自己壊滅せずにもしも定着したとなったら、いわゆる根絶の可能性というのはあるのですか、技術的に。

【五箇委員】 少なくとも、これ以上の拡散を防がなければいけないというのはありますよね。

【梅谷委員】 そうですね、膨大な金をかけて結局根絶できないということは、ままある話ですが。

【五箇委員】 害虫と同じで、その辺どうマネージメントするかというふうな概念でいかないといけないですけれども。

【石井座長】 前回の天敵のところと、それからクワガタのところですね。ヒアリングがありましたけれども、これについては今回選外ということになっております。これ多分、桐谷委員のことに関係していると思いますので、ちょっと資料をもとにご説明いただきたいと思います。

【桐谷委員】 昆虫類専門家グループ会合に対する質問とコメント、これは前に、速記録見たら全然自分の言っていることがわからないような速記録になっていたので、これはどうも僕の悪いくせだから、ちゃんと書いて皆さんにも明瞭にわかるようにした方がいいなと思って、事前にこれを出したわけです。逐次これを読んでみますので、それで後は石井座長にひとつよろしくお願いします。
 第1に、検討資料として、輸出国、それは種類、数量、法的規制など、それから輸入経路、どういうルートで、それからどの程度の物量がどんな手段で容器も含めて入ってくるのかと。それから輸入国日本で国内の流れ、増殖施設や利用形態など、これを流れ図として整理していただきたい。こういうことを私言っておかないと、この前の会合でも私言ったのですが、やっぱりこの導入というやつはここにステップが3つありますから、このところのステップをはっきり区別して議論していくと、割合に整理しやすいのではないかという意図から、こういうものを書いたのです。これは事務局がなさるのか、業者の方がそういう資料を出させるのか、それはそれによるかと思います。
 それから、遺伝攪乱として種間雑種とその妊性が問題にされるが、それ以外の戻し交雑による外来種に由来する遺伝子の存続も考えられると。これも1つと。
 それから、外来種がもたらすリスクの大きさは、往々にして種だけが問題にされますけれども、むしろ個体数が大きな問題ではないかと。クワガタの輸入量は、通関では200万頭と言われているらしいのですが、だけど店頭販売から推定したら、5億頭ぐらいになるのじゃないかというふうにも言われているそうです。これは妊性がない種間交雑、交尾でも個体数の優劣関係が大きく偏ると、これだけの個体数が入ったら、国内のやつは圧倒的な少数派になりますから、こうしたら少数派のものが絶滅するということはミバエの例でも、あるいは私が研究したミナミアオカメムシがアオクサカメムシを駆逐して、もう完全に単棲個体群をつくるという、そういうことは野外でも事実として残っていますから、こういうことがやはり我々は頭に入れるべきではないかと。
 それから4は、特定外来種に指定されたら直ちに輸入は禁止になるとしても、国内に流通したものは現在では有効な規制の手段がないという理由で指定を避けることはあれば本末転倒ではないか。これはどれについても同じことが言えるかと思います、昆虫に限らないことだと思います。許可するとすれば、リスクを最小にする、あるいは規制ができる数量に限定する必要があるのではないか。これが法律の精神ではないだろうかと。
 それから5番目は、WTOによって植物検疫問題を盾に、国際貿易行為を妨げてはいけないという取り決めがあるが、これは非意図的に輸入農産物に付着して侵入可能性のある害虫を対象にした考えであり、既に20種以上の貯穀害虫が非検疫害虫として指定されている。しかし、これらは既にすべて日本に定着している種類であり、未定着種を指しているのではない。それからペット昆虫の取引は非常に特異的であり、かつ貿易金額も商業圏も国際的貿易を阻害するような規模ではないと思うがどうか。また国内に定着しているものでもない。したがってWTOの取り決めの範囲外と考えるかどうかということ。
 それから6、本法律、この外来生物の特定のあれですが、本法律は我が国の生態系に深刻な被害、もしくはそのおそれがある外来生物の導入を阻止することで生物の多様性を確保することを重要な目的にしている。その主旨からも、海外すなわち生物の輸出国の生物多様性の維持も等しく尊重すべきだと考える。国内での飼育器からの逃亡や遺棄、逸出を完全に防止できたと仮に仮定しても、現状では現地での大量採集を伴い、発育期間の長い大型種は、この間の委員会でも荒谷さんが言っていましたけれども、2、3年かかると言っていましたね、大きな。発育期間の長い大型種は最初に絶滅の危機にさらされる。また商品としての価値追求から、採集の目標は大型種、希少種など、保護・保全が最も望まれる種が危機にさらされる。昆虫の同好者が趣味の範囲で標本交換をしている規模とは影響が全く違うことを認識すべきである。生物多様性条約との関連をどう扱うのであろうかと。
 7番目の質問は、多様性のシンボルで昆虫同好者のあこがれであった大型美麗昆虫が金さえ出せば容易に入手できるという経験を子供に与えることこそ、自然への畏敬を失わせる教育になる。「かわいそうだ」という尊い感情を育てるのに、海外から時には違法な採集行為で持ち込まれたもので、実施しなければならない必然的な理由は見出せないと思う。むしろ商品として拉致された上、その種の存続が産地で脅かされていることに同情の感情を導くべきではなかろうかと。
 8は、クワガタ類については関係者から規制は植物検疫法、これ関係者、この間の委員会のときおっしゃっていましたね。植物検疫法で5年前にすべきであって、現在では遅きに失するという発言があった。当時この問題に関わった当事者もそのとき、わずか数年でここまで問題が大きくなるとは予想しなかったという反省の弁を聞いたこともある。輸出承認国も日々を追って少なくなると思われる。それにしたがってますます乱獲が残された地域に集中し、密輸などの違法行為も増加するであろう。
 最後に、非意図的導入について。特定外来種の候補であるヒアリやアカカミアリ、アルゼンチンアリは、非意図的導入が懸念される種類である。ヒアリは台湾にも侵入して大問題になっているよしで、沖縄へのルートが最大の警戒を要する。リスク管理を重点的にすべきであろう。このような場合に対して具体的な方策はどうするのか。
 以上が私のコメント、質問です。

【石井座長】 桐谷先生のご意見、どこで扱うかちょっと悩んだのですけれども、ちょっとこの辺で最初にやらせていただいて、今、ここで全部ということではなくて、後の方でも議論していただくかもしれませんけれども、これ割と抽象的に書かれていますけれども、認識としてはクワガタを意識した話としてよろしいですね。一番最後はアリですけれども。
 ということですけれども、最初の1番については、これどうしたものでしょうかね。事務局、対応いただけますか。

