環境省自然環境・自然公園特定外来生物等の選定について

第1回 特定外来生物等分類群専門家グループ会合(魚類)議事録


1. 日時 平成16年11月12日(火)10:00~12:05
2. 場所 環境省第1会議室
3. 出席者  
   (座長) 多紀 保彦
   (委員) 北田 修一   細谷 和海
村田 修
   (環境省) 上杉生物多様性企画官
堀上野生生物課課長補佐
   (水産庁) 佐々木水産庁沿岸沖合課課長補佐
坂口水産庁栽培養殖課漁船検査官
長畠水産庁生態系保全室長
4. 議事  
【環境省 堀上補佐】 おはようございます。予定の時刻になりましたので、第1回特定外来生物等分類群専門家グループ会合の魚類を開催したいと存じます。今回、第1回目の会合になりますので、事務局の方から委員の先生方のご紹介をさせていただきたいと思います。まずこの会合の座長を務めていただきます自然環境研究センターの多紀理事長でございます。
 それでは名簿の順番ですけれども、東京海洋大学海洋生物資源学科の北田委員でございます。
 近畿大学農学部水産学科の細谷委員でございます。
 近畿大学水産研究所の白浜実験場、村田委員でございます。
 本日、東京都葛西臨海水族園の櫻井委員につきましては、ご欠席というふうに承っております。
 続きまして、環境省と農林水産省の方、ご紹介させていただきます。
 環境省の方ですが、上杉生物多様性企画官でございます。
 それから、水産庁の方ですが、長畠生態系保全室長でございます。
 沿岸沖合課の佐々木補佐でございます。
 栽培養殖課の方から坂口漁船検査官、ちょっと遅れていらっしゃるということでございます。
 それから、私、野生生物課の堀上と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 続いて、お手元にお配りした資料のご説明をいたしますけれども、資料一覧がありまして、その上に委員名簿でございます。それから資料1-1の学識経験者からの意見聴取要領、1-2がグループ会合の運営方針(案)、資料2-1が選定フロー、2-2が選定の作業手順、それから3-1ですが、我が国に定着している外来生物(魚類)のリスト、3-2が影響の可能性が指摘されている外来生物(魚類)の例。3-3が外来生物(魚類)の特徴と選定に際しての留意点、3-4が選定作業が必要と考えられる外来生物(魚類)に係る情報及び評価。3-5が特定外来生物の選定作業が必要と考えられる外来生物(魚類)に関し、想定される未判定外来生物の例及びその他種類名証明書添付生物の例。
 以上が資料でございまして、その他参考資料がついておりますが、テーブルの委員の方々には、基本方針の冊子をお配りしておりまして、資料一覧の参考資料1から4まではその冊子の中に入ってございます。それ以外に参考資料5から8がありまして、参考資料5がWWFジャパン、日本自然保護協会、日本野鳥の会から出されております提案リスト、それから参考資料6につきましては、日本魚類学会から出されております選定すべき魚類の提案、もう一つ、参考資料として魚類学会等から出されておりますサンフィッシュ科魚類の取り扱いに関する要望書、参考資料8は前回10月27日に行われました第1回特定外来生物等専門家会合の議事要旨、以上でございます。もし、漏れがございましたら、事務局の方にお申し出いただければと思います。よろしいでしょうか。
 それでは、開会に当たりまして、上杉生物多様性企画官の方からごあいさつをいたします。

【環境省 上杉企画官】 足元の悪い中をお集まりいただきまして、ありがとうございます。
 外来生物の問題につきましては、ここ数年来、生物多様性保全を図る上でも非常に重要な問題ということでさまざまな検討が進められてきたところでございます。ちょうど先の通常国会におきまして、特定外来生物による生態系等に係る被害防止に関する法律が成立をいたしまして、6月2日に公付をされたという状況にようやくたどりついてきたところでございます。この法律は1年以内に施行するということで、来年の春、施行をしなければならないわけですけれども、そこに向けて対象となる特定外来生物をある程度選んでいく、そういう作業にまさに入っているところということになっております。限られた時間ということもございまして、すべて網羅的にその時点までに選定をしてしまうというのはなかなか難しい状況もあるかなというふうに思っておりますけれども、この専門家グループ、特に魚類の中におきましては、魚関係のものについて、とりあえず来年の第1陣という言い方をしておりますけれども、6月の法律の施行までに選定をしなきゃいけないものについて、早急にご検討をお願いしたいというのが1点でございます。
 その後も未判定外来生物という、例えば届け出があった場合の判定をしなきゃいけないということで、引き続き委員会としてご検討をいただくような場が当然出てくるのではないかと考えておりまして、そういう意味では息の長い形でのおつき合いをお願いするということになるのではないかと思っております。法律の施行に向けて、そういう意味で、限られた時間ということではございますけれども、我々としましても、必要な情報収集等に当たりまして、できるだけ内容のある検討がしていただけるように準備を進めていきたいと思っておりますので、ぜひともよろしくお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

【堀上補佐】 それでは、議事の進行につきましては、多紀座長よろしくお願いします。

【多紀座長】 多紀でございます。よくこういう会合では、座長は委員から互選というようなことなんですが、当然親委員会がございまして、そこの委員が各専門家グループの座長をやるということになっていますので、半自動的に私が座長を務めさせていただくことになりました。ふつつかでございますけど、よろしくお願いします。以下、座ったままで話させていただきます。
 これから議事に入りますけれども、今日、まず先ほどお話がありましたように、櫻井委員がご欠席ということなんですが、議事の内容については、あらかじめ事務局の方でコメントを彼からいただいておるということなんで、以降、その都度必要な箇所でもって櫻井委員の意見を事務局から報告していただきたいと思っております。
 今、最初に上杉企画官の話を聞いて安心したというかほっとしたんですけれども、これは第1回でありまして、今回、恐らく6月に法律が施行になると、それまでにとにかくまず決めなければならないことがあるということで、この本日の第1回の魚類の専門家グループ会合もするわけでございますが、これからこのグループの全体の中での位置づけとか、何をどこまでやるのかというようなことを含めまして、最初でございますので、この会合が設立されたいきさつ、経緯ですね、や、会合の運営に関する件につきまして、事務局からご説明をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。

【上杉企画官】 それでは、お手元の資料のまず1-1を見ていただきたいと思います。この目的のところにございますように、外来生物法という法律の第2条3項、それから法律に基づいて定められました基本方針、この法律と基本方針に基づきまして、環境大臣及び農林水産大臣が、特定外来生物の指定に係る政令の制定又は改廃、それから未判定外来生物の指定、その他関連する事項、そういう中身について、生物の性質に関し専門の学識経験を有する者から意見を聴くためにこの会合が設けられているということでございます。
 それで、冊子の方の参考資料の参考資料1をちょっと見ていただきたいと思うんですけれども、この法律の簡単な概要がここに記されてございます。付箋を張って参考資料1というふうに書いてあるところでございます。法律では生態系、人の生命・身体又は農林水産業に係る被害を防止するために、そういう被害を及ぼす、あるいは及ぼすおそれのある外来生物を特定外来生物ということで指定をいたしまして、輸入あるいは飼養等を規制するというのが一つの中身になっております。
 2点目といたしましては、指定された特定外来生物のうち、既に野外で繁殖しているようなものについて、必要に応じて国あるいは地方公共団体等の参加により防除を進めるための枠組みを定めていると。
 3点目が、こういう特定外来生物ほどの問題点が明らかではないけれども、被害を及ぼすおそれがあるかどうか、そういう疑いのあるようなものについて、未判定外来生物として輸入の制限を図り、輸入をしたいという人があった場合には届出をしていただきまして、特定外来生物に該当するかどうかの判断をしていくということが大きな法律の中身になっております。
 資料の1-1にまた戻っていただきたいと思いますけれども、こういう法律上の判断をする際に、専門的知見を得た上で決定をしていくということで、この専門家会合が設けられているわけでございますけれども、これの第3の3のところに、意見の聴取に際しては、関係する専門家から得た情報や知見を活用するとともに、必要に応じ、当該生物の利用者等の関係者から得た情報や知見を検討するものとするというふうにされておりまして、意見の聴取の仕方について、こういうふうに定められているところでございます。
 それで、資料の次、2-1をちょっと見ていただきたいと思います。これが全体的な特定外来生物等の選定のフローということで流れを示しているものでございますけれども、今見ましたような意見の聴取のやり方といたしまして、全体の専門家会合というものと、その下に設けています各分類群ごとの専門家グループ会合という構造で検討を進めていただきたいというふうにしております。
 全体の専門家会合は既に10月27日に第1回目が開催をされておりまして、今、多紀座長の方からお話がありましたように、6分類群、各分類群の座長になる先生方が全体会合の方に入っていただいているという形になっております。専門家のグループ会合につきましては、魚類については今日1回目ということになりますけれども、この後、何回か検討していただきまして、第2回の全体専門家会合を年明けに開催するということを考えております。その中で、特定外来生物等の候補リストの作成ということで、対象となるような種について最終的にここで決めていただきまして、その後パブリックコメント、あるいはWTO通報ということで必要な手続を経まして、それを踏まえて第3回の全体専門家会合をし、政省令の公布をしていくと。来年の6月までのとにかく法律を施行するということになっておりますので、こういった諸所準備を踏まえて法律の施行に向けていきたいということにしております。
 それから、専門家グループ会合の中で、例えば分類群の中でそれぞれさらに必要があれば小グループを設けて集中的に検討することも考えられるということで、この専門家グループ会合の点線の枠内の下の方の米印でございますけれども、そういうことを考えておるところでございます。
 続きまして、資料の1-2を見ていただきたいと思います。この魚類の専門家グループ会合の運営方針ということでお示ししているものでございますけれども、これは全体専門家会合も同じような運営の方針ということで既にお決めいただいておりますけれども、基本的に会合については公開でやりたいということでございます。特に支障があるような場合、例えば希少生物の保護といったような観点から公開が適当でないような場合については、別途非公開とすることができるというふうにいたしておりますが、基本的には公開でやりたいということでございます。
 それから出席者のところでございますが、代理出席は原則として認めないということでありますが、会合の開催に当たりまして必要に応じ、関係者から意見を聴取することができるというふうにいたしております。
 議事録につきましては、発言内容を先生方の了承を得た上で調整をし、これも公開をしていくということで考えております。
 それからまた、議事要旨につきましては、会議終了後、早急に事務局の方で作成をいたしまして、これについても公開をするということで扱いたいと思っております。基本的にはこの運営の方針については審議会等でとられる方針と全く同じものでございまして、このグループについても同様の方針でお願いをしたいということでございます。
 以上が資料の1-1から2-1までについての説明でございます。

