エコツーリズムに取り組む地域に向けた人材育成事業

概要
自然公園地域や、エコツーリズムに取り組む地域の他、ジオパークや里地里山、身近な川や海など、地域の自然を守り活かしながら、交流人口・関係人口を増やし、地域を元気にしたいという取組を後押しする、環境省主催の研修事業です。自治体、観光協会、DMO、DMCなど地域レベルで活動できる方と、ビジターセンターなど拠点施設のスタッフ、自然体験プログラム、ツアー等を実施する事業者やガイドの方などにチームを組んで参加いただきます。
年度別の実施概要
関連分野のアドバイザー等のご紹介
過年度の「国立公園公園満喫プロジェクト人材育成支援事業」に検討委員又は研修講師として携わった有識者の方々について、許可を得て掲載しています。
専門分野は、インタープリテーション(全体計画)、環境教育、エコツーリズム、事業経営、観光地域作り、インバウンド対応、マーケティング・プロモーション等多岐にわたります。
上記1以外で、各分野で活躍される有識者の方々について、許可を得て掲載しています。
自己学習教材(動画)のご紹介
本事業の研修参加に際して、事前に学んでおくべき自己学習教材を動画にて作成しています。その他、参考となるトピックや、過去の参加者の声もあわせて紹介します。
自己学習教材(動画)のカテゴリ
1. 国のエコツーリズムの方針や本研修について
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1. 研修のねらいと全体像 / 環境省環境省がこの研修を企画・実施するねらいや背景、参加者に期待すること、研修終了後のサポートなどを紹介します。10分16秒
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2. 自然を活かす"地域が元気になる”上質なツーリズムとは / 環境省本研修で定義する「自然を活かす"地域が元気になる”上質なツーリズム」(以下、上質なツーリズム)とは何か、またそれを実現する上で重要となる地域における主体性と協働による取組について具体的事例も交えつつ理解を深めます。19分10秒
2. エコツーリズムの根幹となる、日本の自然
3. エコツーリズムを学ぶ
① 基礎(エコツーリズムについて)
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01.地域一体となっての取組を!(エコツーリズム概論) / 辻野 啓一(流通経済大学教授/日本エコツーリズム協会理事)エコツーリズムの意義と初歩的な知識を含みます。11分52秒
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02.エコツーリズムとは / 辻野 啓一(流通経済大学教授/日本エコツーリズム協会理事)・エコツーリズムの定義と日本型エコツーリズムの定義について。
・日本のエコツーリズムのフィールド(大自然・里地里山)について。
・エコツーリズムにおけるガイドの存在の重要性について。7分02秒 -
03.エコツーリズムに取り組む意義とメリット / 辻野 啓一(流通経済大学教授/日本エコツーリズム協会理事)・実際のエコツアーの様子。
・エコツーリズムの3つの目的(環境保全・観光振興・地域振興)資源を観光に生かすことで得られる経済効果について。
・持続可能な観光とSDGsについて。5分55秒 -
04.日本におけるエコツーリズム / 海津 ゆりえ(文教大学教授/日本エコツーリズム協会理事)「上質なツーリズム」の基礎である、エコツーリズムについて学びます。エコツーリズムは、地域固有の自然環境や歴史・文化などの保全、地域の振興、観光の振興をバランスよく実現するための観光のあり方です。この講義では日本におけるエコツーリズムの導入、○○ツーリズムとの関係、地域における取組み事例(エコツーリズム全体構想策定・地域の宝探しなど)も紹介しつつ理解を深めます。37分48秒
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05. 地域の宝探しとストーリー作り / 海津 ゆりえ(文教大学教授/日本エコツーリズム協会理事)地域ならではの資源や価値を探し、それらをもとに来訪者に望まれる体験を整理し、メッセージのあるストーリーを紡ぎ出すことでワンランク上の感動体験を届けられることについて紹介します。プロダクトアウトの視点のみならず、マーケットインの視点も加味しつつ取り組む重要性についても触れます。30分03秒
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06. 自然体験活動におけるリスクマネジメントの基礎 / 佐藤 初雄(NPO法人国際自然大学校理事長)リスクマネジメントの全体像を知り、基礎を学びます。現場で押さえるポイントを取り上げます。20分53秒
②発展(エコツアーをプログラム化する、事業化する)
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07.エコツーリズムに取り組むためのステップ / 辻野 啓一(流通経済大学教授/日本エコツーリズム協会理事)・エコツーリズムに取り組むためのステップ『1.気づき』『2.宝さがし』『3.準備』『4.試行』『5.事業化』について。
・宝探しの手法と磨き方、伝えるための手法としての広報のコツと『フェノロジーカレンダー』について11分50秒 -
08.自然解説の組み立て / 松本 毅(屋久島野外活動総合センター代表取締役/日本エコツーリズム協会理事)ガイドプログラムにおけるお客様への情報伝達と理解促進、楽しさを演出するための、解説手順と効果的な見せ方について論じます。28分27秒
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9.安全管理 / 木村 雄志(Activity Research 代表 アウトドアビジネスアドバイザー)現場での安全管理について、催行側・バイヤー両方の視点から考えます。40分27秒
