1 日時 |
平成17年4月5日(火) 14:00~15:35 |
2 場所 |
環境省第1会議室 |
3 出席者 |
(委員)小野勇一、岩槻邦男、岡 敏弘、岡 三徳、角野康郎、亀山 章、五箇公一(代理出席)、小林正典、多紀保彦、武田正倫、長谷川雅美、村上興正 |
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(環境省)自然環境局長、審議官、野生生物課長、生物多様性企画官、自然ふれあい推進室長、野生生物課課長補佐 |
(農林水産省)水産庁生態系保全室長、生産局野菜課課長補佐、林野庁森林保全課課長補佐 |
4 議事概要 |
(事務局より資料を用いて説明し、質疑応答)
〔パブリックコメントの結果について(資料1-1)〕
- (事務局)頂いたメール1通、手紙1通を「1通」とカウントしているため、11万3792人から来ているのではなく、11万3792通来た、ということ。
頂いたコメントを、[1]被害の判定に係る科学的知見に関するコメント、[2]社会的・経済的影響に関するコメント、[3]その他、に分類した。
個別の意見をまとめ、それを踏まえた第一次指定についての考え方の案を資料1-1-3に示す。37種を指定することについて、結論を変更する必要はないものと考えている。また、37種以外にも第二次以降の追加指定を行う。
- ブラックバスの指定について、反対意見を3つに要約すると、[1]科学的根拠がない、[2]ブラックバスは一時的には増加しても、そのうち落ち着くのでは、[3]在来生態系の劣化は環境汚染が原因、というもの。この3点については、魚類のグループ会合及びオオクチバスの小委員会で十分に議論した。被害は明らかであり、防止に努めるのが先決という結論であった。日本の在来魚類相のかく乱のおそれが大きい。
- オオクチバスの亜種とされるフロリダバスは、オオクチバス指定の際、含まれるよう明記していただきたい。学者によってはオオクチバスとは別種としている。
- (事務局)世の中への出し方としては、フロリダバスを含むということを何らかの形で表したい。
- 資料1-1-1のp8のアトラスオオクワガタは、アトラスオオカブトの誤りではないか。
〔パブリックコメント結果を踏まえた第一次指定についての考え方(案)(資料1-1-3)について〕
- 一番最後に「有益な情報も含まれていると考えられる」とあり、そうであればパブリックコメントの意義もあったと思うが、具体的にはどのような情報か。
- (事務局)これまで議論していなかった意見も出たし、議論していない種についても意見をもらっている。
〔未判定外来生物及び種類名証明書添付生物について(資料1-2)〕
- (事務局)資料1-2では、未判定外来生物の指定候補としていた魚類2種(マーレーコッド、ゴールデンパーチ)について国内に入っているとの情報が寄せられたので、精査して魚類グループの先生方にも確認し、この2種を未判定外来生物から要注意外来生物リストに移した。
- これからも追加・変更はあるとの理解でよいか。
- (事務局)よい。
- 未判定外来生物の定義は「現在輸入されていない」ではなく、「現在輸入が非常にわずか」とした方がよいのではないか。
- (事務局)基本方針の表現(「原則として」)に沿っている。定量的に輸入されているものは未判定リストから外しているが、輸入量を正確に把握するのは困難であり、ほとんど輸入されていないと思われるものは未判定に含まれている。表現は「原則として、基本的に我が国に定着記録がなく」と変更したい。
〔オオクチバスの防除について〕
- (事務局)水産庁とともに基礎情報の収集を図っており、情報を分析してから防除の方策を検討する。
- 防除の対象はオオクチバスだけか。
- (事務局)マングース等の防除も進めている。必要なものについて、必要な防除を計画的に行うという考えである。
- 全国に散らばったものを防除するのは大変であり、議論を詰める必要がある。
〔第二次以降の特定外来性生物等の選定の考え方について(資料2-2)〕
- 第一次の選定作業では無脊椎動物グループ会合においてクモと水生無脊椎動物を一緒にして議論してきたが、当グループの小野委員(クモが専門)からもクモ等は昆虫グループとともに議論することを希望する発言があったこともあり、クモ類は昆虫類に移していただきたい。同時にベントスも委員の増強をしたい。
- 昆虫グループからは異論はない。生物学的な分類よりも生息ニッチェの問題と考えれば適当だと思う。
- 具体的な割り振りは各グループでお願いする。
- 植物の第一次指定の三種は少ないという意見があった。緑化植物について、代替的なものが本当に利用できないのか等、本質的な議論がなかなかされていない。本委員会でも踏み込んで検討していくことが重要ではないか。「生態系への被害の防止」を第一として全体の方向性を出していただけないか。
- 緑化植物の場合、スケジュールの中に、検討に当たって一定の時間が必要だということも認識されるやり方で進めていただきたい。
- 「第一次選定作業においては、科学的根拠が既存文献にないものについては、検討対象から除外していた」との記載はおかしい。「科学的根拠が明確であり、被害があるものを選定した」という肯定的表現で書くべき。指定されなかったものは、すべて科学的根拠が不明確だったとは限らず、指定した場合の実行体制が整っているかどうかの問題が大きい。
- 要注意リストの表題(「生態系等への影響について文献等で指摘があり、さらに知見及び情報の収集に努める必要のある外来生物のリスト」)に、「被害があっても対策がとれない」という記載を加えてはどうか。
- (事務局)第二次選定では、現在の要注意リストからも特定外来生物が選定されるので、リストの変更がある。二次選定の取りまとめとあわせて、要注意リストもその時点で表現も含めて再整理を行いたい。
- 要注意リストは必要なものと思うが、レッドデータブックのようなグレード分けを提案する。一律に科学的知見がないわけではないのに、変に定義されると正しい情報が伝わっていかない。
- 要注意リストの公表の仕方には十分配慮してほしい。単にランクが下のものと思われると困る。
〔第二次以降の特定外来生物等の選定の作業手順(資料2-3)〕
- p2のi)ii)iii)iv)について、交雑の問題があるので、iv)には「群集構造」のみならず、「遺伝的構造」も入れるべき。
- 今後は論文がなくても指定の可能性がある旨の記載があるが、慎重な議論が必要と思う。文献がないものについてこそ、どういう選定基準で選んだのか、きちんと根拠を説明できることが重要である。
〔特定外来生物等専門家会合の今後の進め方について(資料2-4)〕
- (事務局)太田委員などから指摘を受け、修文した。具体的には「定期的に分類群専門家会合を開催し」から「随時分類群専門家会合を開催し」へ、また「必要に応じて全体会合を開催」から「原則として全体会合を開催」へ、といった点の修文である。
〔外来生物法施行までのスケジュールについて〕
- この委員会は特定外来生物等の選定について議論することを目的としているが、法の施行に関する事項も検討の対象とした方がいいと思う。
- 第1回全体会合で、この会合の位置づけについて話し合っている。当面はこのままでよいと思われる。
- 今のままでいけば、アライグマの手術が法律上出来ないなど、施行上問題がある。
- (事務局)今の段階では、パブリックコメントなどを出していただければ、有益な情報を取り入れることもある。
(文責:環境省自然環境局野生生物課 速報のため事後修正の可能性あり)