【多紀座長】 どうもありがとうございました。非常にうまくまとめてくださったので、皆さんおわかりと思いますけれども、全体の専門家会合がありまして、その下に生物群の六つの分類群に分けてそれぞれにグループ会合、ワーキンググループをつくると。その第1回の魚類のワーキンググループ、専門家グループ会合が本日でございます。ということで、1月の上旬には第2回の全体会議で今回の結論を上げて、それをパブリックコメントに持っていくということになっております。今のご説明で何か質問、ご意見等ございますでしょうか。よろしゅうございますか。

(なし)

【多紀座長】 では、特にないようでしたら、運営方針につきましては、この案のとおりに決定することにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。いかがでございましょうか。よろしゅうございますか。

(なし)

【多紀座長】 ありがとうございます。
 引き続きまして、議題の2、特定外来生物等(魚類)の選定についてに入りたいと思います。まずは先月10月27日の全体会合で議論されました特定外来生物等の選定の作業手順につきまして、作業手順ですね、どのようにして選定するかということにつきまして、事務局の方からご説明をお願いします。

【上杉企画官】 資料の2-2を見ていただきたいと思います。この資料につきましては、点線の括弧でくくってある部分がございますけれども、これは特定外来生物被害防止基本方針で既に閣議決定をされている内容をそのまま引用している部分でございます。こういう基本方針で定められています選定の考え方、選定の流れについて、もう少しわかりやすく具体的な内容をイメージできるように資料としてまとめたものが、この資料2-2でございます。この作業手順につきましては、全体会合で一応お認めいただいたものでございますけれども、各分類群に共通の考え方として示しているものということになります。
 まず、特定外来生物、第2、特定外来生物の選定に関する基本的な事項の選定の前提ということでございます。どういうものを外来生物として対象にするのかということでございますけれども、いつの時点で日本に入ってきたものを外来生物としてとらえるのかということがまずアに書いてございます。これは生物の分類学の発展が、例えば明治以降近代科学の導入に伴って行われてきたと。あるいは鎖国が解けて海外との物流が著しく増加するのが明治以降であるというようなことを踏まえまして、概ね明治元年以降に我が国に導入されたものをここの選定の対象とするというふうにしております。
 それからイとしまして、これは識別の観点ということから、微生物については当面の間対象としないというふうにしております。
 それからウとしまして、これは他法令との関係でございますけれども、特に植物防疫法など、既に輸入制限等の規制がしっかりなされていると。そこで扱われているような外来生物については、今こちらの法律を対象とする必要性が余りないということで、二重の網掛けはしないという前提で考えているということでございます。
 それから2、被害の判定の考え方でございます。この法律が対象としておりますのは、生態系、人の生命、身体、それから農林水産業、この三つの観点に係る被害の防止をしていくということを目的としております。それぞれ生態系、あるいは生命及び身体、農林水産業についての被害の考え方を整理したものでございます。
 まず、基本方針で書かれていることでございますが、ア、1ページ目のこの下の方の括弧内ですけれども、ア、生態系に係る被害でございますが、[1]在来生物の捕食、[2]在来生物との競合による在来生物の駆逐、[3]生態系基盤の損壊、[4]遺伝的かく乱ということで、大きく四つの観点を示してございまして、こういったことによって在来生物の種の存続あるいは我が国の生態系に関し、重大な被害を及ぼし、及ぼすおそれがあるもの、そういうものを選定するとされております。ここで特に重大な被害を及ぼすかどうかという判断についてどのように考えるかということでございますけれども、次のページに移りまして、iからivまで四つの考え方を示してございます。
 i番目が、在来生物の種の絶滅をもたらし、又はそのおそれがあること。
 iiとしまして、地域的な個体群の絶滅、又はそのおそれがあること。
 iiiとしまして、在来生物の生息又は生育環境を著しく変化させる。又はそのおそれがあること。
 ivとしまして、群集構造や種間関係を著しく変化させ、そのおそれがあること。
 ということで、以上iからivのような観点を示しているところでございます。
 イが人の生命、身体に係るものでございますけれども、これについては人に重度の障害をもたらす危険がある毒を有する外来生物、あるいは重症を負わせる可能性のある外来生物、こういうものを選ぶとされております。
 ただ、この場合、他法令上の措置の状況もあるということで、感染症に係る被害はこの法律上の被害としては見ないという整理をしております。
 ここの部分に関連しましては、既に動物愛護管理法という法律がありまして、危険動物である程度管理されているものがありますので、それとの関連を見た上で、必要性及び緊急性のあるものについて、こちらの法律で対処をしていく、そういうことで考えていただこうかということでございます。
 それから、ウが農林水産業に係る部分でございますけれども、これは単に農林水産物に対する食性、食べる、食べないというだけではなくて、農林水産物の食害等によりまして、農林水産業に重大な被害を及ぼし、又は及ぼすおそれがある、そういうものを選ぶことにされております。この場合も人の生命、身体と同じでございますが、家畜の伝染性疾病など、他法令で既にそういう観点からやられているものについては被害として見ないという形にしております。
 ここで言います農林水産業に重大な被害を及ぼし、又は及ぼすおそれにつきましては、農林水産物あるいは農林水産業に係る資材等に対して反復継続して被害があるかどうか、こういった観点から見ていただこうかということでございます。
 それから、続きまして(2)被害の判定に活用する知見の考え方でございます。これは大きくアとイと二つの観点を示しておりまして、アが国内における科学的知見、それからイの方が国外における知見でございます。国内あるいは国外、両方ともの知見を活用して判定をしていこうということで考えております。国内の科学的知見のところのなお書きで書いてございますけれども、被害のおそれということに関していいますと、現に被害が確認されていない場合であっても、既存の知見より被害を及ぼす可能性が高いことが推測される場合、その場合にはそういう知見も活用して判定をしていただこうかということでございます。
 また、海外での知見に関連しまして、日本の気候、地形、そういった状況に照らして、国内でも同様の被害を生じるおそれがあると、そういうふうに認められる場合にそういう知見を活用するというふうにしてございます。
 3ページの方に移りまして、ここは特に海外情報が中心になるかと思いますけれども、日本の中への適用性ということでございますけれども、我が国に定着又は分布を拡大する可能性があるかどうか、繁殖力あるいは分散能力と、そういうものを検討するというふうにしております。
 ただ、定着はしないというものであっても大量に利用されて野外に大量に出てしまう、そういうケースについては、連続的かつ大量に野外に供給される可能性があるということで、繁殖能力や分散能力と同等の能力を持つ可能性があると、そういうことにも留意をする必要性があるということを述べてございます。
 それから3、選定の際の考慮事項でございます。この法律の目的であります生態系等に係る被害の防止、これが原則として第一義に考えなければいけない点でございますけれども、片方で既に日本に入っているものもいろいろあるわけでございまして、生態的特性、科学的知見の現状、適正な執行体制の確保、それから社会的・経済的影響、こういった観点も考慮をして必要があるという判断がされた際には随時選定をしていくというふうにしております。
 ここに関連しまして、特にすでに定着し、蔓延しているもの、あるいは大量に販売・飼育されているものについては、適正な規制の実施体制の確保、そういうことが可能かどうか、こういうことも検討する必要性があるということでございますし、また輸入、流通、飼養等を規制することによる被害防止の観点からの効果、こういうことも検討する必要性があるだろうということを述べてございます。
 以上が全体会合で、各分類群共通に考えるべき作業手順として整理をされたものでございますが、当然各分類群毎の特性といいましょうか、さらにここから深く選定の方針というものを整理して考えていっていただきたいというふうに考えております。
 続きまして、4ページに移りたいと思います。未判定外来生物でございます。選定の前提でございますが、イとウは特定外来生物と同様でございます。未判定外来生物の考え方でございますけれども、アとしまして、原則として我が国に導入された記録の無い生物又は過去に導入されたが野外で定着しておらず、現在は輸入されていない外来生物、そういう意味では新たに外国から来るようなものを対象にしましょうというふうにしてございます。
 (2)選定対象となる外来生物でございますけれども、これは被害事例の報告等が具体的には余りないけれども、ある特定外来生物と似た生態的特性を有しており、被害を及ぼすおそれがある疑いがある、そういうことを疑う必要があるもの、そういうものについて選定をするというふうにしています。これにつきましては、そういう意味では、特定外来生物との生態的特性の類似性という観点から判断をするということになるわけですけれども、一つは同属の種、あるいは場合によっては同科の属、そういうレベル、そういう単位でまず見ていただこうかということなんですけれども、その中でも種の生態学的知見の多寡、あるいは利用の実態、海外における被害の情報等を見て、未判定外来生物の可能性を検討すると。それから生態的な類似性ということからしますと、必ずしも同属の種、同科の属だけではなくて、生息・生育環境あるいは食性、繁殖生態、分散能力、そういう観点から生態的な同位性や同じニッチェかどうか、そういうことも見た上で検討する必要性があるというふうにしております。
 それから最後に5ページでございますが、種類名証明書添付不要生物でございます。特定外来生物あるいは未判定外来生物は輸入制限をするということになっておりますけれども、その際に税関でのチェックを容易にする、スムーズにチェックができるようにするという観点から、外見からその生物の判別ができるかどうかということが事務上、事務手続上問題になるわけでございまして、特定外来生物あるいは未判定外来生物に似ているかどうかという観点で、似ているようなものについては種類名の証明書の添付を求めようというふうになっております。これにつきましても、この委員会の中でどういうものについては、そういう似ている、似ていないの観点から種類名証明書が必要かどうか、そういうことについてもご検討をお願いしたいということでございます。
 以上が資料の2-2の内容でございます。

【多紀座長】 どうもありがとうございました。まず、これまで全体としての選定の手順、選定基準等をご説明願ったわけでございます。ここで私、今伺っていて非常に印象深かったんですけれども、被害の判定とかそういうものはすべてその知見によるもので、その知見というのは科学的知見であると。科学的知見によって判定をすると。判定というのは非常に難しい問題ですけれども、とにかくその基礎はサイエンスであると。それから、ほかの法律でもって網のかかっているものについては、ここでは対象としないということで、というふうに解釈をしておりますが、今までの資料2-2の説明につきまして、ご質問、コメント等ございましたら、ぜひお願いをいたします。
 何か、細谷先生。

【細谷委員】 近大の細谷でございます。
 答申にかかわるところでも委員で論議があったんですが、選定の際の考慮事項、資料といたしまして資料2-2、そこの3ページ、括弧書きの真ん中のところでございます。よろしいでしょうか。選定の際の考慮事項として、これはずっと関連事項の中で出てくるわけですけれども、原則として生態系に係る被害の防止を第一義にと、これはこの会の趣旨そのものだと思いますが、その最後のところの付帯事項でございますが、「特定外来生物の指定に伴う社会的・経済的影響も考慮し、随時選定していくもの」というこの辺のバランス、あるいは環境省の方向性を再度確認したいのですけれども。

