特定外来生物の解説
- 和名
- ナルトサワギク
- 科名
- キク(Compositae)
- 学名
- Senecio madagascariensis
- 英語名
- Madagascar ragwort
- 原産地
- マダガスカル原産、アフリカ、南アメリカ、オーストラリアなどにも分布する。
- 特徴
- キク科の一年生または多年生草本で、高さは0.3~0.7m程度である。温帯~暖帯に分布し、海辺の埋立地、空地、路傍、河川などに生育する。海外では牧草地でみられる。日当たりの良い場所での生育が良好である。
開花は周年。頭状花をつける。生長段階の早い時期でも開花結実する。自家不和合性。 痩果をつける。
きわめて変異の多い種で、葉が線状披針形のもの、下部の葉の基部が葉柄状になるもの、葉身が羽状に中裂~深裂するもの、中部の葉の基部がやや耳状になって茎を抱くものがある。 - 定着実績
- 1976年に徳島県鳴門市で確認された。埋立地の緑化に使われたアメリカのケンタッキー州から輸入されたシロツメクサやシナダレスズメガヤの種子に混入していたと考えられている。1986年には兵庫県淡路島で採集されたものが報告された。兵庫県や大阪府南部で急速に広がり、本州(中部地方以西)~九州でみられる。
- 平成21年度までに個体が確認された地点図
- 被害状況
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■生態系に関わる被害
- 侵入して間もないにもかかわらず急速に分布を拡大しており、在来種と競合するおそれがある。
- オーストラリアでは大繁茂して、年間200万ドルの損失を生じている。
- ハワイ諸島でも急速に分布を拡大しているため、侵略的な種として積極的な駆除が呼びかけられている。
- 取扱い上の注意
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- 備考
- 兵庫県淡路島の個体は、コウベギクの和名でS. paludosusとして発表されたが、本種と同種とされた。
神奈川県では、近縁種のダイコクサワギクS. inaequiden var. "daikoku"とシンコウサワギクS. inaequiden var. inaequidenが報告されている。
アルカロイドの一種であるセネシオニンやセネシオフィリンなどを含むため、草食動物に対して有毒である。
※ 通称につきましては、必ずしも正確なものではない可能性もありますので、ご注意ください。
※ 被害状況につきましては、代表的な事例を挙げています。