【堀上補佐】 恐らくクワガタを念頭に置いたご質問だと思うのですけれども、後ほどざっとご説明もしますけれども、基本的にクワガタに関して流通の状況、あるいは輸入の状況というのは、輸入に関しては別ですけれども、経路については特にわかっているかというとわかってないことの方がはるかに多いという状況ですので、それは今後おいおい調査し、実態を把握していくということで後ほど整理したものをまたご説明いたします。
 2の遺伝攪乱については、前回のクワガタのヒアリングのときにも荒谷先生ご指摘のとおりでしたので、こういった問題があることは認識はしておりますが、これも含めてこれからどう扱うかということでございます。
 それから3についても前回議論されたことで、今回のマルハナバチについても同じように出されておりまして、やはりきちんと管理してなければ定着してしまうのと同じぐらいのそういう効果があるのではないかということは問題として認識をしております。
 それから4番について、これは制度の問題だと思いますけれども、基本的に特定外来生物に指定するというのは、生態系等へ被害があるかどうか。それが第一義であるということは基本方針の中にも書いてあります。ただ、それで実際にどういう効果的な規制ができるかということも一方で指定する際には考える必要がございますので、おっしゃっていることは法律の精神として確かにありますが、実際の指定に関してはいろいろなことを考慮していくこともあり得ます。
 それから5番のWTOですけれども、これはWTO通報といいますのは、輸入の仕組みについての取り決めでございますので、こういった生物を指定の対象にするとしたときに、それが各国にとってどういうものなのかというのを認識していただくために、あらかじめこういった種を指定しますよということを各国にお知らせしているということでありますので、このWTOの取り決めの範囲外かどうかということではないというふうに理解しています。意図的なもの、非意図的なものも含めて輸入に関する取り決めについてはWTOで通報するということになっております。
 それから6は恐らく8とも絡むのですが、この法律自体は我が国の中での規制ということでありますけれども、生物多様性条約ということで言えば、条約の締約国がそれぞれの国の中できちんとその対策を講ずるということになっております。ただ、各国協力してやらなければいけないことがあればそこはその都度協力してやるということでありまして、こういった認識が全くないことではありませんし、これは前回もそういうお話があったということであります。
 それから7のモラルの問題、あるいは教育の問題とも絡むと思いますけれども、きちんと外来生物による影響であるとか、生物多様性の必要性であるとか、そういったことは普及啓発する必要があるということは認識しておりますが、どういう人たちにどういうふうにそれを伝えていったらいいのかというのは、なかなか種ごとに違ってきますので、そこは実際にはその種ごとに考えなければいけないかなと思っております。
 8は先ほどのとおりでありますが、9のアカカミアリ等についても先ほどお話ししましたが、確かに非意図的に入ってくるときにどう警戒するかというのは考えなければいけない、監視体制をどう敷くかということで、これも具体の防除の中で考えていきたいと思っております。
 以上です。

【石井座長】 ありがとうございました。すべてについてご説明いただきました。この中には法律の策定の前段階の岩槻委員会で議論された内容もかなり含まれております。
 それでは、ちょっと時間がタイトになっておりまして、今ここの特にご発言がなければ先に進ませていただきまして、次のところに少し移らせていただきたいなというふうに思います。
 それでは次ですけれども、いわゆる要注意外来生物リストというのがありますけれども、これはなかなか概念としては難しいのですけれども、レッドデータブックのような絶滅危惧のⅠ類、Ⅱ類とかいうようなランクというのではありませんで、今回、一部の種類が特定外来種として選ばれるわけですけれども、それの選外にはなったけれども、いろいろな意味で注目する必要があるというふうなリストとお考えいただければと思いますけれども、これについての議論をしていただきたいというふうに思います。このリストについては、法律に基づくものではないということですけれども、影響を及ぼすという何らかの指摘があるので注意喚起を図る必要がある。そういうことで上げるわけであります。
 では、これについて事務局の方で考え方、それから候補についてお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