【上杉企画官】 既に我が国に入ってきてしまっていて、具体的な利用がなされている、あるいはもう野外に大量に蔓延しているという、あるいは大量に販売・飼育されているということで、いろんな観点で社会的あるいは経済的な状況を見ていかなきゃいけないものがあるかと思っています。基本的には個別、具体にそこをどのように振り分けていくのかということについての目安が明確にあるわけでございませんので、個別のその外来生物の状況をそれぞれ、できるだけ多角的な情報を集めて適切に判断ができるようにしていきたいというふうに考えております。そういう意味で、必要なものについては、利用していくサイド、あるいはそういう社会的な影響の観点から、ある程度情報の提供をいただけるような方からの意見聴取もやりながら、ここについては判断していくということで考えているところでございます。

【多紀座長】 細谷委員、よろしいですか、それで、どうぞ。

【細谷委員】 個別にというふうにいうと論議が長くなりますので、個別に論議をしなきゃいけないんですが、社会的というところのその意味合いがどうも漠として読み取りにくいところがあるんですが、原則としてはあれですね、これはやはり生態系に係る被害のところが何といっても大事であるというふうに優先順位をつけて構わないわけですね。

【上杉企画官】 これは基本方針で既に閣議決定をしている、文章上でございますので、あくまでもその原則としては被害の防止が第一義であるというところははっきりしているわけでございますが、ただ、やはり個別に状況を見なきゃいけないことは、ちゃんと幅広く情報を集めて、その観点からの検討も当然加えて考慮はする必要があるということでございます。

【多紀座長】 ほかにご意見はございませんでしょうか。そうしますと、要するに第一義というのをちゃんとしっかり読んで、ということになるんだろうと思いますけれども、それでよろしゅうございますか。

(異議なし)

【多紀座長】 それでは、今のは全体のことでしたので、引き続きまして、特に魚類に係る選定の考え方について、やはり事務局からご説明をお願いいたします。

【堀上補佐】 それでは、私の方から資料3の説明をさせていただきたいと思います。資料3-1から3-3までちょっとご説明させていただきたいと思います。
 3-1につきましては全体会合でもなされておりましたが、我が国に定着している外来生物のリストでございまして、魚類の部分をそこから抜粋してきております。我が国に定着している外来生物につきましては、平成14年8月に環境省の検討会で、「移入種(外来種)への対応方針」という資料を作っておりまして、そこの中に定着リストというのが既にあるわけですけれども、それをもとにしまして、最近の文献等を参照して再整理をしたということにしております。
 整理に当たりましては、在来種を除外したり、あるいはその基本方針の事項を踏まえて、原則としては明治以降に導入・定着したものについて掲載しているということにしております。
 このリストは現段階での、現時点でのものということでありまして、今後いろんな情報が追加されてくるということがあれば、改訂をしていくということにして、そういう意味では暫定版という形です。
 暫定版として掲載している数は41ということでございます。これが一つと、資料3-2につきまして、これも全体会合で影響の可能性が指摘されている外来生物という全体のリストを示しておりまして、そこからの魚類の抜粋でありますが、これも同じく平成14年8月の対応方針の資料をもとに最近の文献を加えて再整理をしております。その際に海外での情報等も踏まえて再整理をしていくということでありまして、これからこの特定外来生物の選定をするというときに、この資料を素材として使っていく、そういう意味ではちょっと粗いまとめになっていますけれども、一応今の知見で、文献にいろいろと記載があるというものを整理させていただきました。
 その裏に個別の種のそれぞれの内容が書いてございます。この表の中に黒い四角と白い四角があるんですけれども、黒い四角については国内の影響について文献等で指摘があるもの、それから白い四角については海外で影響を与えるおそれが指摘されているというようなものということで区別をしております。影響の可能性が指摘されている外来生物ということで、被害、明確に被害ということではなくて、何らかの影響があるという指摘があるものについては取りまとめているという性格のものであることをまずご理解いただきたいと思います。
 例えば上の方から行きますと、オオタナゴとかタイリクバラタナゴ、ソウギョというところは生態系に係る影響のところに黒い四角がついておりまして、オオタナゴですと、競合・駆逐のところに在来のタナゴとの競合があるんではないかなというような指摘がされている。タイリクバラタナゴについては、それに加えて遺伝子かく乱があるんではないかというような指摘がなされている、そういったような見方でございます。
 国内においてそういう影響が指摘されているのは、そのほかチャネルキャットフィッシュ、あるいはニジマス、ブラウントラウト、カワマス、レイクトラウト、カダヤシとありまして、ブルーギル、コクチバス、オオクチバス、それからカムルチー、タイワンドジョウということで、それ以外は基本的には海外の文献で海外で影響が指摘されているような、国内にも入っているというようなものも中にはいますが、海外での影響を指摘されるものがあります。
 備考の方に、IUCNの世界ワースト100ですとか、生態学会が示しております日本ワースト100とかというのを[1]、[2]で一応示しておりまして、そのほか、飼育されているが定着していない、これも現段階での情報をもとに、必ずしも実際こうでない場合もあるかもしれませんが、一応情報として飼育されているが定着していないというようなものを挙げております。
 定着していないということでいいますと、先ほどの資料3-1の定着リストに実は載ってないヨーロッパオオナマズ、ノーザンパイク、ナイルパーチというのが、こちらの影響の可能性が指摘されている外来生物のリストには載っているということでございます。現時点で事務局側として整理しまして、文献等あるいは学者の方々が言っている、そういう影響が指摘されているというものについては、魚類に関してはこういうリストになっています。今後いろんな知見が出てくれば、またこのリスト自体は変わっていくわけですけれども、一応このリストは今回の検討に際して整理したということで、次回以降はまたこういう形でない整理があり得るということで、この資料については今回限りの形で活用していきたい。今回というのはその第1陣の選定に関してということでご理解いただければというふうに思います。ここまでが3-2で、これに付随したその主な参考文献というのがございます。
 資料3-3ですが、その外来生物(魚類)の特徴と選定に際しての留意点ということで整理をしておりますが、これはその来年の法施行に間に合わせるために、第1陣の作業としてどういうことに留意していったらいいかという観点から整理をしていまして、これが今後の魚類の選定の考え方すべてということではございません。
 最初の特徴の方につきましては、基本的にその外来生物が日本に入ってくる、この人為的に何らかの形で導入されている、利用されていたり、あるいは非意図的に入ってくると、そういう利用のされ方、導入のされ方があるわけですが、その特徴について概観をしているという形でございます。
 1の特徴のその中身ですけれども、食用あるいは釣り対象として、養殖、解放水面への放流が行われてきた。これは水産庁の方の資料から、これまでに90種以上の外来魚類が我が国に持ち込まれたという記録がありますけれども、そのうち現在利用されているのは数十種程度ではないかというような話があります。
 利用されている外来魚類については漁業権が設定されているものや、設定されていないものがあって、その利用量、流通量あるいは利用者の数とか形態も様々であります。利用の形態として、この漁業権が設定されているといっても、その生けす内での養殖ですとか、開放水面の一部を区画しての養殖、あるいは開放水面への放流、そういったものもあり、それ以外の釣り堀への放流というものもさまざまな利用がなされているということであります。
 一方、近年、家庭内でも鑑賞用の水槽の中で外来魚類の飼育というのは割と多くなってきております。利用されている種類自体も年々多様化しているということで、鑑賞用魚類がどのくらい入ってきているのか、あるいは飼育されているのかという、その状況についてはなかなか把握が困難な状況ということであります。
 ただし、鑑賞利用の場合についてはその水槽の中で飼育しているということでありますので、その水槽で飼うということに関して規制をすることについては、割と管理が徹底しやすいのかなということであります。
 一部の外来魚類につきましては、野外でのその被害について排除されているという状況もあって、その排除されているということについて、もっと有効利用をすべきじゃないかというような意見も一部であり、その排除か有効利用かをめぐって社会的な問題になっている。このことに関して国民的な関心も高い、そういう状況にあります。
 そういった状況、特徴を踏まえて、今後その選定作業を進める際にどういうことに留意したらいいかということでまとめておりますが、来春6月までには法施行をしなきゃいけないという、その限られた期間の中で最初の選定作業をするということからしますと、今からなかなか調査をするのは難しいということから、既存の科学的知見を最大限活用するということでもって、その際には法の趣旨、執行体制を勘案して、最初に指定をすることによって、その法規制の効果が十分に発揮されるかどうかということを検討する必要があろうということであります。
 漁業権が設定されている外来魚類につきましては、現在の状況というのをきちんと確認して動く必要があると。その際、その利用形態に応じた管理の容易さ、あるいは今、代替するものがあるのかというようなことも踏まえて慎重に検討する必要があると。
 それから、先ほどなかなか把握できてないことが多いと言いましたが、科学的知見が十分でないというものもありまして、それは科学的な知見、文献等で指摘はされてないにしても、生態系等に被害を及ぼすことは否定できないというものがあれば、これはもう引き続きその科学的知見の充実に努めて注意していくという、そういう必要がある生物として扱いを検討するべきとなるということであります。
 今回その限られた期間で第1陣の選定ということで、第2陣、3陣、これからの選定に向けてどういうことをしていけばいいかということも含めて、科学的知見の充実に努める必要があるということであります。
 それから3番目としまして、先ほど一部外来魚類については、国民的な関心が高い、社会的な問題になっているということでありましたが、現状で4つの湖に漁業権が設定されておりますオオクチバスにつきましては、その排除か有効利用かを巡って社会的な問題になっており、国民的な関心が高いという状況にあります。オオクチバスにつきましては学識経験者、それから釣りの関係の機関、関係の団体等により構成されます小グループを別途設けまして、集中的に検討する、そういう体制を作る必要があるということ。
 その小グループの結論につきましては、魚類の専門家グループに報告していただくということで考えています。
 現状と、それから魚類の外来生物の特徴を踏まえて、今回の選定作業に当たっての留意点ということで取りまとめをしております。
 説明の方は以上です。

【多紀座長】 ありがとうございました。一番最後にオオクチバスについては別途ということでございますが、まずはそのオオクチバスのところを除きまして、その前の説明につきまして、ご意見、質問、コメント等ございましたら、ぜひ。
北田委員。

【北田委員】 海洋大の北田でございます。
 質問なんですけど、今の3-2の資料の表の説明がありましたけど、そこで注に、日本ワースト100、世界ワースト100というのがあって、少しご説明がありましたけど、これ何がワーストなんでしょう、ちょっとつけ加えていただけませんでしょうか。

