特定外来生物の解説
- 和名
- オオハンゴンソウ
- 科名
- キク(Compositae)
- 学名
- Rudbeckia laciniata
- 英語名
- Cutleaf coneflower
- 原産地
- 北アメリカ原産
- 通称
- ルドベキア、ハナガサギク、ヤエザキハンゴンソウ
- 特徴
- キク科の多年生草本で、高さは0.5~3m程度にまでなる。温帯に分布する。中部地方以北の寒冷な土地に分布する。路傍、荒地、畑地、湿原、河川敷などに生育する。肥沃で湿った、ときに湧水のあるところに生育する。ブナ帯の湿原に定着することが多い。 開花期は7~10月。頭状花。虫媒花。痩果をつける。 横に走る地下茎から茎を叢生する。
- 定着実績
- 明治中期に観賞用に導入された。確認されたのは1955年。野生化し、現在では全国に分布する。北海道、福島県、長野県、岐阜県で大群落がみられる。
- 平成21年度までに個体が確認された地点図
- 被害状況
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■生態系に関わる被害
- 日光国立公園の戦場ヶ原では、寒さや湿地に強く盛んに繁殖するため、ホザキシモツケ、イヌコリヤナギ、オノエヤナギ、ズミなどの低木をおしのけ一面に広がる勢いで生育している。在来種の減少がみられ、湿原植物を保護するために毎年刈り取られているが、根絶は不可能とされている。
- 十和田八幡平国立公園では、在来植生への影響が出始めていることから、駆除作業が行われている。特に奥入瀬渓流は、蘚苔類やシダ類等の林床植物が豊富な渓畔林で国の特別名勝及び天然記念物に指定されているが、そうした環境にも侵入しているため、発見次第除去すべき外来植物としてあげられている。
- 北海道登別市のキウシト湿地は、ワラミズゴケ、ツルコケモモ、モウセンゴケなどの貴重な湿原植生がみられ、日本の重要湿地500に選定されている。1997年に確認されたオオハンゴンソウの勢力が広がり在来種にとって深刻な状況であるため、駆除が行われている。
- 寒冷地に生育でき、大雪山国立公園の周辺部にも侵入している。
- 取扱い上の注意
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- 備考
- ワイルドフラワー緑化の材料として使われていた。 種間交配などで育成された園芸品種が多く、ルドベキアの総称で流通していたものもある。 オオハンゴンソウ属は世界で約30種が知られる。日本に自生種はない。本種以外にアラゲハンゴンソウ(キヌガサギク)、オオミツバハンゴンソウ(ミツバオオハンゴンソウ)などの野生化が確認されている。
※ 通称につきましては、必ずしも正確なものではない可能性もありますので、ご注意ください。
※ 被害状況につきましては、代表的な事例を挙げています。