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10.マーケティング・事業経営について / 松田 光輝(知床ネイチャーオフィス代表取締役/日本エコツーリズム協会理事)エコツアーを販売するためのマーケティング戦略とニーズについて学びます。27分29秒
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11.マーケティング・販売戦略について(オンラインでの販売促進の基礎) / 木村 雄志(Activity Research 代表 アウトドアビジネスアドバイザー)オンライン販売の意義、全体像の整理、取り組みのステップ、効果的な販売促進の作成、顧客管理の基礎について取り上げます。62分17秒
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12.事業経営について / 松田 光輝(知床ネイチャーオフィス代表取締役/日本エコツーリズム協会理事)エコツーリズムを事業として継続的に運営していくにあたって必要な事項(リスクと法規、収益確保、経営戦略)等について取り上げます。47分43秒
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13.ウェブマーケティングによる販売促進 / 木村 雄志(Activity Research 代表 アウトドアビジネスアドバイザー)SNSの活用、SEO対策等、オンラインでの商品販売の方法や流れを最新の動向を含めて概観します。28分49秒
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14.既存顧客戦略維持のための取り組み / 木村 雄志(Activity Research 代表 アウトドアビジネスアドバイザー)リピーターの獲得、「友人からのオススメ」をどう創出するかか、また、User Generated Content(ユーザー生成コンテンツ)の重要性について。またデータ分析と予約システムの活用について学びます。31分20秒
4. インタープリテーションを学ぶ
① 基礎
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01.インタープリテーションって何だろう?~その魅力と活用方法~ / 古瀬 浩史/川嶋 直(古瀬 浩史:帝京科学大学教授/日本インタープリテーション協会代表理事、川嶋 直:川嶋直事務所代表/日本環境教育フォーラム主席研究員)「上質なツーリズム」を目指す上で、来訪者に「感動」と「学び」の体験を効果的にしていただくためにカギとなるのが「インタープリテーション」の技術です。この講義では「インタープリテーション」とは何か、その魅力と可能性について具体的な事例に基づき紹介すると共に、施設や地域レベルで作成する「インタープリテーション全体計画」について理解を深めます。35分22秒
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02.テーマに基づいたインタープリテーション / 古瀬 浩史(帝京科学大学教授/日本インタープリテーション協会代表理事)アメリカ型のインタープリテーションの基本となっている「テーマを基にしたインタープリテーション」を紹介します。9分56秒
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03.インタープリテーションの様々な道具や手法の紹介 / 古瀬 浩史:帝京科学大学教授/日本インタープリテーション協会代表理事、鳥屋尾健:キープ協会環境教育事業部事業部長、川嶋直:川嶋直事務所代表/日本環境教育フォーラム主席研究員、古屋 絢子:合同会社観光ラボ代表、通訳案内士(英語)、文教大学講師、西村 仁志:広島修道大学教授/日本インタープリテーション協会理事インタープリテーションの様々な道具や手法を紹介します。インバウンド対応のための道具についても触れています。43分30秒
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04.インタープリテーションの小道具 / 古瀬 浩史(帝京科学大学教授/日本インタープリテーション協会代表理事)東京都奥多摩村にある山のふるさと村のインタープリターを訪問し、スタッフが実際にどのような小道具を普段使いながらインタープリテーションを行っているのかを紹介します。8分38秒
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05.アメリカ国立公園のインタープリテーション / 古瀬 浩史:帝京科学大学教授/日本インタープリテーション協会代表理事 古屋 絢子:合同会社観光ラボ代表、通訳案内士(英語)、文教大学講師
アメリカの国立公園のインタープリテーションを紹介します。古瀬講師は、様々なインタープリテーションの様子を取り上げます。古屋講師は過去に、日米インタープリテーション研修会に参加しました。通訳案内士の視点から気づいたことや所感、日本で参考になることを紹介します。
※地域にインタープリテーションを取り入れようとしている地域は、ぜひ見て欲しい動画です。
24分52秒
② 発展(プログラム・デザイン、インタープリテーション全体計画)
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06.インタープリテーションのプログラムデザイン手法 / 川嶋 直:川嶋直事務所代表/日本環境教育フォーラム主席研究員、古瀬 浩史:帝京科学大学教授/日本インタープリテーション協会代表理事参加者を迎えて「こんにちは」から「ありがとうございました」までの間をどのようにデザインするかを学びます(プログラム・デザインとは「時間設計・空間設計・関係性設計」のことを指します)。22分04秒