【堀上補佐】 IUCNの方で、世界の侵略的外来種ワースト100というのをまとめておりました。IUCNというのは国際自然保護連合でありますけれども、生物多様性条約の中でも、侵略的外来種について対策を検討するということになっております。IUCNはそういう科学的な検討をしているということがありまして、そのリストが既に発表されております。同じように、日本の中で特にその侵略的になりそうなものは何かということを生態学会の方で検討されておりまして、それが日本の侵略的外来種ワーストというような形になっております。

【北田委員】 そうすると、侵略というのは、先ほどの議論のように、生態系に対する侵略ですとか、いろんな被害、こういうのを含めて侵略ということですね。

【堀上補佐】 IUCNの方は特に生物多様性という観点からやっていますので、その農業とか、人の生命、身体ということではないんですけれども、生物多様性について侵略的であるという整理をしていくと。

【北田委員】 そうすると、在来種に影響があるという、そういうことですね。

【堀上補佐】 国内の在来種、在来生態系には影響があるということでございます。

【北田委員】 わかりました。ありがとうございました。

【多紀座長】 ちょっと蛇足を加えさせていただきますと、例えばコイ、サイプリナスカルピオなんかもそういう侵略的な生物になっていると。ですから、所変われば品変わるで、別の生態的な状況にいけば、コイでもそういうふうになると。これは蛇足ですけれども、今のブラックバス以外のご説明で、とにかくまず最初にその限られた時間でもって、まず第1陣をやらなきゃならないということでリストをつくると。それはできるだけ一次情報に基づくと。いわゆるまた聞きみたいな、うわさみたいなものは基づかないということだろうと思います。
 それからもう一つ、この資料3-2の裏のその横の表ですね。これは私のこの理解で、あくまで一つの例といいますか、これでこうだよというんじゃなくて、例えばこういうようなことから、このような手続でもってこういうような選定のようなものが考えられるよというふうに理解して、それでよろしゅうございますか。

【堀上補佐】 このような選定のものというよりは、その選定の作業をするに当たって、材料としていろいろ影響が指摘されているものがあるけれども、それはどういうものかということをとりあえずまとめてみたというものです。

【多紀座長】 ありがとうございました。ほかにブラックバス以外で何か、ご質問、コメント等ございませんか。

(なし)

【多紀委員】 ないようでございますので、オオクチバスにつきましては、別途小グループを開催して、そのメンバーで集中的に論議をするというふうに考えておりますが、これでよろしゅうございますか。

【北田委員】 そうすると、ここの場ではもうオオクチバスは一切議論しないということですか。

【多紀座長】 というふうに私は理解しております。

【上杉企画官】 基本的には比較的関係者が特定しやすいといいましょうか、ということなので、本当にかかわりの深い方に集まっていただいて、そういう意味で集中的に議論する場を設けると。ただ、最終的にはこの魚類グループ、魚類の専門家グループにその結果を報告していただきまして、見ていただくということにはなるということになると思いますが、中身的には相当そちらの小グループで詳細な議論をするということでいかがかと思っております。

【北田委員】 そうすると、その結果がここに報告されたときに、それについてここでまた打ち合わせもできることなのか、それはそれとしてもう決まったもので、この会合では一切それについては議論しないということなんでしょうか。

【上杉企画官】 もちろん小グループからの報告について、この場で議論を一切しないということではございませんけれども、内容的には相当深い議論をそちらでしてくるという前提で見ていただければというふうに思っております。例えば次の会でやったときに、何か報告があれば、もちろん報告をしていることについて、この場で意見が、さまざまな観点の議論があるということは当然だと思っておりますけれども、相当その関係者を集めたという意味では、一番深い議論のできる場をつくるということになるんではないかと思っております。

【北田委員】 もちろんそういう深い議論をしていく必要があると思いますけれども、ここはもう別というのは、ちょっと何か違和感があるなという感じがいたしますけれども、もうちょっとフリーにできないんでしょうかね。どういうふうに考えるかとか、このメンバーの方がですね。それぐらいはあってもいいのかなと思うんですけど、いかがなんでしょうね。

【多紀座長】 そうですね。ですから、これは何といいますか、一切ここではブラックバスは議論しないと言い切るのはいかがなものかと。ですから、その辺も出てくれば当然大いに、そのためのワーキンググループなんだろうと思いますので、いろいろなヒアリングも含めて、詳細な突っ込んだ論議はその小グループでやっていだたくことにして、この専門家の会合では何か意見があれば出すということでどうでしょうか、事務局の方は。今の北田委員のおっしゃったのはまさにそのとおりで、こっちについちゃ、口にチャックしてろというようなものではないだろうと思っております。よろしゅうございますね。ほかの委員、いかがですか。

(異議なし)

【多紀座長】 ありがとうございます。オオクチバスについては、じゃ、そのようなことで、ここでももちろん発言は自由にお願いをするということで、しかも小グループを設けるということですが、何かほかに。
 細谷委員。

【細谷委員】 今の北田委員の考えをもう一度全体的に整理いたしますと、そうしますと、後で説明をもらうかと思いますけれども、資料の3-4の中から、まだちょっと早いんですけれども、リストから漏れているということと、今のを個別にやるということを考えますと、考えようによっては小グループは上がってきた意見というのは、逆に参考程度という、考えようによってはですよ、参考程度であって、それについて再度論議するという、そういう手順で理解してよろしいでしょうか。

【上杉企画官】 小グループの議論は参考程度というか、実質的な内容が相当そちらで議論されるということになると思いますので、参考というよりは相当しっかりした結論として出てくるものというふうに思っております。

【多紀座長】 それで、これは親委員会でも話になったと思いますが、最終的にその決定をする、じゃ、こう決めましょうというのはどこがやるのかと。最終的にはその親委員会が上げたものを、よろしゅうございますか、オーケーですということで決めるわけですけど、その中間の段階でこの魚類のワーキンググループと、そのオオクチバスの小グループのその辺の関係はどうなんだろうかという、そういう問題提起だろうと思うんですけど、いかがでございますか、その辺。
 じゃ、それに関連しまして、ちょっと先に行きまして、実はそのオオクチバスの小グループについて、私と事務局で調整をしまして、一応メンバーを、案を決めておりますので、それを今お出しいたしまして、それをごらんになってもう一度ご議論をお願いしたいと思います。

【堀上補佐】 お手元に今お配りさせていただいていますけれども、オオクチバスの小グループを設定するとして、その委員の案ということで、座長と話をして一応案を挙げさせていただきました。オオクチバスに関係して、これまでいろいろとされておりますその学識経験者の方々を挙げております。もう一つはその利用の関係者の方たちをそこに加えているという形でありまして、学識経験者の方としては、このワーキンググループの座長であります多紀先生、それから細谷先生を入れておりまして、そのほか神奈川県立生命の 星・地球博物館の瀬能学芸員、それから滋賀県立琵琶湖博物館の中井主任学芸員、それから東京海洋大学の丸山先生、同じく東京海洋大学の水口先生を委員として加えているところでございます。
 利用の関係者としましては、特に釣りの関係あるいは漁業の関係ということで、全国内水面漁業協同組合連合会の橋本専務理事、それから社団法人全日本釣り団体協議会の來田専務理事、財団法人日本釣振興会の高宮副会長、高宮副会長につきましては、同じその日本釣振興会の中で、外来魚対策検討委員会の委員長をしていらっしゃるということで、この三つの団体に入っていただくということで考えております。

【多紀座長】 ありがとうございました。一応こういうメンバーを頭に入れて、もう一度何かコメントをいただきたいと思います。全委員と考えてよろしゅうございますか。

【上杉企画官】 全体のこの専門家会合の意見の聞き方というのはちょっとややこしいところがありまして、あくまでも専門家の意見を聞くということになっておりまして、利用関係者が委員かどうかというのは若干あいまいなところでございますが、基本的には全委員会に同様に出ていただいて、もちろん意見も自由に言っていただくという立場で入っていただいたらどうかと思っています。

【多紀座長】 ということで、このようなメンバーでかなり突っ込んだ論議をするということでございますが、そしてそれは当然その論議の内容というのは、この本、ワーキンググループにも報告されるわけでございます。

【長畠室長】 ちょっとよろしゅうございますか。水産業の被害ということの関係で、事務局として発言するのは適当でないかもしれませんけれども、参考資料の8に、多紀座長がおっしゃるように、10月27日のときの議論の概要がまとめられておりまして、そこの1ページの下から二つ目のパラグラフの段落ですね。ここでも同じようなパターンが可能かと思うんですけれども、全体会合の委員にも各グループ会合の予定を案内し、出席したい場合には、グループ会合の委員同等に発言できるようにしてもらいたいというのがありまして、そのときの扱いというのはそのようにします。それで個別会合、この場合は爬虫類であったり魚類であるわけですけれども、そこに出て同等の発言権というか、そういった資格でご議論いただけるということですから、この場でもそれを確認しておけば有用ではないかというように思います。
 以上でございます。

【多紀座長】 非常にいいコメントをいただきましたけれども、資料8の1ページ目ですね。同等に発言して、情報共有の観点から各グループ会合の議事、概要もその都度お知らせするという、この部分ですよね。お知らせをするということで、その情報をまたそれぞれの当該会議でもって論議するという理解でいかがなんですか。

【上杉企画官】 会合の案内等は、そういう意味ではこの専門家グループの先生方にもお知らせをし、必要に応じてそこに出ていただくことも結構だというふうに思います。いずれにしても議論の中身については議事概要といいましょうか、そういうことで当然お知らせもするということで考えたいと思います。

【長畠室長】 私が申し上げたいのは全体会合ではなくて、全体会合対魚類ワーキンググループの関係は、魚類ワーキンググループ対オオクチバスの小ワーキンググループの関係に当てはめ可能であるということをご確認されて、そうでないと、北田先生がおっしゃるように、上がってきたものをそのまま飲めと言われても、それはちょっと親の段階でも、全体会議の段階でもそれは違うということで、多紀座長ご指摘のとおりですので、同じ手順を踏むのがよいかと存じます。

【多紀座長】 ですからあれでしょう、要するに小グループのオオクチバスの会議の論議の中身、結果はこのワーキンググループに。

【長畠室長】 参加なされ、細谷先生は小グループに入っていらっしゃいますんで、北田委員でいらっしゃるとか、村田委員でいらっしゃるとか、あと櫻井委員が出席なさりたいということであれば、出席なさって、発言の機会ももちろん、他の小グループのメンバーと同じであると。

【多紀座長】 例えばほかのこの分類群専門家グループがオオクチバス小グループに委員じゃない人が入って、出席して発言するという意味ですか。ただ、それやるともう全部あれじゃないですか、じゃ、親委員会の人がもうみんなここへ来てと、そういうことになるんでしょうか。