【堀上補佐】 資料3に基づきましてご説明いたします。要注意外来生物リスト(昆虫類)(案)ということでまとめております。昆虫類のグループ会合は割と早くに第1回が行われましたので、余りそういった議論はなかったわけですが、他の分類群会合の方では要注意外来生物リストをつくるべきであるというご意見が非常に多くございました。もともと先ほど座長の方からもありましたが、岩槻委員長談話、談話というのは中央環境審議会の外来生物対策小委員会の中で出されたご意見でございますけれども、外来生物問題に予防的に対処する観点から、特定外来生物に指定されていないものの生態系等に被害を及ぼす懸念があるもの、これについて要注意生物リストといったものを作成する必要がある。そうしたリストが公表されることによって、関係者が日ごろより外来生物の使用に関心を持ち、さらなる知見が集積され、被害の予防に役立つようになることが期待されるというのが岩槻委員長談話の中の、この要注意生物リストの趣旨でございます。
 そういったことを踏まえて、今回の特定外来生物等の選定作業の中でも特定外来生物になっていないけれども被害とまでいかなくても、いろいろな影響について指摘があるものについては世の中にその取扱いについてきちんと注意喚起をし、そのデータの集積に努めていく必要があろうと。そういうことでこの要注意外来生物リストといったものを提案するということでございます。
 その要注意外来生物リストの目的というのは、以上のようなことでありますが、基本的に今回の特定外来生物の選定作業の中でいろいろと被害の指摘はあるけれども、特定外来生物にならなかったもの、第1回の会合で言えば影響の指摘がなされている生物のリスト、昆虫類というのを出しましたけれども、そこにいろいろ挙がっていましたけれども、今回第1陣の選定には入らなかったというものが基本的には要注意外来生物リストの中に入ってくるというふうにお考えいただければと思います。ただし、今回拾ってそのリストに入れたものは、基本的にその文献等である程度影響について具体的な指摘があるものに限って入れております。これは他の分類群も基本的に共通でして、何もなくだれかが言っているというようなことだけでは入れていないと。基本的には何か文献等で書かれているものについて入れているということでございます。
 昆虫類の要注意外来生物リストの内容としましては、2の方に書いてありますが、(1)と(2)と分けております。(1)の方は特に注意を要する外来生物として、被害に係る科学的知見というのはある程度言われていると。いろいろと指摘はあるけれども、国内広範に広く販売、あるいは飼養等がなされていて、なかなか現時点ですぐに効果的な規制を行うことも難しいような状況にあるものがあると。そういうのはただ安易に飼われている可能性もあるので、特に注意を要するということで(1)にそういうものを掲げてています。
 (2)の方はそこまでではないけれども、知見の集積が足りないというものがあるということで分けております。要注意外来生物リストの公表につきましては、この分類群グループ会合の結果、あるいは全体会合の結果を踏まえて環境省の方で取りまとめ、公表するということにしておりますが、ここに乗っけることで、先ほども座長の方からありましたけれども、法律に基づくものではないということも含めてきちんと出さないと利用者に混乱を与えるだろうと。そういうことを含めまして、公表に当たっては注意をするということでございます。
 具体の中身ですけれども、昆虫類については、その裏の方ですが、特に注意を要する外来生物として、クワガタ類全部ここに入れております。それから注意を要するものとして、ホソオチョウを入れている。ここでいろいろご指摘があると思いますが、国内で被害を及ぼすだろうと言われているものはもっとたくさんあると思います。それは農林水産被害に関して言えば、植物防疫法の対象になっているようなものがずらっと入ってくると思いますが、基本的にこの法律ではほかの法律で輸入等を制限されているものは入れないということで、そこは整理をしまして、そちらの方でかかっていない、あるいはかかっていてもその制限が担保されていないようなものについて要注意外来生物リストとして環境省の方で整理するということでしております。
 そういう意味で、ここではクワガタムシとホソオチョウというものを挙げている。それぞれどういう文献で指摘されているかと、どういう内容が指摘されているかということと、それから備考欄にどういう注意が必要かということを書いておりまして、クワガタムシの方は別途個票を整理しておりますが、ホソオチョウについてはこの票の中で生態系について競合が指摘されている。それは意図的な放蝶に由来すると考えられていて、今でも分布拡大が見られるので、こういった行為を防ぐようなことが必要である。普及啓発をして、要するに広げてしまったり、意図的に放蝶したりしてはいけませんということをきちんと伝える必要があるということでございます。
 クワガタムシですが、その次のページですけれども、前回の第2回の会合を踏まえてこの紙を整理してございます。基本的には1番、2番のところは前回の会合にお出ししたものと余り変わりはございませんが、基本的に利用等の実態、たくさん輸入されていて、多く国内で流通されているけれども、実際どのぐらいなのかというのがよくわかってないと。それから、影響についても在来のヒラタクワガタについて外国産と交雑が疑われている。実験室内ではもう確認はされているわけですが、野外でどうかというのはよくわかっていないと。餌資源をめぐる競合について、特に幼虫期における餌資源の競合についても懸念をされておりますが、野外でのデータというのがそろっているわけでないことは前回の指摘のとおりでございます。
 そういったことがありますが、かなり大量に輸入されて安易に飼養されている状況であることは確かでありますし、意図的な放虫についても報告があるということですので、そういったことがないようにきちんと飼ってくださいということを関係者に伝えることが必要であると。一方で、生態系への影響についての知見が不足しているという状況ですので、調査をする必要があるわけですが、ここはクワガタムシ類は割と愛好家の方々が知見をお持ちですので、そういった方々の知見を活用して効率的な収集方法を検討する必要があると。特に野外においてどういう分布をして、どういうふうに定着しているかといったデータを集める必要があるということでございます。
 もう1つは、クワガタムシ類も専門店だけではなくてホームセンター等の量販店でも販売されておりまして、そういったところで販売するときにきちんと注意事項を伝えるような普及啓発ができないかなということを考えております。
 この紙、裏の方にもその他の留意事項として原産国における乱獲、そういったことが指摘されていることもここに記してございます。こういったことも含めて世の中にきちんと普及啓発をして、なおかつ情報を、科学的知見と輸入流通の状況もきちんと調べた上で、特定外来生物への選定も視野に入れて検討する必要があろうということで、要注意外来生物として整理をさせていただきました。
 要注意外来生物については以上でございます。

【石井座長】 ありがとうございました。ということで、先ほど言いましたように、要注意外来生物というものを今回、岩槻委員長談話に基づいてつくろうということであります。昆虫の場合には1枚目の裏にあるように、甲虫ではクワガタムシ科、これは種を決めずに科ということですね。それからもう1つは、チョウの中でホソオチョウというチョウを挙げていただいております。
 ちょっと確認なのですけれども、Sericimusとなっていますけれども、これnじゃないですかね。ちょっとご確認をお願いしたいと思います。
 では、ただいまの事務局の方のご説明、それからご提案に関しましてご意見ありましたらお願いしたいと思います。これ一部、桐谷先生の先ほどの意見のお答えにもなっているのかなと思っております。
 五箇さん、また何かコメントあったらお願いします。まずこれクワガタムシ科というのは分類学でちょっと確認しますけれども、これで十分なのですね。すべて含まれますね。

【五箇委員】 そうですね。むしろそっちの方は高桑先生の方が……。

【石井座長】 高桑委員、確認したいのですけど、これ大体分類学はいろいろな学者によってクワガタムシ科はここを指すのだという範囲が違うのですけれども、これは全部指し示していますか、今回、問題になっているもの。

【高桑委員】 はい、人によって違うのですけれども、クワガタムシ科の扱いですね。でも今は広く扱うようにしていますから、これで全部入るはずです。この中でも今、生態的な競合ですとか、遺伝的な攪乱が問題になっているというのもクワガタムシ科、狭義のクワガタムシ科ですね。ですからこれでいいと思います。

【石井座長】 ということで、五箇委員、何かクワガタムシ科について、まずコメントお願いします。

【五箇委員】 特にクワガタムシについてはマルハナバチ以上にかなり難しい議論がなされたと思います、この会合においても。それで、前回の会合で関係者それぞれから意見を出していただいて、その中で特にやはり輸入数の多さというものが非常に問題になっていると。なおかつそれが生きたまま飼育目的で入っていますから、それが生きたままさらに国内でまた大量に各家庭の中でも増えているという状況があって、その数自体が本当に脅威で、これは本当であれば指定してきちんと管理するというのが本来ですけれども、逆にこれを一旦規制するとなると、一体どういった形でそれをどこのうちに何匹いるかとか、そういったことをどう調べるかというくらいまで、非常に大変な作業になってしまうということがあります。
 また実際にその飼育しているのが先ほど桐谷先生の方からも意見があったように、子供も含めてということになるとますます社会的な影響も含めて大きな問題になってくると。ただし、だからといってどうしようもないからといって規制のしようがないからといって外しっぱなしというわけには絶対いかないということがあります。そういった部分で注意喚起はもうとにかく必要だろう。既にこのクワガタの問題に関しては随分いろいろな方面で話題にもなっておりますし、今、その素地はある程度できている。ここでさらにこういった形で環境省の方でこういう注意喚起という意味でのリストに入れていただくのであれば、より効果的にその普及啓発を図れるだろうと思います。ただ、もちろん恐らく指摘事項として出てくるとは思うのですが、こういう形であってもしょせんはやはり法律に指定されていない以上はということで、販売は続くであろうし、相変わらず輸入も続くであろうということは当然指摘されると思います。その部分については随時やはりこれについてはマルハナと同じように、やはり研究と検討はこれからも継続して、知見の積み重ねと、あと実際にこういったものを規制するに当たって有効な手段というのは果たしてあるかどうかということも含めて検討は重ねていくべきであろうとは思います。その部分については我々研究者も研究努力は続けていかなくてはならないだろうし、環境省の方としましても、この問題についてはこれでおしまいということではなく、常にやはりこの問題については継続審議ということを考えた上でこういったリストを準備していただきたいというふうに考えております。