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07.インタープリテーション全体計画(1)~概要~ / 古瀬 浩史(帝京科学大学教授/日本インタープリテーション協会代表理事)インタープリテーション全体計画は、アメリカの国立公園で採用されており、日本の国立公園内のビジターセンターでも導入が始まっています。インタープリター全体計画の基本要素は5W1Hです。動画では高尾山を事例に概要を紹介します。12分05秒
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8.インタープリテーション全体計画(2)~行動計画とのつながり~ / 川嶋 直(川嶋直事務所代表/日本環境教育フォーラム主席研究員)インタープリテーション全体計画と本研修の成果物である行動計画について、各々のつながりと位置づけを解説します。11分14秒
5. 地域にインバウンドを取り入れる
① 研修の全体概要とインバウンドの基礎
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01.インバウンド研修「研修のねらいと概要」 / 環境省主催者からのあいさつ・研修会の趣旨と全体の構成について8分5秒
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02.インバウンド対応概論 / 古屋 絢子(合同会社観光ラボ代表、通訳案内士(英語)、文教大学講師)インバウンド対応の基礎となる、通訳ガイドの役割や、外国人客の特徴とその対応を学びます。
更にインバウンドを通じてどのように地域が元気になれるのかという視点として、講師が携わったツアーを紹介します。そのツアーを構成する要素は「強い動機を持った人が参加する」、「地域の宝物の真価を理解し、感動する」、「地域経済とプライドの醸成に貢献できる」です。25分27秒 -
03.ガイド現場の実際 / 古屋 絢子(合同会社観光ラボ代表、通訳案内士(英語)、文教大学講師)訪日外国人観光客の旅のスタイルを知り、実際のガイドの様子を見ます。訪日外国人観光客向けツアーに求められる基本的なスキル、姿勢等を取り上げます。49分28秒
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04.日本のインバウンド政策と米国の顧客動向 / 古屋 絢子(合同会社観光ラボ代表、通訳案内士(英語)、文教大学講師)コロナ禍を経て、海外旅行者が増え始めました。本動画では、インバウンド研修を受講した方向けのフォローアップとして、国内の政策動向とアメリカの顧客動向を取り上げます。42分38秒
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05.アジア圏の訪日外国人客の特徴 / 古屋 絢子(合同会社観光ラボ代表、通訳案内士(英語)、文教大学講師)訪日観光客は、欧米豪以外からもお見えです。皆さんの地域でお迎えする際の対応は、一様ではありません。国ごとの特徴があります。本講座では、どのような特徴があるか、いくつかの国や地域について、基礎となるポイントを押さえます。33分10秒
② コンテンツ作りと外国人の誘致
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06.訪日旅行者視点からの地域体験商品づくり / 府川 尚弘(INDIGO合同会社 代表)地域でインバウンドを受け入れる意義、旅の目的、訪日観光客が期待するものにマッチングしたものを提供するための考え方を紹介します。21分37秒
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07.コンテンツの理解とマーケティング戦略の考え方 / 府川 尚弘(INDIGO合同会社 代表)コンテンツという言葉の整理と考え方を理解し、地域が商品を作り上げるために必要な戦略の立て方を学びます。18分52秒
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08.訪日旅行市場で「売れる」地域マーケティングの仕組み / 府川 尚弘(INDIGO合同会社 代表)旅行者の認知の流れと、地域で売ることができる状態の商品が流通し、販売網に乗るまでの一連の流れを理解します。24分39秒
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9.日本の価値を学ぶ−1(外国人向けガイドの実際事例紹介) / 松田 光輝(知床ネイチャーオフィス代表取締役/日本エコツーリズム協会理事)世界における日本の自然、文化、食等の価値を解説/知床の事例紹介30分56秒
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10.日本の価値を学ぶ−2(エコツアーの中での海外ビジターの関心事と、日本の自然の特徴) / 横山 隆一(日本自然保護協会参与)外国人に人気の動物・自然、外国人に刺さらない動物・自然など35分02秒
③ インバウンド・ツアーづくりと販売促進
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11.リスクマネジメント / 古屋 絢子(合同会社観光ラボ代表、通訳案内士(英語)、文教大学講師)インバウンドツアーで発生するトラブルの背景と、その対応策を取り上げます。そして、リスクマネジメントの視点から、ガイドが備えておくべきことを取り上げます。16分18秒
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12.ツアーの様々な工夫の紹介 / 古屋 絢子(合同会社観光ラボ代表、通訳案内士(英語)、文教大学講師)インバウンド対応には、様々な工夫があります。ツアー参加者のツボはどのように押さえるとよいでしょうか。ヒントをご紹介します。23分12秒