【長畠室長】 それは各委員のご判断で、その中に入っていらっしゃらない方、それで。

【多紀座長】 それやると、そうすると、私が例えばこっちの方へ出ていってちゃんとした発言権で発言をするということになりますよね。その論理でいきますとね。それはちょっと私は考えにくいのではないかと思います。それは意見は十分、こちらの意見は論議をして、そのディスカッションは大いにしましょうと。ただし、その委員のメンバーとして発言するんだったら、それ言えば全部そういう、何といいますかな、日本の行政システムというのはそういうふうになっていないだろうと思います。

【長畠室長】 ちょっと発言しておいて申しわけないのでございますけれども、こちらで最終的なご判断、議論をされると、魚類ワーキンググループですね。そして実態に立脚した議論はそのオオクチバス小グループで行われるということが、確認できれば、行政システムとおっしゃれば、それでいいかと思います。

【上杉企画官】 今、長畠室長から話がありましたように、そういう意味で、オオクチバスの小グループの開催の日程等については、ここのメンバーにお知らせをして、必要に応じてどうしてもここで発言をしなきゃいけないという観点があれば来ていただいて、そこでしゃべっていただくのは構わないというふうに思います。そういう意味では、情報として、例えば委員としてここに名前が載っていない方でも、この魚類のグループに入っている方が、そこにやはり情報として関心があるので、ぜひ行きたいということであれば、それは来ていただいて結構かなと思いますので、適宜情報を流すということについてはやっていきたいと思います。

【多紀座長】 という結論で、今の段階のあれでは情報は流して、もちろん聞いてもいただけると。これは十分その中の論議をこのワーキンググループでもできるように、なるべく柔軟にやりたいということでございますけれども、水産庁としてはいかがでございますかね、その辺で……。

【長畠室長】 北田先生のご懸念の、発言に関してのことでしたので、北田先生がよろしければ。

【多紀座長】 ありがとうございます。ほかに、なかなかね、本当にこれは大いにこの辺は論議をした方がいい問題だろうと思いますので、どうぞほかに、何か。

【北田委員】 今ので結構かと思うんですが、ひとつこの小グループの委員の案となっておりますけれども、まだ決定ではないですよね、きっとね。参考意見として申し上げたいなと思うんです。ここにいらっしゃる方々、立派な方々だと思うんですね。なんですけれども、大体皆さん学者ですよね。学識経験者なわけですけど、今、例えば水産庁でも、いろんな駆除の事業とかをされていると思うんですよね。実態は都道府県の内水面水産試験場が中心になってすごい努力をされていると思うんですね。そこのこういう先生方のその実態ももちろんされていられると思いますけれども、やっぱり自分でやって、駆除の苦労とかされている方々、あるいはその漁業権に関して非常に詳しい方々いらっしゃると思うんですよね。ですから、そういう学識経験者なんですけれども、もう少し現場に非常に近い方々がやっぱりここに入っている方がいいのかなと。むしろ私なんか入らなくてもいいと思うんですけれども、そういうご配慮というのはないんでしょうかね。

【多紀座長】 それに関連していまして、それはお目にとどまったかどうかはわかりませんけれども、本年度でしたっけ、環境省が外来種、特にオオクチバスの駆除対策についての研究委員会を設けまして、報告書も、それから環境省の許可を得まして、それを一般に市販もしております。ここにございます。「ブラックバス・ブルーギルが在来生物群集及び生態系に与える影響と対策」というので、どうやったら、例えば京都の深泥池ではどうだったかと。例えばそのときの委員には秋田県の杉山さん、実際に駆除をしているような人ですね。そういう人に全部入ってやっておりまして、そういうものも私どもは全部これを背負ってやっているつもりでございます。そういうのが本当の学識、格好いいこと言うと経験者じゃないかと私は思っています。

【北田委員】 多紀先生おっしゃるとおりですけれども、そういうことがあって、私ども詳しくはどの県でどういうことが行われているというのは知りませんけれども、やはり何事も見ている人がよくわかっているわけですから、違う切り口があると思うんですよね。学問でやっている方々といろいろ違うと思うんですね。ですから、私が、これ今委員会のメンバーをどうするかというような議題にあるのかないのかわからないですけれども、もしそういう点で発言が許されるなら、ぜひそこに都道府県の委員の方を入れていただけないかなという希望を申し上げたような形ですけど。機会がありましたら、ぜひご検討いただきたいと思います。

【細谷委員】 私もこの小グループを選定する際に、もちろん今までの業績成果が上がってきたそういうメンバーであるということは十分認識していますが、このメンバー表を見ていますと、北田委員のおっしゃるように学識経験者と利用関係者、この辺は先に私が資料2-2の中で質問した事項ともう一度ぶり返しますけれども、先ほど特定外来生物の指定に伴う、その経済的な影響という点では理解できますが、社会的な面というところの論議のゴールの実態がないように思うんですね。ですから、もう少し、その今、北田委員は新しい違った切り口とおっしゃいました。ひょっとしたら、先生と思っているものは違うかもしれませんが、場合によってはその辺は市民団体であるとか、あるいは自然保護に関わるとか、その具体的に産業や経済を背負わないで、もう本当にごく一部の一般的な市民を代表するような活動をなされている方、そういった方も少しでも入れたら、本来のこの趣旨に沿うんじゃないかなとは思いますけれども。

【多紀座長】 いかがでございますか。

【上杉企画官】 基本的には学識経験のある方の意見を聞くというのがこの全体的な専門家会合の目的になっております。それで、多分ここに挙げられている先生方は当然そういう市民グループの動向にも詳しい、情報もしっかり持っている方も入っているという認識をしておりまして、それは当然反映されるものであるというふうに思っております。
 それから、県の具体的な駆除の対策の話でございますけれども、これはあくまでも特定外来生物等への選定の観点が中心でございまして、それを対策をどうとっていくのかというのは、ちょっとまた別の観点かと思っております。そういう意味では、まずは非常に社会的にもいろいろ問題化しているという中で、どういうふうに考えていったらいいのかというところ、整理をしていく、そういうことがむしろこの小グループに求められるものかなと思っております。必要に応じて、そういう意味では自治体が被害状況についてどう考えていくのかというヒアリングが必要であるという話になれば、それはそれで聞いていくということもあるかもしれないと思っておりますが、基本的には学識経験者と、それに対して利用面でどういう状況があるのかという情報をインプットしていく、そういう形が最も適切ではないかということで、一応この案をつくってございます。

【北田委員】 今、選定であって対策ではないとおっしゃられているんですけど、そのとおりですけれども、駆除をやっている中で、この例えばオオクチバスの管理をどうするかとか、そういうことは当然考えるわけですよね。管理できるものなのかどうなのかという、そういう視点もあると思うんです。ですから、やっぱり偏りなくそういう構成になっている必要があるんじゃないかなと思うんですよ。学識経験というと、別に大学とか、こういう博物館とかだけではなくて、いろんなところに学識経験者がいらっしゃると私は思いますけれども、ですから、ぜひそういうふうな、さっき細谷先生がおっしゃっていましたけれども、市民団体もそういう候補なんでしょうけれども、やっぱりいろんなところの意見を聞くという意味では、これが偏っていたとしたらですよね、いや、偏っているかどうかわからないですけど、なるべく偏らないようにやっぱりしておく必要がないんでしょうかということなんですね。これ以上は申しませんけれども、ぜひご検討いただければと思います。

【村田委員】 基本的には北田先生のお話のものに私も同調させていただくんですけれども、要は、こういう外来種ですね。オオクチバスに対しての、今問題ですけれども、既に国内に入って云々になっておるんだよというようなこと、それを論議する場合には、今言われたような駆除対策だとか、そういうもののいわゆる現場の声というんですか、そしてまた、それはすべて害なのか、あるいはまた利というものが何%かあるのかなというような問題、ですから、ここで考えていかないかんなと思うのは、既に入ったもの、そしてまた外来種を導入するための規制というんですか、そういうもの。その辺の見分け方というものをこのオオクチバスがどの程度の焦点を置くかというんですかね。そういう議論がやっぱり必要じゃないかなというふうに思いますけれども。

【多紀座長】 ありがとうございました。まさに、それはオオクチバス一つでもいろんなスペクトラルがありますよね。ちょっとこれは足して2で割るような意見ですけれども、本当に市民から何から実際の駆除者からと、全部を網羅してやれば一番いいんでしょうけれども、それを全部をわかっていろんな意見の人をその一応ここには入れたつもりなんですよ。そして、ですから、私自身現場はもう知りません。この白髪頭で池掘っているわけじゃないんですけど、東南アジアに行くとまだドジョウすくいやっていますけれども。そうすると、ただし、実際に何県ではどうやってどうやるとか、それから例えば私の所属するところではお堀で駆除をやっておる、環境省の方でやっております。そうすると、私自身もそれにかかわって見ておりまして、そうすると、どういう問題があるとか、その辺も全部一応私の目では、私なりに考えがあり、そこまでただの何というか、空理空論ではないものを持っていると、私はちょっと自分では思っているんですけれども、そうすると、その人たちも、人さまざまでだれかさんじゃないけど、人生いろいろですけれども、できればこの一応メンバーであれして、その都度いろいろヒアリングは大いにやった方がいいだろうと思います。それから、またこれは固定的なものじゃなくて、メンバーどんどん加えてもいいだろうし、やめたい人はやめてもいいだろうということでもって、一応特に利用関係者もここにメンバーが入って、このメンバーでこれで固定ではないという将来はですね。これはこの本グループも固定ではない、これからもっとあの人も入れたいというようなことがあるかもしれませんけど、それは可能な、それは確かめました。それは可能でございますので、ということで、今一応はどうしても、じゃ、そういう人を入れたいという、特にございましたら、もう一度ご発言を願って、それで最終的に考えたいと思いますけど、いかがでございますか。

【北田委員】 じゃ、もう一言だけ。先生がおっしゃった空理空論とおっしゃる委員であると、そういうことは私申し上げてなくて、それはそれの皆さんの切り口で建設的な発言されると思うんですけれども、やはりあれですね、実際に駆除は管理ですから、ブラックバスの管理ができるのかというのを、現場でやっている人の声は僕はやっぱり必須だと思いますね。そこはどうお考えになるかは、座長と事務局でお考えになるんでしょうけれども、委員会の、この委員会というんですか、この会合のメンバーとしての私の発言としては、やはりそういうサイドの方は必須でありますというご意見を申し上げて終わりたいと思います。