【石井座長】 ありがとうございました。まずクワガタからいきたいと思うのですけれども、桐谷先生の先ほどのご意見もありましたけれども、いかがでしょう、何かご意見ございますか。

【桐谷委員】 私は基本的には指定すべきだと思っているのです。今の質問では、例えば幾らやっても361種類、こんなの全然我々わかりようがないのですよ。先のことはわからないですので、それから個体数は多いという場合のあれはちょっと先ほどのご説明と認識がちょっと違うと思うので、同じ種類同士でも餌の取り合いじゃないですね、交尾の阻害で絶滅していくのですから、だから個体数のアンバランスというのはまた非常にそういう場合に大きい、むしろそういうのが大きいのではないかと、今、生態学なんかも言われているぐらいなのですね、餌の取り合いよりも。
 ですから、その問題もありますし、それからこの法律自体は確かに日本の国内だけですけれども、あえて言ったら生物多様性条約というのは、一体どちらが大きなあれを持っているのか、やはり多少そういう条約はあっても国内はこう考えたらそれはどうでもいいことなのか。逆に条約の方は尊重しなくてはいけないのか、その辺、僕も素人だからよくわからないので、この質問状にもそれを書いたのですね。それによって我々の態度というのはだんだんはっきりしてくると思うので、条約が大事なら当然規制するべきであろうと僕は思うのですけれども。だけどこれは皆さんが決める、僕の意見はそういうことです。

【石井座長】 この件に関して何かご意見ありましたらお願いします。

【梅谷委員】 クワガタは、これだけ流布してしまっていて、国内でも大量増殖され、もうどうしようもないのならせめてドルクス属だけでも指定する選択肢はないですか。一番問題は、ほとんどの論文がドルクス属だと思うので、ドルクス属だけでも規制して、同時に販売流通を禁止したら相当な効果があるのではないかと思います。もし今後も検討を続けるなら一つの参考にしてください。

【石井座長】 ただ、五箇委員は誤解されないようにお願いしたいのですけれども、マルハナバチと違いまして小委員会をつくっているわけではありませんので、別に答弁する義務もないのですけれども、何かあったらお願いします。

【五箇委員】 検討続ける、それは確かにこういった会合でという以前に、これまでどおり、従来どおり前回来ていただいた荒谷さんや小島さんも含めて、こういった研究も続けるし、当然そういった普及啓発も続けていきたいと。それは前回来ていただいたむし社の藤田さんの方からもそういう意見はありましたし、当然販売店側もきちんとした業界団体があるわけではないけれども、当然業界としてもそういった良識に関してはきちんと普及していきたいという姿勢は今あるということ。
 ご指摘のとおり、実際に学会などでもドルクス属を中心に生態影響については研究知見が公表はされているのですが、いかんせんやっぱりこの部分に関してはマルハナと同じでして、あるいはマルハナ以上に科学的な論文という形での知見の集積がまだ追いついていないと、文字どおりマルハナ以上に研究が遅れてしまっているというところもありますから、今、おっしゃられたように、少なくともドルクス属には、特に輸入量も多いですし、日本に在来のドルクス属も多数おりますので、そういった部分に焦点を当てて、まずこの部分をターゲットとして、将来的にはやはり指定する可能性も念頭に置きながら研究は続けていくべきであろうとは考えています。
 ただ、これは本当にマルハナ以上に難しいというか、現段階では本当に今のところ手のつけようがない、科学的知見も十分追いついていない上に、業界団体もないということもあって、まずその部分でのいわゆる使用者末端までの情報の伝達からまず始めないことには、ここでいきなり法律という枠組みの中だけでこのクワガタをある種だけでも指定してしまうということをした場合でも、果たしてそれが効果を持つかどうかというのは、やはりその部分も含めてちょっと先読みをしないといけない、その部分ではちょっと今時間が足りないということもあって、せめて、ただそういった部分でも注意喚起はするべきであろうし、そういった意味で環境省の方でこういうリストに入れていただければ、ある意味環境省のお墨つきというか、そういった背景でも我々の方としても注意喚起は促しやすいであろうということは期待しているということです。

【石井座長】 だから、大きく分けて4つ、今回は昆虫類についてはあるのかなと思うのですけれども、特定外来種に選んだアリ、それからセイヨウオオマルハナバチのようなもので、これは要注意外来生物リストに挙がってこないのですね。これは検討中ということになるのです。それからもう1つは、今挙げた要注意外来生物リストに挙げるもの、それからそれ以外のものということになると思うのですけれども、ここに挙げるということは検討中ではないという扱いにもまたなるのかなと思うのですね。
 それから、梅谷委員の発言にありましたけれども、では一体どこでだれがどのように検討するのだということですけれども、これがちょっとわからないのでして、この委員会、ここで一応閉じますけれども、私の認識としてはこれは続いていくと、例えばセイヨウオオマルハナバチの小委員会から何か上がってきた場合には、それを受けるのはここだと私は思うので、この辺の見解いかがでしょうか、事務局の方から。

【上杉企画官】 今、五箇委員の方からも指摘がありましたけれども、資料の3の2枚目の方ですね、クワガタムシの取扱いについての3番、取扱いに係る留意点というところで、大きく3点ほど書いています。基本的には適切な飼養管理を関係者に促していくのが一番重要かなというふうに考えています。その面では例えば販売店、あるいは雑誌を出しているところ、そういう関係者の方の協力も得ながら、どういう形で普及啓発を図るのがいいのかという相談などはしていきたいなというふうにまず思っています。その上で、さらに野外での分布状況も含めてデータが余りにも不足しているということがありますので、ここも愛好家の知見の活用も含めということを前回のヒアリングの際に荒谷先生の方からそういう提案も出ておりましたので、そういう体制づくりも含めて何らかの形で情報収集をしていくシステムづくりもしていきたいなと思っています。その上で、いろいろな情報を集めてどういう形で取り組むことが可能なのかということを整理をしつつ、適宜その方向性が見えてきた段階ではこの昆虫類グループにご相談しながら、特定外来生物への指定が適当なのかどうかというこの検討をお願いしていく形が考えられるのかなというように思っています。

【石井座長】 というような扱いで、セイヨウオオマルハナバチのように具体的にある会議を設けて検討ということではなくて、一度ここでこのような形で閉じますけれども、環境省の方で情報を集めていただいて、適宜この委員会を開催するというふうな扱いにしたいと思うのですけれども、この辺についてはいかがでしょうか。

