特定外来生物の解説
- 和名
- カナダガン
- 科名
- カモ (Anatidae)
- 学名
- Branta canadensis
- 英語名
- Canada goose
- 原産地
- 北アメリカ
- 特徴
- 国内には、かつて種カナダガン(B.canadensis)の亜種とされていた種シジュウカラガン(B.hutchinsii)が飛来する。在来の種シジュウカラガンには亜種シジュウカラガン(B.h.leucopareia)と亜種ヒメシジュウカラガン(B.h.minima)の2亜種が知られている。
- 定着実績
- 神奈川県(丹沢湖など)や山梨県(河口湖、山中湖など)、静岡県(田貫湖など)、茨城県(牛久沼など)等で定着が確認されていたが、関係者間の対策が進み、2015年12月に根絶している。
- 被害状況
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■生態系に関わる被害
- 在来の種シジュウカラガン(B.hutchinsii)と交雑する可能性が危惧されている。
- カナダガンが定着している丹沢湖から直線距離で約30km に位置する相模川に2008年、シジュウカラガンが飛来しており、交雑の危険性が危惧されている。
- 茨城県牛久沼に定着したカナダガンは別種であるガチョウ(Anser ancer ver.domesticus:ハイイロガンを家禽化したもの)との異種間の交雑個体が生まれており、シジュウカラガン以外のガン類との交雑も危惧される。
- 茨城県牛久沼で生まれたカナダガンとガチョウの交雑個体が水田のイネを食害した事例が確認されている。
- 海外では飼育由来の留鳥化したカナダガンが増加した地域で、草地の過食、水草への食害、水際の土壌流出などが問題となっている。
- 分布域であるアメリカでは、都市公園などに定住して渡りをしない個体が急増し、繁殖期にヒナを守るため人を攻撃する、糞をまき散らすなどの被害が深刻化している。
- 取扱い上の注意
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- 備考
- 在来の種シジュウカラガン(B.hutchinsii)との交雑のほか、被害の実態について、今後とも科学的知見の集積が望まれる。
- 在来種に対する影響を考慮し、これ以上放鳥すべきでない。
※ 通称につきましては、必ずしも正確なものではない可能性もありますので、ご注意ください。
※ 被害状況につきましては、代表的な事例を挙げています。