【多紀座長】 それを伺っておくということでよろしいですか。細谷委員、いかがですか。

【細谷委員】 なかなか隔靴掻痒、私も迷うところがあるんですが、今当局の答弁としては選定ではなくて対策であると。それと市民団体を加える余地はない、学識経験者がすべて背負っているだろうということではあるならば、利用についても若干そういうことも言えるんじゃないかなという気はあるんですね。ですから、私個人は、これは最後の発言になりますけれども、1名程度はやっぱり自然保護団体かあるいは現場で実際に、その学識を若干持ったような方で、その自然保護団体を代表するような方を入れられた方がいいんじゃないかなというふうに思っています。この件はこれ以上はありませんけれども。

【多紀座長】 利用関係者はこれに載っていると。そうすると、そういう市民団体的なものは載ってないから、それを入れるのが望ましいというご発言ですね。ありがとうございました。では、そのご発言をいただいたということで、議事録に載せて、北田先生も同じで。いただきまして、決してこうだからというのじゃないけれども、いろいろ時間も差し迫っていることですので、将来十分にご意見は入れて慎重に考えていきたいと思います。ということでよろしゅうございますか。
 ということで、一応その次回の会合といいますか、このブラックバスについては、これでもってお認めを、ちゃんと意見を言っていただいて、一応この席ではお認めいただいたということにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 次に、事務局でもって、これからの小グループの日程を調整してこれから進めていくことでございまして、これ以上は本当にこの委員会では、小グループについては審議はしないつもりでございます。
 ほかに、ブラックバスのほかには、資料3-3については今までのご説明でよろしゅうございますね。

(なし)

【多紀座長】 じゃ、これはお認め願いたいということにいたします。
 それでは、その他の魚類で特定外来生物の選定作業が必要と考えられる外来生物について、事務局から、これは3-4ですね、ご説明をお願いしたいと思います。

【堀上補佐】 それでは、資料3-4につきまして、ご説明をさせていただきます。
 資料3-3の留意点等も踏まえ、なおかつ全体会合でお認めいただきました作業手順の考え方も踏まえて、オオクチバス以外、その選定作業が必要と考えられる外来生物について、情報を事務局の方で整理をしております。それが資料3-4で、表紙の方に、コクチバス、ブルーギル、カムルチー、タイワンドジョウ、ノーザンパイク、チャネルキャットフィッシュ、ヨーロッパオオナマズ、この七つを一応挙げております。それについては、その2枚目以降に、それぞれの種について個表という形で情報を整理しております。全部どの種も基本的には同じような項目で取りまとめをしておりまして、その被害の情報あるいは利用の情報、そういったものを整理してございます。
 例えば1ページにまいりますと、コクチバスでありますが、評価ランクのところは、これはこれからのこととしてとりあえず空けてございます。原産地については北アメリカ、国内での定着実績が野尻湖等ということで確認されていると思います。
 その下に太字で評価の理由ということで、とりあえずまだ評価はしてございませんが、評価として考えられることとして、例えば海外では在来種が、このコクチバスを導入したときに在来種が減って、魚類群の群集構造の変化が報告されているといった事例がある。あるいは北アメリカ原産なので低水温に耐えられる、ですので、日本でも定着するということで、もう定着もしているわけですが、広く定着して広がっている可能性がある。さらに繁殖力が旺盛で、流水域での生息もできる、湖だけじゃなくて河川でも定着できる可能性があるということで、在来の生態系に被害を及ぼすおそれがあるであろうということで書いております。
 その上の方で幾つか定着した湖沼がありますが、そこでは釣りがなされているわけですが、ただ、これ以上分布の拡大を防ぐということについては、基本的には合意がなされているという状況というふうに考えておりまして、各地でいろいろ対策がとられているということでございます。
 この評価した内容について、それぞれ被害の実態で文献に基づいて、その代表的な事例を幾つか挙げてございます。例えば生態系に係る被害でいえば、カナダの湖でこの種を導入したときに、在来種の減少が確認されていると。南アフリカで希少種を含む在来生物の減少が確認されている。そういった事例があるということでございます。
 それから農林水産業に係る被害についても、捕食による被害の可能性が示唆されている文献がございます。
 その要因として2ページですが、生物学的な要因、社会的要因をそれぞれ挙げておりまして、生物学的には先ほど申しましたとおり、湖沼だけじゃなくて河川の中下流域にも生息すると。低水温に対する耐性が高い、非常に成長が早いですとか、いろんな魚類だけじゃなくて、ほかの生物も捕食すると。雄が卵を、あるいは稚仔魚を保護するというような生態があると。そういったことも整理されておりまして、被害があるであろうということにしております。
 それから、その他の関連情報ですけれども、基本的に海外の事例を参考にしておりますが、日本での知見も最近蓄積されつつあるということ。それから、既に水域によっては持ち出し禁止とか再放流禁止の措置がなされていたり、沖縄を除く46都道府県の内水面漁業調整規則においては、移植禁止の措置がとられている、そういったことも情報として整理をしております。
 同じように3ページ、ブルーギルについてもそういうことでありますが、ブルーギルについては、もう既にほぼ全国的に広範囲に分布しているであろう、定着している。その中でいろいろと被害を既に及ぼしているという指摘があり、対策がとられているということであります。それで、対策の制度としては持ち出し禁止とかというのは、そのコクチバスと同じような規制がかかっているということであります。
 それから、5ページにいきますが、カムルチーですが、それも日本にはもう既に入っておりますが、全国的にもう定着しておりまして、これはアメリカではなくて東アジア原産ということで、日本にも類似した環境にもともと生息していたということで、日本各地には広く侵入・定着しているということでありまして、基本的に魚食性の強い魚種ということで、在来種の減少などが報告されていると。在来の生態系に被害を及ぼすおそれがあるということであります。そのことを裏づける文献が幾つかございまして、以降、5、6あたりにはそういうことが記されております。
 6ページの方ですが、その他の関連情報ですが、国内でも釣りがなされていますが、海外でも釣りがなされているところでありまして、イギリスへの持ち込みは禁止されていると。それからアメリカでも輸入禁止、国内移動禁止となっていると。アメリカの輸入禁止等はタイワンドジョウでも全種ということであります。
 7ページにタイワンドジョウも挙げておりますが、カムルチーと同じような生態を持っているということで、同じように被害を及ぼすおそれがあるという形で整理をしております。基本的には国内にはもう既に定着しているということであります。
 それから9ページにいきますが、ノーザンパイクですが、これは先ほども影響の事例の方でお話をしましたが、日本において野外での侵入・定着実績は今のところ確認はされておりませんが、海外でいろいろとその生物等への変化を及ぼしているということでありまして、比較的大型になる魚食性の淡水魚ということで、捕食影響があるということと、北アメリカとかヨーロッパ原産と言われますので、冬の低水温に耐えるということで、日本に定着する可能性は高いであろうと、海外の知見から、在来の生態系に被害を及ぼすおそれもあるという判断がなされるであろうということでございます。
 被害の実態として海外での事例があり、農林水産関係の被害も一応あるだろうという整理がなされております。
 それから10ページの方のその他の関連情報ですが、ニュージーランドへの持込が制限されております。一方でイギリスでは釣りがなされているということと、日本で一部で観賞魚として流通していると。流通はしているんですが、野外ではまだ生態は確認されていないということでございます。
 それから11ページですが、チャネルキャットフィッシュですけれども、これがもともと水産目的で日本に導入されておりまして、今、霞ヶ浦で養殖もされてはいるんですが、外に出ているものがありまして、急激に増加しているということであります。原産地は北アメリカですが、ヨーロッパにも入っていると。そちらでは在来魚類の減少を含む生物相の変化が報告されているということであります。そういうその被害の報告があるということと、日本で定着する可能性があると。もう既に霞ヶ浦では増えているということがあって、在来の生態系に被害を及ぼすおそれがあるということであります。
 被害の実態として幾つか文献が示されておりまして、非常に大型になる、生態系の中で上位補食者ということで、いろんな動物を食べてしまう。霞ヶ浦での胃内容物の調査では、大量の魚類やエビ類が発見されているということでございます。
 12ページのその他の関連情報ですが、各国で規制がされているという状況と、国内では、先ほども養殖といいましたけれども、霞ヶ浦・北浦、あるいは岐阜県の下小鳥ダムでは、漁業権魚種として、これは第1種区画漁業権ということですが、漁業権魚種とされております。基本的には生けすの中で、湖の中で生けすの中で養殖されているというものであります。
 国内では一部で観賞魚としても流通しておりまして、飼いきれなくなった個体を放してしまうおそれもあるのではないかという指摘もございます。同様に、属は違うわけですが、目、科も違いますが、13ページのヨーロッパオオナマズも大きくなる魚食性の魚類ということで、ヨーロッパ諸国では、定着した後に在来生物相への変化が確認されていると。冬の低水温にも耐えるということで、日本に定着する可能性が高い。在来の生態系に被害を及ぼすおそれがあるだろうということで、ここに載せています。生態系に係る被害、外国の事例があるということでございます。
 それで、国内ではやはり観賞魚として流通が始まっておりまして、野外に放されてしまうんではないかと、そういうおそれも指摘されてございます。
 それから、日本には同属の3種が生息しておりまして、交雑の可能性も想定はされておりますが、これは文献等での指摘は特にまだないということ、そういうところでございます。
 以上、7種挙げておりまして、これは基本的には国内あるいは海外での文献があって、被害が何らかの形で示唆されている、あるいははっきり書かれているというものをもとに出しております。あるいは先ほどのその影響の事例の表、資料3の2の中にいろいろと、表の事例自体はあるわけですけれども、その国内の利用状況というものも少なからず整理をした上で、この7つを既に文献等で指摘があるものとして提示をさせていただいております。資料3-4については、説明は以上でございます。

【多紀座長】 ありがとうございました。7種が特定外来生物の候補として評価の案が出てまいりました。いろいろこう伺っていますと、まず最初にそのかなり制限要因があって、6月に法律施行に向けて委員会を出したり、パブリックコメントに出したりということで、余り時間がないということがあります。それからもう一つは、法律としてこれは当然のことですけれども、恣意的な選定を避けるために、あくまでも重大な影響ないしはおそれがあるという文献証拠があるものということでもってやったわけでございますが、これご審議やられる前に、ひとつちょっとこの場で確かめておきたいのは、あれですよね、このリストは特定外来種というのはこれからもますます委員会で検討をして、これからも追加ないしは異動あり得るべしということで考えてよろしゅうございますね。

【堀上補佐】 ここで整理した7種というのは、先ほどのオオクチバスはとりあえず除いて、その上でその全体の作業手順、あるいは今年度やらなきゃいけない資料3-3に基づく留意点も踏まえて、今回について整理したものでございまして、今後第二弾、三弾という指定に向けて、またさらに検討は当然必要というふうに考えております。

