特定外来生物の解説
写真はカワホトトギスガイ
- 和名
- カワホトトギスガイ(ゼブラガイ)、クワッガガイ
- 科名
- カワホトトギス(Dreissenidae)
- 学名
- Dreissena polymorpha、Dreissena bugensis
- 英語名
- Quagga mussel、Zebra mussel
- 原産地
- カスピ海、黒海原産
- 特徴
- 殻長約2~3cmの淡水棲のカワホトトギスガイ科の二枚貝。足糸という繊維状物質を分泌して付着基盤に固着する。
カワホトトギスガイは殻に縞模様があることから、ゼブラガイ(Zebra Mussel)と呼ばれている。クワッガガイ(Quagga Mussel)は、縞模様がゼブラガイほど明瞭ではない。 2種の形態はよく似るが、精子の形態および遺伝的に異なることが知られている。 他の生物を含め、様々な基盤に付着できることから、それらの移動により分布域を急速に拡大できる。
春から秋まで成熟した配偶子が存在し、暖かい季節の間ずっと繁殖していると考えられている。浮遊幼生期を持つことから、水域を通じて広範囲に拡散する。成長が早く、加入して数ヶ月後には繁殖を開始できる。 同定マニュアル - 定着実績
- なし
- 被害状況
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■生態系に関わる被害
- 爆発的に増殖して、淡水生態系を一変させるほどの影響を与えている。
- 五大湖では岩盤が被覆されることによりマクロベントスが増加し、生物相が大きく変化した。
- 五大湖では在来の二枚貝類に付着して窒息死や成長阻害をもたらし、生息に影響を与えている。
- 五大湖では、本種の大量発生により湖水の透明度が上がったことで沈水植物帯が広がり、底生生物や魚類の群集組成を大きく変化させた。
- 取扱い上の注意
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- 備考
- 1985年にバラスト水に混入した幼生が大西洋を横断し、五大湖に導入されたと考えられている。五大湖ではニベ科魚類がカワホトトギスガイを多く摂食するようになり、本来の摂食様式が変化した。
海外では船舶への付着による汚損、発電所や浄水場の取水施設における通水障害を引き起こし、ミシガン州モンロエ市の浄水場での被害額は2年間で300,950ドルに達した。
ヨーロッパでは貯水池のコンクリート基盤に本種を大量に付着させ、貝の摂食活動を利用して水質を浄化させる試みもなされている。
カワホトトギスガイからクワッガガイに置き換わっている地域もあり、より水深が深いところでその傾向がある。
クワッガガイはカワホトトギスガイと同じかそれ以上の生存、成長、摂食能力があると推測されている。
カワホトトギスガイはIUCNの「世界の侵略的外来種ワースト100」に選定されている。
※ 通称につきましては、必ずしも正確なものではない可能性もありますので、ご注意ください。
※ 被害状況につきましては、代表的な事例を挙げています。