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 特定外来生物の解説

特定外来生物の解説


スパルティナアングリカ

和名
スパルティナ属
科名
イネ(Poaceae)
学名
Spartina spp.
英語名
Common cord grass(スパルティナ・アングリカ)
原産地
15~16 種類が北アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ北部を原産地とする。
特徴
イネ科の多年性草本で、高さ2.5mに達する。密生した株状になる。
定着実績
スパルティナ・アルテルニフロラのみが定着しており、愛知県豊橋市では2008 年、熊本県では2009 年に確認された。
被害状況
■生態系に関わる被害
  • 愛知県では、スパルティナ・アルテルニフロラが準絶滅危惧種(NT)のハマサジ、シバナ、ウラギクが生育する塩性湿地を埋め尽くし、これらの希少種の生育を著しく阻害している。隣接する汐川干潟や六条干潟への侵入が危惧されている。
  • 密生した単一の植生を形成して在来種を駆逐し、在来の植物や無脊椎動物の個体密度を引き下げるため、侵略的な植物とされる。スパルティナ・アングリカやスパルティナ・アルテル二フロラが、アッケシソウの仲間の群落の中に侵入した事例がある。その他に、スパルティナ・アルテル二フロラがカリフォルニア州の在来種であるスパルティナ・フォリオサ(S. foliosa)を駆逐したり、スパルティナ・アングリカがイギリスの在来種のスパルティナ・マルチマを駆逐した事例も報告されている。
  • 満潮と干潮の間にある開けた生育環境を、背の高い単一の種からなる植生に変え、水鳥の採餌場所を狭める。
  • スパルティナ・アルテル二フロラは、アメリカにおいて、干潟を生息地とする生物の他にも、合衆国またはカリフォルニア州で絶滅危惧種とされているオニクイナを含む、シギ、チドリやカモ類などの渡り鳥にも深刻な影響を及ぼすおそれがある
  • 海 外では、IUCN のレッドリスト掲載種のサワカヤマウス(Reithrodontomys raviventris)の生育環境を悪化させている。
  • スパルティナ属が繁茂することで、堆積作用が増加し、水路や湿地に水が流れなくなり、平らな草地に変化してしまう。
 ■農林水産業に関わる被害
  • ワシンントン州のウィラパ湾などでは、カキの養殖業を脅かしている。
取扱い上の注意
備考
海外では、塩沼地の回復や、土壌の浸食防止に利用される
 欧米では、スパルティナ・ペクチナータ‘アウレオマルギナ-タ’(S. pectinata‘Aureomarginata’)が販売されているが、日本では生産や販売はされていない。

※ 通称につきましては、必ずしも正確なものではない可能性もありますので、ご注意ください。
※ 被害状況につきましては、代表的な事例を挙げています。


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