【多紀座長】 ありがとうございます。ということで、とりあえずこれが第一弾ということなんですが、この種の選定についていろいろコメントがあると思います。どうぞ、質問、コメント等ありましたら、活発にお願いしたいと思います。いかがでございますか。本日のこの会合で、これでよろしいですよということになると、これが案ではなくて上に上がるということになるわけですね。その辺はどうなんですか。

【堀上補佐】 基本的にその被害について、こういうことだろうというご認識について、間違いというか、基本的にこれでよろしいということであれば、これは評価をされるということで、上に上にというのは、全体会の方で上げるものとして見ていくということになろうと思います。ただ、もう少し整理した方がいいというような情報とか、そういうのがあれば、随時議論していただいて、表自体をもう少し高めていくということはあると思います。

【多紀座長】 例えば、これはえらい可能性の話ですけれども、ワシントン条約採決で付属書1が上級になって2になったり、下がるようなこともありますよね。そういうことも、これはなかなか性質上ないでしょうけれども、ある外来種がどんどん減っていっちゃった。ほとんどなくなっちゃったというような局面の状態であれば削除ということも考えられるわけですか。

【堀上補佐】 特定外来生物として指定されてから、それを削除というか、また指定を取り外すということがあるとすれば、それは当然その後の科学的知見に基づいて政令指定ですから、政令をやめるとかということはあり得ます。

【多紀座長】 ありがとうございました。というような情報を踏まえて、その資料3-4に基づきまして、コメントご意見をいただきたいと思います、どうぞよろしくお願いいたします。
 細谷先生。

【細谷委員】 私も十分に勉強しているわけではないんですが、特定外来種と未判定のところがどうも突き詰めていったときに、なかなか理解できないところがあるんですが、資料の3-4、当面はオオクチバスを除いて、これにターゲットを絞って論議しようという方向性はわかりました。それと今、多紀座長の方から、この場限りではないということも確認いたしました。となると、今後この場限りの次回以降の目録として、これに加える可能性があるというふうに認識してよろしいでしょうか。

【上杉企画官】 資料3-3の留意点に沿いまして、そういう意味ですぐにしっかりした海外の情報も含めて科学的に被害足るものという整理ができるものを今回はとりあえず上げておりますが、それ以外にも当然影響の可能性が指摘されているものということで、資料の3-2でお示したようなものも当然ほかにもあり得るわけでございまして、それについては、一応さらに我々としては収集をして、適時、判定ができるような体制づくりはしていきたいと思っております。
 もう一つありますのは、そういう意味で、資料3-3の2の3つ目の丸ですけれども、引き続き科学的知見の充実に努める必要のある生物としての扱いを検討ということで、必ずしもここの特定外来生物の候補だけではなくて、そういったものも視野に入れてご検討していただければと思っております。

【多紀座長】 そうすると、例えばこれにブラックバスは除いて、この7種あると。そのほかにも、たとえ、もしかしてあったとしてもたまたま文献がそろってないとか、ちゃんとした政令で規定するにはベーシスがないというようなものがあって、そういうものがちゃんと既存的な情報が得られた段階で追加するような場合もあり得るということですね。

【堀上補佐】 1点補足しますけれども、文献を今回どう見たかということですが、基本的に被害が指摘されている文献があるかどうか。例えば競合・駆逐というような生態系被害というところに、オオタナゴなんかが実はそうですけれども、実際国内でほかの魚を駆逐したりという事例が科学的データとして示されているかどうかというと、そこはなかなか実はなかったということがございます。ただ、日本に定着して拡大しているというような種類で、そういうデータがなくても、海外でそういう指摘があって被害があると。それはこういう知見によるというものがあれば、なおかつそれが日本で定着するということであれば、それはもうここで載っけていくべきものとして見ていくと。基本的にはこの分類群に限らずほかも、基本的なところはそういう考え方で今回第一弾のその作業をしていくということでございます。

【細谷委員】 そうしますと、資料3-4の中で、今回挙げられたやつで確認に入るかもしれませんけれども、ノーザンパイクとヨーロッパオオナマズについては、国外の事例があるからこういうふうにされたという一方で、未判定の場合には、そういう国内で事例がなくてという話になりますが、それを未判定か特定かを区別するのは海外の事例ということになりますよね、これはね。その一方で、例えば北極近くでとれたものとか、物すごい熱帯でとれたそういう事例を持ってきておるような場合と、たとえ事例がなくても、私が今言いたいのは、ケツギョなんですが、ケツギョの場合にはこれは分類学的には科を超えているわけですよね。ブラックバスと、科を超えているわけですよね。無理矢理未判定の中に入れている感じがしますけれども、むしろその潜在的な脅威というのは、特定になり得るような生物学的特性が明確である以上は、むしろその辺はこの場において未判定から一挙に特定の方に持っていって、逆にたとえ外国の事例であっても、その我が国の環境状況から考えて、むしろその未判定というか、その辺のリバーシブルの可能性といいますか、もう一度ちょっと確認したいんですが。

【堀上補佐】 それはあると思います。先生、ちょっともう資料3-5に入っているかと思うんですけれども、後ほどそのご説明はしますけれども、海外の事例について未判定というのを見ていくというのは当然ありますけれども、なおかつ海外で事例が非常にたくさんあって、もう確実に被害があるだろうと。日本においても被害があるだろうというのは、これは特定にすべきだということはおっしゃるとおりだと思います。ただ、今回まとめたのは、そういう文献が今のところこちらで探し切れていないということと、第一弾でやるには、やっぱりある程度の文献がそろってないといけないということもって、とりあえずはこういう形で整理をしていくということでございます。

【上杉企画官】 あと特定外来生物と未判定外来生物の関係というところになりますけれども、基本的に未判定外来生物は、輸入等が余りされていない、その実績がないものを中心に選ぶということにされています。ここでいうとノーザンパイクあるいはヨーロッパオオナマズ、そういう意味で最近観賞魚的なことも含めて、ある程度日本にも入ってきつつあるということからしますと、必要があれば特定の方に回しておいた方がいいだろうというふうなことも考えられるという、大まかな仕分けとしてはそういうことが言えるのではないかと思います。

【多紀座長】 ちょっとこれ横で手を入れますと、これはひとつ事務局というか、法令をつくられる方の方にも考えていただきたいのは、魚類ということなんですよね。例えばほ乳類なんかですと、例えばネコ科とか、何とか目というと、大体生態やなんかも似てるですよね。余り草食性のネコなんていうのは聞いたことがないです。ところが、魚では、すごい魚食性のコイもいるし、プランクトンしか食わないコイもいると。かなり科とか、そういう分類群で網をかける、簡単に網をかけるのは非常に危険であるということ、それからもう一つは、例えばコイ科でもって、2,500種とか2,200種を超えます。まだ分類自身がかなり流動で動いているものであって、科が幾つあるなんていうのは、恐らく僕と細谷先生でも数が違うと思うぐらいのまだ分類て流動的なものなので、その辺は少し実態と即して考えて、何といいますか、分類群が同じだから同じだとか、違うから違うんだろうというような考えで、余りすぱすぱ切るのは危険だろうと思っておりますけど、いかがですか、その辺は。

【細谷委員】 おっしゃるとおりですね。生態的な違いがあります。

【堀上補佐】 関連で、葛西臨海水族館の櫻井委員からコメントをいただいておりますので、ご紹介しますけれども、中身は特定外来生物についておっしゃっているんですが、これ特定には当たらない可能性があるんですけれども、特定外来生物のリスト化に当たっては、当該生物の表記を同種・亜種で行うのではなく、より上位の分類群でも指定できるようにするのが現実的であると。特に熱帯産淡水魚は、業界名や流通名など、ずさんな固定による学名を記載されて近年多数輸入されており、ナマズ目などでは未記載と思われる個体も含まれるなど、種・亜種名でリストアップしてもなかなか実行できないのではないかというようなご意見をいただいている。どちらかというと、その未判定を考えるときに活用できるのかなというふうに思います。

【多紀座長】 ありがとうございました。ということで、時間も詰まってまいりまして、この資料3-4にリストされております7種ですね。これを各種いろいろ条件を勘案した上であれですか、これをこの案について特定外来生物に該当するものとして評価してよろしゅうございますかね。どうですか。細谷委員、それはいかがですか。いろいろ難しいところがあるんですけどね。

【細谷委員】 今回の選定作業そのものがこの場限りではないということを確認しておりますので、それと、生物多様性の国家戦略の中でずっとこれを推し進めていますから、方向性もはっきりしております。ですから、もちろん今日の時点では余りにもアンバランスであるという魚類学者の意見は持っておりますけれども、今後のこの会のその方向性の中で、随時ディスカッションをするということを確認いただきましたし、それからこれまた補っていくということも確認しておりますので、今日のところは私はこれでいいと。

【多紀座長】 そう言っていただきまして、北田委員、村田委員、いかがでございますか。
 北田先生、今日のこれを候補というかリスト、指定の3-4の一番上にある7種ですね。それを特定外来種に該当するものとして認めてよろしゅうございますか。

【北田委員】 私、そこまで詳しく勉強しておりませんけど、各種ですね。このコクチバス、ブルーギルというのは一般的に常識からいってまあそうですよね。あとのその下の方は、どの程度あるかぼくはわかりませんけれども、いろいろ調べられてこれで行くとなれば、かけておく分にはいいわけですよね。多いほどいいと思いますけど。

【多紀座長】 かけておく分には、まあ、ですね。

【北田委員】 検討の対象にですね。

【多紀座長】 わかりました。私自身も魚類学徒としての立場で申し上げますと、これが入るのかとか、これが入れるべきではないのかというようなものもなきにしもあらずですが、今の細谷委員がおっしゃいました、その条件といいますか、状況を勘案しまして、本日はこれをそのリストとするということで、私も了承したいと思います。ということでどうも、よろしゅうございますね、それで。ありがとうございました。
 続いて、その議論は既に入っておりますけれども、未判定外来種等についてですが、これについて資料3-5ですね、事務局からご説明をお願いいたします。