【桐谷委員】 いろいろ議論したらこれ中が詰まりようがないので、ですから、要するにある程度姿勢が、これこのぐらいで、ああやっぱりあの委員会というのはやっぱり後ろ向いていると、後ろというのはどっちが前で後ろかというか、そういうふうな印象では、これはやっぱり法律もみんな信用しなくなるのですよね。ですから我々としては決してこういうふうに決めたけれども、それは後ろ向いてのために決めたのではなしに、今のもうちょっとちゃんと説得力を持って皆さんにも文章をちゃんと説得力を持つようなことができるような形のために、今とりあえずはこういうことだということぐらいのところは調べて確認されてほしいのですが。

【石井座長】 一番最後に付いています、生態学会の方から環境大臣の方に来ている意見書というのがありましたけれども、これについてはいずれにしても一番下の5番目あたりですかね、文書としてどうして選外になったのか、どうして要注意なのかということについての説明がほしいというふうな話になったと思うのですけれども、この辺はこの委員会としては確保したいところかなと私は思います。
 ですけれども、この扱いとして要注意外来生物に今回は載せる、ただしここで、もう審議をすべてストップするわけではないということでいかがでしょうか。ご理解いただけますでしょうか。

【梅谷委員】 環境省で注意を喚起するこのような文書を出すのだったら、この2番目のアゲハチョウ科のホソオチョウに加えて、ぜひアカボシゴマダラも、明らかな放蝶によるものですから併記しておいた方がいいのでは。放蝶というのは犯罪行為だということで十分喚起しておいていただきたい。

【石井座長】 そうしたらクワガタよろしかったら、チョウの方にいきたいと思うのですけれども。一緒にやるとちょっとややこしいかなと思いまして、ホソオチョウに関しましては、私自身がチョウ法を特にやっていますので、これはなかなかやっかいでして、1980年代あたりから、まず東京に持ち込まれたようですけれども、それから日本全国にもう明らかにだれかによって運ばれて、そして放蝶というのですか、個体群導入というのですか、されているわけです。そしてある地方自治体では天然記念物に指定しようとしたなどということもありまして、これはうまいことではないのですね。そういう持ち込まれて意図的に持ち運ばれて、放蝶を続けているチョウの中で最も歴史が古そうで、そして一番深刻なのはホソオチョウというふうに私は認識していまして、アカボシゴマダラは割と最近なのですね。それで環境省の方の原案ではホソオチョウをまず入れたということだと思います。それは1つには科学的な知見といいますか、研究しているグループがございまして、それで生態的な影響があるということで挙げたのかなと思いますけれども、事務局、何か補足ありますか。

【堀上補佐】 先ほど基本的には文献に何かそういう指摘があるものということで載せているということでありましたけれども、座長のおっしゃるとおりで、ホソオチョウについてはここにも書いてありますが、在来種との競合という点での指摘がございます。ただ、アカボシゴマダラについてはそういう文献等が我々が探したところでは見当たらなかったということですので、今回載せていないと。もしそういうご指摘があれば、これは随時、また更新をしていくこともいずれ必要になると思いますし、むしろそういう知見を集めていくことの方が重要であろうと我々も思っておりますので、今後柔軟に考えたいと思います。

【石井座長】 アカボシゴマダラは高桑さんのところ、神奈川県で特に問題になっていますので、何かコメントお願いしたいと思います。

【高桑委員】 この要注意外来生物リストをつくるというのはもう大賛成で、これはぜひいろいろと広報をしていってまいりたいというふうに思います。その中で今言われた、ホソオチョウの他にアカボシゴマダラということなのですけれども、ここでの注意を要する外来生物として言っているところで、どうしてもネックになってしまうのが文献等で指摘されてきたかどうかという、ここですよね。これは文献等で指摘されてないと、やはりここに注意を要する外来生物に入れることは難しいという考え方に立ってしまうのですか。まず1点、お聞きしたいのですが。

【石井座長】 資料の3の最初にあった説明ですけれども、またお願いします。

【堀上補佐】 やはり何らかの科学的知見というのが求められる、これはそもそもこの法律の基本方針をつくるときからそういう話になっておりましたけれども、対外的に説明をするという、何を科学的知見と見るかというのは確かに議論としてありまして、文献の中身というのは吟味しなくてはいけないと思いますが、場合によっては知見のある学識経験者の方が言っていることについても科学的知見としてみるということが合意されてくればそれでもいいと思っています。今のところまだそういう話をこれまでの会合の中でして、他の分類群含めてしておりませんので、まだ第1陣の中で出てきているこの要注意外来生物リストという段階では、そういった整理がなされていない。そうしますと、やはり皆さんわかる文献等で整理をするのが適当ではないかというのが、今の段階での我々の考え方です。

【高桑委員】 わかりました。そうしますと、まずホソオチョウというのは全くの賛成だということが1つですね。それから今、ふられたアカボシゴマダラなのですけれども、これについては科学的に生態系等への影響というのは指摘されたことがありませんが、今論文として用意されているのは事実なのです。あるところに3月に出されるのですけれども、それはどういうことかというと、越冬幼虫がこのアカボシゴマダラの場合には、例えば神奈川で今現在発生しているというところというのは、ゴマダラチョウと競合していることが考えられるのですけれども、ゴマダラチョウというのは冬になると基本的に落葉下に下りてしまう。しかしアカボシゴマダラというのは、逆に基本的に木の上にいるということなのですね。木の上にいるから最初に芽吹いたときに、先にそこを自分の視野として確保して、そこに台座をつくって棲むと。後から来たゴマダラチョウが実際に追われている観察例もあるのですね。これが今度出る。だけど、これを科学的な内容かどうかというとなると大変難しい。第1回のときもそういうお話になりましたけれども。そういった緩やかに考えてくれれば、アカボシゴマダラも入っていいのだろうということにはなります。
 最初、私がこういう文献等に書かれているかどうかにこだわらなければいけないかと言ったのは、また別の意味なのですね。例えば、非常に緊急的な外来種として、私感じているのは、小笠原における小笠原の弟島、兄島、父島に父島列島ですね、そこに分布しているチャイロネッタイスズバチというのがいるのですけれども、これが当然スズバチですから昆虫食ですよね。何を食べているか実際にどうその被害が出るかというのは一切ないのだけれども、これが1994年ごろから非常にたくさんあらわれて、今現在増えているのです。アノールトカゲによって非常に今少なくとも父島の昆虫類というのは打撃をこうむっているのですけれども、そういったものに対してさらに打撃を加えているのは明らかなのです。明らかだけれども証拠がない。これ昆虫で実際そういう証拠をとるというのは大変なことなのですよね。なかなかできないのですよね。だから、そういうものに対しては、この注意を要する外来生物のところに、別に文献等でちゃんと科学的にデータが揃えられてなくても入れていいのではないかというのが私の希望です。
 こういうふうにしてくださると、幾つかのものが入ってくるだろうと思います。いかがでしょうか。