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13.ツアープログラムづくりのスキーム / 古屋 絢子(合同会社観光ラボ代表、通訳案内士(英語)、文教大学講師)インバウンドツアーはどのように企画するか、悩まれる方が多いと思います。本動画はツアーを作る際のポイントを学びます。30分36秒
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14.地域での販売促進 / 野口 貴裕(BOJ株式会社代表取締役)ランドオペレーター(海外の旅行会社と取引を行い、国内の手配を行う)の視点から、地域でできるターゲットの設定や販売促進、商品に求められる要素について紹介する。28分34秒
6. ぜひ見ていただきたい、お役立ち動画
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01.「伝える」ということ / 川嶋 直(川嶋直事務所代表/日本環境教育フォーラム主席研究員)聞いたことは忘れる/見たことは思い出す/やったことはわかる/自分で発見したことはできるようになる。ということわざを例示し、伝える側ならばそれを全部逆に捉え、言ったことは忘れられる…、結局伝わるためには体験や発見が大事なのである。3分33秒
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02.話し方 伝え方について / 川嶋 直(川嶋直事務所代表/日本環境教育フォーラム主席研究員)インタープリテーションは聞き手の行動を期待している。行動のためには理性に働きかけるトークだけではなく、感性に働きかける様々な体験も必要である。3分44秒
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03.話し方の様々な工夫 / 川嶋 直(川嶋直事務所代表/日本環境教育フォーラム主席研究員)常に相手の立場に立って話す(聞こえるか/見えるか/難しすぎないか)。見える化の工夫などの必要性も。9分12秒
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04.NHK人気番組ブラタモリをインタープリテーション目線で見てみれば / 川嶋 直(川嶋直事務所代表/日本環境教育フォーラム主席研究員)ブラタモリというTV番組が安定した人気を継続できているのはなぜか?そこには、番組構成+タモリさんが、いつの間にか視聴者を番組に参加させる、インタープリテーション的手法を随所に使っているからなのである。4分15秒
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05.プログラムをデザインする / 川嶋 直(川嶋直事務所代表/日本環境教育フォーラム主席研究員)何をデザインするのか?時間の流れ(つかみ/本体/まとめ)、デザインするもの(時間/空間/関係)、そのために理解しておくこと(対象者、場所、ねらい)4分25秒
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06.プログラムデザイン例 / 川嶋 直(川嶋直事務所代表/日本環境教育フォーラム主席研究員)プログラムは参加者主体型の複数のアクティビティとインタープリターからのお話で構成される。その前に目的の共有化・アイスブレイクがあり、最後にまとめがある。その間に休憩・食事・移動・打ち合わせなどの要素がはいる。全体でグループで一人で過ごす時間も組み合わせる。3分15秒
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07.インタープリター人材育成の設計手法 / 川嶋 直(川嶋直事務所代表/日本環境教育フォーラム主席研究員)「人は育つのであって育てるのではない」ので、育つ機会や環境をしっかり準備(設計)する。人材育成の機会には3つのステージがある。「自習/OJT/集合研修」だ。こうした機会を意図的に年間計画に落とし込む。6分40秒
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08.人材育成と言うけれど、どんな視点で「育った!」と言えるのか? / 川嶋 直(川嶋直事務所代表/日本環境教育フォーラム主席研究員)インタープリターの3つの役割:1)役者、2)脚本家、3)プロデユーサー・マネージャー。それぞれの役割で一人前になった(育った)と言える到達点は異なる。それぞれの到達点を意識する。4分27秒
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09.インタープリターの人材育成(様々な機会) / 川嶋 直(川嶋直事務所代表/日本環境教育フォーラム主席研究員インタープリターの育成には1)自分一人で、2)同僚たちと、3)お客様の力を借りて、4)どこかに出かけて、5)専門家に来てもらって、6)集合研修を開催して・・・それぞれできることがある。こうした様々な機会を年間計画に落とし込んで設計することが大事。9分10秒
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10.まなび(学び)はまねび(真似び)から / 川嶋 直(川嶋直事務所代表/日本環境教育フォーラム主席研究員)自分に(自分たちの施設・組織に)ピッタリのモデルはいない。ピッタリのモデルを探すより、学びたい(真似したい)インタープリターの要素を分解して、それぞれの要素ごとのモデルを探し、要素ごとにモデルに近付くトライをすべき。3分11秒
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11.インタープリター地域での連携手法 / 川嶋 直(日本環境教育フォーラム理事長)コミュニティとは1)地縁型コミュニティ2)テーマ型コミュニティの2つがあり、ここではインタープリテーションというテーマでつながる地域型テーマ・コミュニティを考えたい。地域のインタープリテーションを支える、インタープリター、資源・コミュニケーション・教育・森作りなどの専門家と連携を。6分20秒