【堀上補佐】 資料3-5、横の表ですけれども、先ほどの7種をもとにしまして、それについて考えられ得る未判定外来生物の例、あるいは種類名添付の証明書が必要な生物の例、それを整理してございます。
 表の見方、ちょっとわかりにくいかもしれませんけれども、左側の方が特定外来生物で、項目にしますと、一番上のところで4つ目の欄が、特定外来生物の選定作業が必要と考えられる外来生物、先ほどの7つを挙げております。その右側の被害の概要というところは、その7種についてどういう被害があるかということで整理をしておりまして、そこが特定外来生物の欄でございます。その右隣に未判定外来生物の例がございまして、その未判定外来生物をどうして選んだのかというのが、右側の生物の特徴というところで書いてございます。さらに、その二重線をはさんで右側の方は、よく似た、特定と未判定に似ていて外見上なかなか区別がつきそうもない、そういう生物の例をここで挙げているところでございます。
 例えばコクチバスでいきますと、目、分類の目としてはスズキ目、スズキ亜目で、科としてはサンフィッシュ科、属はMicropterusでございますけれども、それの中にコクチバスという種が特定外来生物として入っていると。それについては捕食、競合駆逐、農林水産業の被害があるということでございます。
 その下に、同じサンフィッシュ科の中でブルーギルが入っています。この特定外来生物2種で考えたときに、同じような被害が及ぼす可能性があるんじゃないのかというのが未判定外来生物の例でありまして、科としてはサンフィッシュ科、コクチバス、ブルーギルと同じサンフィッシュ科をまずは挙げたと。これはコクチバスと類似した生態を有して、温帯域に分布するスズキ亜目の淡水魚で、なおかつサンフィッシュについては同じ科であるということであります。科は違うんですけど、同じスズキ亜目の中で、コクチバス等と同様に捕食性が高い、あるいは競合駆逐の可能性がある。温帯域にいるというものを整理しますと、真ん中のところでパーチ科の一部の4属、ペルキクティス科の一部、モロネ科、ケツギョ属、オヤニラミ属ということで、オヤニラミ属については在来種のオヤニラミを除くという形になっております。
 こういった種については、基本的には国内にはまだ入ってないだろうと。ですが、これから入ってくる可能性もあるので、とりあえず未判定にしておいて、国内に入れたいという方があらわれたら届出をいただいて判定をするという形にしてはどうかということであります。
 その右側の方は、種類名添付証明書が必要なものということですが、基本的に種類名添付については、特定外来生物も未判定外来生物も種類名を添付した証明書が必要でありまして、それ以外のものとして何があるのかということで、アカメ科、ナンダス科、それからシグリット科の一部というものが、コクチバスあるいはブルーギルと外形上よく似ている。ただし、見ただけでは、場所をちゃんと見れば区別ができるということでありまして、そこは税関の方で区別していただくわけですが、その際に種類名添付証明書をつけて、これは何という種ですか、あるいは何という科ですか。場合によってはコクチバスやブルーギルではありませんとか、サンフィッシュ科ではありませんけれども、という、こういう何がしかの証明書がついてくるようなそういうイメージであります。
 それからその下に行って、カムルチー、タイワンドジョウについては、未判定外来生物としてはタイワンドジョウ科、カムルチー、タイワンドジョウ、コウタイ、コウタイについては既に日本に入っていますので、これについては除くという形で整理しております。
 それからパイク目については、パイク属、ノーザンパイク、特定外来生物は除いて未判定にしていく。これはもうノーザンパイクと類似した生態を有していて、温帯域に属する魚食性の淡水魚であるということでありまして、パイク属とよく似ているものとしては、アフリカンパイクカラシンをここで種類名添付証明書が必要なものとして挙げているということであります。
 それからチャネルキャットフィッシュについては、未判定としては同じ属のもの。それと別のAmeiurus属ですね。これについてチャネルキャットフィッシュと類似した生態を有している。温帯域に属している、そういう魚食性のナマズ類であるということで未判定にしておくと。
 ヨーロッパオオナマズについては、同じ属のものを未判定にしておくということで、このナマズ類というのはすごくたくさん、ナマズ目にすると2,400種あるということですが、その中でこの2種に、あるいは未判定外来生物に似ているというものを整理すると、このほかのものとしてコリドラス、プレコ等を除くナマズ類というものがあると。ちょっとわかりにくいですけれども、一応そういう整理をして未判定、あるいは種類名添付証明書についても、今回方向としていったらどうかということであります。
 以上です。

【多紀座長】 ありがとうございました。今、説明をお願いしたのですが、あれですね、この一番右の二重線で離してある証明書添付生物の例として、これは本日というよりは、これから作業をするということでよろしゅうございますね。その辺は大くくりはそのままで。

【堀上補佐】 割と大くくり的にはこういうことだろうと思うんですけれども、細かいところでは結構いろいろご指摘があろうと思いますので、それは次回にきちんと整理したものを出したい。その際に、それまでの間にご意見をいただければ整理をしていくということで考えたいと思います。

【多紀座長】 ありがとうございます。ただいまのご説明、ご質問、コメント等ございませんでしょうか。お話、サンフィッシュ科のものとか、パーチの4、6とか特定しているわけですね。その辺が細谷委員、いかがですか。

【細谷委員】 次回までに整理されるということで、気づいたのぐらいでよろしいでしょうか。時間がありませんので。パーチ科を4属とされている一方で、リストの中ですけれども、おわかりですね。パーチ科を4属とされている一方で、パイクパーチ、学名で言いますと、Stizostediodn Lucioperca、これは最もヨーロッパで広域なスポーツフィッシュであると同時に、我が国に相当数ペットとして入ってきていますけれども、それは機械的に抜かれたというだけのことでしょうか。何か意図があって。

【事務局】 まずフィッシュベースという魚の全種が載っているリストから例えばパーチ科というものを出して、その後、魚食性だとか、あと体調が小さいものは除いたりとかというふうに、魚食性のものはまず残して、その中で、だから魚食性のものを残す前に、最初の小さいものを、成熟しても、5センチに満たないものは全部除いているんですけれども、今ちょっとお教えいただいた種類については、その作業の中で多分ミスがちょっと発生してしまってうまく修正できていませんので、その点はもう一度精査してから検討いたしたいと思っています。

【多紀座長】 どうもありがとうございます。これはそのどうなんですかね、もちろん次の1月の半ばまでに間に合えるとして、この辺の、できればもう一検討したいところ、本当はそうなんですけれども、その辺はいかがなんですかね。

【上杉企画官】 今、細谷委員からご指摘いただいたような、例えばこの生物の特徴の見方でこういうのが抜けているんじゃないか、あるいはこれはやり過ぎじゃないかというのも含めて、今日いろいろとご意見をいただきたいと思いますし、あるいはこの後、次の会合までの間にお気づきの点があれば、ぜひ情報をいただければ、それをベースに検討を我々としても深めたいというふうに考えております。そういう意味で今日すべて決定していただかなくてもいいということで、こういう生物の特徴、未判定外来生物というものについては、ある特定外来生物になっているものにどういうふうに似ていて、こういうものを選んでいくべきだという、考え方の整理としてそもそもいいのかどうか、ちょっと確認させていただきたいと思っています。

【多紀座長】 ありがとうございました。それを伺って安心したわけでございますけれども、いろいろと細谷委員の発言にさらにつけ加えることはありませんけれども、魚というのはかなり何と言いますか、過疎的なグループですので、もう一検討、二検討必要だと思いますので、これは次の委員会までに私どももお互いに連絡しながら検討して、じゃ本日はこの案はそのまままだとらない形でもって、このような方針、見方でもって進めて次の会合までには決定案を出すということでよろしゅうございますね。他の委員、よろしいですか、それで。

【北田委員】 それで結構なんですけれども、これ水産の方ですが、養殖がいろいろありますよね。海面で特にいろんなものが入ってきて、実態がよくわからないんです、私は。稚魚を手に入れて、それがもう既に入っていまして、それが生けすから逃げて、野外で繁殖しているとか、そういうのが幾つかあると思うんですよね。そういうのはここからは今は外してあるということなんですか。

【多紀座長】 それも当然そうなんですね。村田先生のあれで、それこそ何とかヒラメとか、どこまでどうだかはわからないけれども、いろいろなのがあります。その辺は私も伺ったことがありますので、どうぞ事務局の方から。

【堀上補佐】 基本的にこの中身については水産庁と相談しながらつくっておりますので、このあたりは特段問題はないとは思うんですが、もう一度中身については確認をしたいというふうに思っています。

【多紀座長】 ということで、よろしゅうございますか。今の北田先生の、もう一度確認をするというようなことでよろしゅうございますか。

(異議なし)

【多紀座長】 ありがとうございます。では、そういうことで、私も最初にまずそういう質問を事前の段階でした方ですので。ということで、それも含めまして、この資料3の方の表は次の委員会までに完成をして提出するということにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 今までちょっと言及はなかったんですけれども、こういう中で、観賞魚は先ほどいろいろ種類があって、学名もわからないというような話があったんですけれども、観賞魚、これはいわゆる熱帯魚ですね。かなりの数入っております。ところが、なかなか把握できないということで、それにつきましては、事務局において観賞魚の関連業界、業者から流通とか、利用の状況とかヒアリングして、次回の会合でもってご報告をするように事務局にぜひ、本当になかなかわからないんですが、ありとあらゆる何千種入っているのかわからないんですけれども、規制は楽だとは言いつつも、いわゆるポイ捨てのようなことがある。観賞魚、いわゆる熱帯魚ではそこでもって定着、再生産するまでいかないんですけれども、鶴見川で何とかがいたとか、そういう新聞ダネになるようなことはかなりありますので、その辺も含めまして、次回までに事務局の方でヒアリング等、よろしくお願いをしたいと思います。
 これで、議題の1号議案と2が終わりまして、3のその他でありますけれども、これについては何か事務局の方でございますか。

【堀上補佐】 次回の開催のお話なんですが、先ほど来出ておりますが、小グループ会合を何回かやっていくことになりますので、その状況を見ながら、その第2回のこのワーキンググループの会合については、またご相談させていただきたい。その前に必要な情報はこちらから各委員に出していただくように、またお願いをすることになると思いますので、ぜひそこはご了承願いたいと思います。

【多紀座長】 ありがとうございました。それから委員の方、それから水産庁の方から、何かその他として何かご発言ございませんでしょうか。

【長畠室長】 特にございません。

【村田委員】 別に意見じゃないんですけれども、資料の3-2で、裏、脚注で、黒抜きの四角、それから白抜きと。白抜きの方なんですが、海外で影響を与えるおそれについて指摘があるものと、こうされておるんですが、これは少しというんですか、国内でも影響を及ぼす可能性があるというか、そういうのが入るべき脚注のように思うんですが、ちょっと私、これ理解に苦しんだんですが。いかがですか。

【多紀座長】 そうですね。日本でも同様に影響があると思われると。それはだって挿入しなきゃと、そういうことですね。

【村田委員】 そうですね。そうしないと、ちょっとこれでは理解ができないなと。

【多紀座長】 わかりました。じゃ、そのようにお願いいたします。
 ほかに何かございませんでしょうか。ほかにもしもなければ、事務局の方からは何かほかにございませんか。
 
(なし)

【多紀座長】 じゃ、大変な中、司会も下手で申しわけなかったんですけれども、以上をもちまして本日の審査はすべて終了いたしましたので、ここで特定外来生物等分類群専門家の魚類グループの会合を閉会いたします。どうも長時間、ありがとうございました。