【石井座長】 この辺が難しいところで、第1回目の会合でもその辺の議論はここでもやりました。例えばどういう文献だったらいいのかということですね。生態学会に別に依拠するわけではありませんけれども、生態学会の要望書の中の2番のところですね。科学的知見の有効な活用ということで、有効に活用してくださいと言いつつも、生態学会の見解としては、「査読つき論文及びそれに相当する評価の定まった知見を重視し」となっていまして、これされると今の高桑委員の話とはちょっと違うことになってしまうのかなと思うのですね。

【梅谷委員】 ただ、いずれも入ってきたものに対して危険性が論じられるのでは、まさに泥棒が入ってから縄をなうのと同じで、恐らく手遅れになりますね。やっぱり予備防衛というのはこの際一番必要なのではないでしょうか。ましてやアカボシゴマダラみたいに放蝶という違法行為で入ってきたものに対しては、生態系への影響が正規な論文で出るのを待つというのでは、どんな影響があってもだれも興味を持つ人がいなかったらずっと放置されるわけですよ。その辺はちょっと流動的に対応しないと……。

【石井座長】 いやいや今のは生態学会のを紹介したことでして、ここでは第1回の会合でそこまでやらなくてはいいのではないかというふうな見解を示しているのですけれども。

【五箇委員】 文献データに関しては一番最初のこの会合のときで僕自身がその辺環境省の方にも確認させてもらったところだったのですが、要するにやっぱりこういう問題が出てきてしまうのですよね。文献データ、科学的知見というもののライン引きどうするかということで、要するにレフリーが読んだきちんとした科学論文をもってするのか、それともそういった一般誌でのそういうわずか数行でも科学的知見とするのかというところ、その部分でライン引きというのはどうしたらいいだろうかということで、この会合ではそういったものも含めて議論して、これでも十分情報として正しいだろうと判断されればそれも活用するということになっております。
 実際、これが研究されていることはみんな知っていると思うのですが、こういったデータで論文出してもなかなか本当に受け付けてもらうというのは難しいのが現状だと思います。実際問題、生態学会関係の論文の査読も務めていますけれども、特段やっぱり生態リスクという部分に関してはより慎重にしっかりしたデータがあって根拠がないと、それは判定できないというコメントはやっぱり多数寄せられるというのが今の現状ですね、学会としては。その部分に関してはやはりこれを待っていたのでは、本当に論文はいつまでたっても出てこないというのは現実にあると思います。
 だから、その意味ではどちらかといえば昆虫などを例にすれば、恐らく昆虫学会なり応動昆なりでそういった議論をする場をつくって、学会としてこういう固有種が危ないですというような意見書を提出するというようなことが、恐らく専門家としての立場としてそれは有効活用できるであろうと思いますから、特に石井先生などは昆虫学会の方の会長も務めておられますから、そういうところも考えていただければ、よりそういう発言する部分、場があればさまざまなそういった個人的な知見も含めて、その場で集積すれば、学会としてそれを学会の中でオーソライズしたということにすれば、こういった場面に意見書を持ってくるということでも十分にそれは考慮されるべき対象になるのではないかなというふうには考えます。

【石井座長】 ちなみにちょっと誤解なきように、12月31日で任期満了となりまして、昆虫学会の会長でありませんので。

【桐谷委員】 文献の方はそのことについて、ここで私は専門家が集まっているのですから、ですからそれで一応まず考えたことは優先度はあると思うのです。ただ、それだけだったら何かなんとなくなあなあでやった可能性がないとも限りませんから、レフリーを、だから我々はこう決めたと。そしたら二、三人のそういう専門家の方に、この委員会として我々はこう思うが何か間違ってないかどうかと、そのレフリーさえ決めれば、そうしたら非常に客観的にその情報は根拠として使えると、私は思うのですけれども、何かそういうことを考えたらどうでしょうかね。

【石井座長】 ちょっと話が脱線しているのですけれども、今後、何かそういうふうなことも考えようということでありますけれども、ちょっと話をもう1回戻しまして、アカボシゴマダラについて、それでは一体どうするかですね。今回、入れるかどうかなのですけれども、アマチュアが多いチョウの中では、アカボシゴマダラが発見されるとその情報はすごく多いのですね。分布がどんどん広がっているとか、こういうふうな生態をしているとかという情報が多いのですけれども。生態系にリスクを与えるかどうかの論文は、いつまでたっても多分出てこないだろうと私も思います。
 高桑委員が一番その辺コメントしやすいのですけれども、いかがしましょう。

【高桑委員】 私の方は注意を喚起するという意味で、ぜひ入れていただきたいということに変わらないですね。

【石井座長】 第1回目の会合で文献論をやったときに、そのように私もさばいているのですけれども、ここで責任を持ってまず提案する。そして親委員会にこれを上げることになりますけれども、そこで最後の責任をとっていただくような形で公表することになると思います。
 そういう意味で、アカボシゴマダラ、ここで入れようと思ったら入れることはできると思いますが、いかがでしょう。

【梅谷委員】 台湾ですか。

【高桑委員】 中国の一応中部、揚子江南部からあたりのものだと考えられていますね。
台湾にもいますね。日本では奄美諸島にもいますけれども、それらとは違う亜種ですね。
 それから、ちょっと言ってしまいますと、2002年ぐらいまでは、鎌倉、藤沢、横浜市南部の一部ぐらいだったのですけれども、昨年あたりですともう横浜市の中部、それから葉山町あたり、それから大和市、つまり神奈川県の相模川の北を除けばもうかなり広まっているという状況です。これはこういうふうに定着してから自力で多分分布して拡大したのだろうというのが1つですね。
 あともう1つ、大変注目されていますから、チョウチョウやっている方たちに。皆さんがとりに来られて、そしてそれを皆さんが飼われています、あちこちで。神奈川県内に限らず。こういう種類ですから、いわゆる放し飼いといいますか、袋がけをしたり、袋がけしなかったりということで、飼育している現状があるようです。ですから、逃げたら困るのだということも含めて、ぜひこの要注意外来生物に入れるべきだろうと思います。その親委員会が判断するときに、判断しやすいように備考のところで工夫したらいいのではないかというふうに思います。

