特定外来生物の解説
- 和名
- Astacus属の全種
- 科名
- ザリガニ(Astacidae)
- 学名
- Astacus属
- 英語名
- Any species of the genus Astacus
- 原産地
- ヨーロッパ原産
- 通称
- ガルシアンクレイフィッシュ、ノーブルクレイフィシュ
- 特徴
- ターキッシュクレイフィッシュの体長は最大で20cmに達する。体色は褐色、白色、青などのバリエーションがある。ガルシアンクレイフィッシュとも呼ばれる。
ヨーロッパザリガニは最大15~17cmに達する。ノーブルクレイフィシュとも呼ばれる。
雑食性で水生植物、水生無脊椎動物などを摂食し、食物の選好性が幅広い。 ターキッシュクレイフィッシュは塩分耐性が高いため、河口域に侵入することも可能であると言われている。 ターキッシュクレイフィッシュは繁殖力が高く、個体群増加速度が速い。 同定マニュアル - 定着実績
- なし
- 被害状況
- ■生態系に関わる被害
- Astacus属の一種ターキッシュクレイフィッシュA. leptodactylusは、ヨーロッパで在来種のA. nobilisの駆逐に関与していると考えられているとともに、ヨーロッパザリガニA. astucusとの置き換わりを引き起こしている。
- ターキッシュクレイフィッシュは、イギリスにおいては野外で大量に発生し、在来生物群集に悪影響を与えたと考えられている。
- ヨーロッパザリガニは、水生植物を摂食するとともに、ハサミで切断することにより減少させていることが報告されている。
- ヨーロッパザリガニからは新種の桿状ウイルスが発見されている。その影響は明確でないが、同じザリガニ科に属するAustropotamobius pallipesにおいては、同様の桿状ウイルスを保菌しており、複数の病原菌の感染によりザリガニの死亡率が高まる可能性が示唆されている。また、オーストラリアに生息するCherax属から確認されているウイルスは、ザリガニの死亡率を高め成長遅延を引き起こすと言われていることから他のザリガニへの影響が懸念される。
- Astacus属を含むザリガニ科およびアメリカザリガニ科に寄生する原生動物は、高い寄生によりザリガニの病原菌に対する感受性に影響を与える可能性があると言われている。
- 取扱い上の注意
- はさみに注意
- 備考
- 国内ではペットとしての流通があった。
エストニアではターキシュクレイフィッシュの輸入を禁止している。
スウェーデンでは生きたザリガニ類全種の輸入が禁じられている。
フィンランドではザリガニ類の輸入には許可が必要である。 北米のアリゾナ州では、生きたザリガニ類の輸入、移動、水域間での移動、所有、生き餌としての利用は、許可を得た場合を除いて禁止されている。
オーストラリアでは生きたザリガニの輸入は禁止されている。また、ザリガニの移動を禁止している州もある。
※ 通称につきましては、必ずしも正確なものではない可能性もありますので、ご注意ください。
※ 被害状況につきましては、代表的な事例を挙げています。