【梅谷委員】 入れても飼っている人には効果がないだろうけれども、これには入れた方がいい。

【高桑委員】 環境省の姿勢を見させていただくといいますか……。

【石井座長】 そうしたら、五箇委員何かありますか。

【五箇委員】 ちょっと話をもとに戻すというか、環境省の方に確認したいのは、要注意外来生物リスト、これを読む限り、確かに科学的知見が何もないのに入れるのは大変だろうと思うのですが、もともと科学的知見がちゃんとそろっていて影響もはっきりしているのであれば、むしろ特定外来生物に入れるか入れないかを議論すべきであって、この要注意外来生物、これを読む限りでは、被害にかかる科学的知見が不十分、あるいはないから、でも危なそうだから、さらなる集積を考えようという意図でこれを用意しているのだとすれば、むしろ委員会レベルで、これ危なそうだというような議論が出てきた段階で検討すべき対象、その対象を検討すべきなのではないかなと考えるのですけれども、ちょっとその部分でこの要注意外来生物リストに果たしてそこまできちんとした科学論文というのが求められるものなのかどうか、むしろ、あるにこしたことはないだろうけれども、なくてもこれだけもう専門家の口からもそういうふうに、実際に野外で飛んでいるという現状があって、その飛んでいるものが何を影響しているかというのを、やっぱりこれから注意しなければいけないだろうという意味からすれば入れるべきなのだ、その今言ったアカボシゴマダラに関してもこのリストに入れるべきものであろうと考えるのですけれども、その辺はどうですか。

【堀上補佐】 文献等で実証データまで示されて、なおかつそれが科学的な知見として世の中に認められているものでなければいけないかというと、そうではないですね。ですから、ある程度恐れなり影響があるかもしれないという指摘であっても、そういった何か文献である程度科学者の方が書いているというものであればいいと。そうではなくて単に新聞の情報として出てきたので、これで入れてくれというのではなかなか世の中に対する説明がしづらいだろうと、そういう趣旨です。そこのところの基準なり幅をどうとらえるかというのは今のところこちらも確たるものはないです。それはこの中でやはりある程度固めた上で全体会合に持っていく。ただし、いろいろなところに説明する必要がありますので、何もなしに持っていくわけにはいかないということは十分承知をしていただければと思います。

【桐谷委員】 こういう問題は一番初期が大事なのですね。ですから、そんなときには大体情報はないわけなのです、何も。ですから、説明の場合としてはそういうことで、こういうところの専門家のところでまず話が出たということが非常に大事なので、その段階であることはアルゼンチンアリだって、あれ余り早くは移らないのだけれども、それは早くやっていればもうできると思うのですが、それをぐずぐずやっているうちにだんだんとどうにもならなくなりますから、だからこれは本当にやる気ならもうできるだけ早いほどいいと思うのです。

【五箇委員】 それで高桑委員、分布拡大については、多分相当量の文献あると思うのですね。それがレフリーつきとか何かそういうことを言わなければ。それから先ほど言われた生態系リスクに関してですけれども、競争が考えられるという在来種のゴマダラチョウとの関係ですね。これについて例えば未発表だけれども文献として例えば印刷中でも何でもいいのですけれども出すということで、そういう資料をご用意いただけますでしょうか。

【石井座長】 委員の意見としてアカボシゴマダラを要注意のリストに入れるということですけれども、これよろしいでしょうか。そのようにさせていただきたいと思います。

【高桑委員】 その他にはどうでしょうか。ここではホソオチョウとアカボシゴマダラの2種、これは意図的ないわゆる放蝶のものですね。そうではないものとして、さっき私が言ったチャイロネッタイスズバチのような、多分相当小笠原のかろうじて生存しているものに非常に大きなインパクトを加えるようなものも、というのは考えられるわけですけれども、そういうことが考えられるというような、びしゃっとしたことはもちろん書かれていますけれども、そういったものも入れるかどうかについてお願いしたいのですけれども、私は入れていただけたらありがたいし、その点の資料が必要ならば後で用意しますが。

【石井座長】 どうしましょうか。それ切りがないかなというふうな気もちょっとしていまして、ちょっとご意見、委員の方ございましたら。

【五箇委員】 多分、今高桑委員がおっしゃられたように、ローカルな部分での問題も含めて、こういうのは特に侵入種の問題というのは考えるべき問題で、むしろこの要注意外来生物リストというのは、言い方をうまくすれば、要するに環境省としては何もしなくてもいいリストなのですよね、これ公表するだけで、結局は法律の枠組みの範囲外であるということを考えれば、むしろそれをうまく逆手にとればもっとむしろたくさん積極的に本当なら危なそうだという知見があるもの、あるいはこれから入ってくるかもしれないというものも含めて、本来なら議論すべきところだろうと思うのですね。
 ただ、実際にこれ今この場で残り30分というところで議論していても本当に時間もないですし、むしろ中途半端になってしまうと思いますから、やっぱりこの部分に関しても、こういった会合を継続というか、暫時開いていただいて、そういう意見を吸い上げるという、吸い上げてそれを公表していくという場所はつくっていく必要はあるだろうというふうには考えます。

【石井座長】 全体会合の方の最後が1月31日でしたかね、に開かれますけれども、それまでにいろいろな意見があったら私の方にお寄せいただけたら、座長の方で判断して、全体会合に提案するということもあるのかなというふうに考えています。
 ですから、ここでそろそろ閉じなければいけませんけれども、どういう方向にしておくか、ちょっとお決めいただきたいと思います。五箇委員のように、一応アカボシゴマダラのところでとめておきまして、いろいろなものについてまた適宜この会合を開くという措置の仕方もありますし、いろいろな文献等があるものについて、私の方にお寄せいただいて、私とそれから環境省の事務局の方で検討させていただいて、ここでは挙がってないこの要注意リストをつくるということも、ちょっとこれは無理かもしれませんけれども、あるのかなと思うのですけれども。
 私としては、五箇委員ご提案の、今はアカボシゴマダラのところでとめておいたらどうかと思っているのですけれども、ご意見ください。

【高桑委員】 継続してということならそれでいいのですけれども、例えばここで、特に注意を要する外来生物として、クワガタムシ科という科全体も入った。同様に今、ペットとして問題になっているのがその他のもの、カブトムシ類を含め、あるいはその許可されていないハナムグリ類とか、そういうコガネムシ科全体のものを含めて、それをこの注意を要する外来生物の中に今入れるのか、それは後で検討するのか、その辺の、要するにクワガタムシについては特に注意を要する外来生物に一応皆さん入れようとしているわけですから、では同様にカブトの方はどうなのだ、今問題になっているハナムグリなんかはどうなのだということで、今やるのか、それともこれは後にするのか。そんなことをお決めいただけたらと思います。

【五箇委員】 実際に本当に高桑委員の方からも発言あるように、本当に数え上げれば切りがない、実際、問題にすべきものはまだまだある。だからこそ、やっぱりそれはきちんとオープンな形で議論して、検討する、継続すべきであろう。これで今年度の会合は確かに閉じるでしょうけれども、法律そのものはこれからずっと存在していくわけですし、随時やはり新たなる侵入種もどんどんリストとして入れていかなければいけないわけですから、やはりそういった意味でもこういう要注意生物外来リストという部分に関しても、ここでこの年度中に何かを急いでやるというよりは、継続してじっくりその活用法も含めて考えていくべきではないかなと思います。

【石井座長】 他にご意見ございますでしょうか。

【梅谷委員】 最終的には違反者への、これはもう法律解釈の問題になると思うのですが、罰則は考えているのですか。一連の法律の中で。

【上杉企画官】 もちろん法律上の規制の対象になってないものは罰則は一切ないということになりますが、特定外来生物になれば、しっかりとした罰則規定が一応整備されております。かなり重い罰則規定がございます。
 それで、今いろいろご意見をお伺いしていまして、実は今回事前にいろいろこちらとしても情報収集、既存の知見を使うということしか当面ないという前提で、なおかつ10月末から全体会合がスタートして比較的短い期間の間に先生方に検討をお願いするということで、完全な整理ができていない。体系的な考え方の整理がまだ十分できていない段階だという認識でおります。少なくとも情報収集はこれは文献が今ないものも含めていろいろ集めていくことは当然やっていかなければいけないだろうと。外来生物全体についての知見を集めていくということはこれから我々としてやっていきたいと思っていますし、その中でもう既に影響があり得るのではないかという指摘のあるものの扱いをどうしていくか。それなりに知見がそろって規制も十分かけていけそうなものについては、もちろん今回第1陣ということで特定外来生物に指定をしていこうということにしているわけですが、それ以外のもののうち、やはり影響面でどうしても注意喚起が必要なものについては、今回のこのリストに乗っけて、こちらとしても普及啓発を図るし、あるいは知見の収集にしても優先度が高いものということになるのかなと思っています。
 ただ、先ほどありましたように、例えばこれは昆虫学会等の全体的な知見の集積状況も我々としては当然期待をしているところでありまして、息の長い取り組みという前提で考えれば、これからのこの専門家会合だけではなくて、いろいろな場での情報収集というのは当然我々していきたいと思っていますし、それに応じて適宜いろいろな形で普及啓発も図っていけるような体制をしていきたいというのが今の感じです。
 そういう意味では、今回全部整理というのはちょっと難しいということを前提に、とにかく今回入れた方がいいものについてはぜひご議論した上で載っけるという整理にしていただきたいと思います。

【石井座長】 梅谷委員、よろしいでしょうか。
 ということで、五箇委員からの整理もありましたけれども、公開でせっかくやっている会議ですので、今日はここで閉じて、だけど全体会合で急に上がってきたというのはちょっとまずいのかなと私も思いますので、方向としては継続してこれはやっていくと。あくまで第1陣だということなのですね。昆虫100万種が現時点で知られているというレベルでたったこれだけかというのもあるのですけれども、それだけ情報も薄いということもあるかなとは思っております。
 そういうことで、私の方の持っているシナリオではそろそろこの辺で閉じるということになっていまして、何か他にこの件に関してご意見ございますでしょうか。

【小倉委員】 さっき梅谷委員の方からも言われましたが、すべての外来生物、要するに日本に入ってきて野に放たれた場合、すべて在来生物に影響があるわけですよね。すべてを、これは危険性のある生き物として取り上げるというわけにはいかないでしょうけれども、1回目の会合で他の法律で取り締まれるものに関しては除くという事が、言われましたけれども、現実に日本に入って、今例えばホソオチョウの話にしてもアカボシゴマダラ、これらは全部密輸の話ですよね。密輸されて現実に販売店で売っているもの。こういうものはいっぱいあるのですね。他の法律で取り締まるといったって、だれが持ってきて放したものか解らないでしょう。例えば、テナガコガネの仲間など大分入っていますよね。例えばヤンバルに持っていってパリーテナガコガネとか、そういうのを放した場合、これ同属ですから雑種が当然できますよね。大量に放されたら、それこそヤンバルテナガコガネそのものが絶滅してしまうというふうなことになりかねないと思うのです。
 その辺を考えて日本に持ってきてはいけないよ、というような啓蒙をもっともっとしてもらいたいと思うし、現実にそういうのを取り締まってもらいたいですね。クワガタムシにしても、これだめですよ、というふうな話を梅谷委員が言いましたけれども。とにかく販売店、業者同士の業界団体というのはないと言っていましたけれども、中には悪徳業者というわけでもないでしょうが、平気で密輸品を売っているところもありますから、そういう所を含めて、そういう事をやってはいけません、売ってはいけません、あるいは野に放してはいけませんというふうなパンフレットを必ずつけて販売する、あるいは逆にいらなくなったものを必ず販売店で引き取る義務づけをする。ほかの家電製品の廃棄とかは消費者が全部負担することになっていますけれども、本来はあれメーカーとか販売店が負担すべきと、僕は思うのですけれども、それと同じように販売店が責任を持って、追跡調査までしなくてもいいですが、勝手に逃がしてはいけません、増えたものも勝手にその辺に捨ててはいけません。もし死んだ場合はそれでいいですけれども、生きていらなくなった場合は販売店が引き取りなさいと。そういうふうな啓蒙活動をどんどん広げていってもらいたいなと思います。

【石井座長】 そうしたら、まだまだいろいろ意見があると思いますけれども、いろいろな情報とかご意見がございましたら、今週中にできれば事務局にお寄せいただければというふうに思います。どのようにそれを反映するかにつきましては、私と事務局の方で相談させていただきまして、1月31日ですけれども、全体会合に反映させていただきたいというふうに思います。
 それでは、後の議題はその他ということですけれども、この機会に何かありましたらお願いいたします。事務局、何か。
 よろしければ、それでは最後になりますけれども、上杉企画官の方からお礼のごあいさつということでお願いいたします。

【上杉企画官】 野生生物課長、ちょっと出張中でおりませんので、かわりに御礼を申し上げたいと思います。
 昨年の11月から第1回の昆虫グループ会合を開催をいたしまして、毎月1回、結構ハイペースかなと思っておりますけれども、特定外来生物の選定、それからそこには至らないにしても具体的な検討ということでセイヨウオオマルハナバチと、特にクワガタの類について熱心にご検討いただきました。今年の6月までにとにかく法律を施行するということで、非常にせかされた形での検討ということになってしまいまして、十分なデータ集めができなかった分ですとか、あるいはもう少し体系的に取り組まなければいけない面で遅れている部分があるとか、先生方にはいろいろ十分でない点が残るような印象をお持ちになってしまう部分があるかもしれませんけれども、これは法律自体はこれからずっと続いていくものですし、我々としては先ほどからお話がありましたような、要注意外来生物も含めまして、外来生物問題そのものの解決に向けて、引き続き情報の収集を含めていろいろな検討を進めていきたいと思っています。
 年度が明けてからになるかと思いますけれども、セイヨウオオマルハナバチも含めまして再度いろいろご検討していただく場があるかと思いますので、引き続きよろしくお願いしたいと思っております。本当にありがとうございました。

【石井座長】 ということで、以上をもちまして第3回の専門家グループ会合を閉じたいと思います。どうも本当にありがとうございました。