東近江市エコツーリズム推進全体構想[ PDF(1,999KB) ]
東近江市エコツーリズム推進全体構想の概要[ PDF(521KB) ]
東近江市は、滋賀県の南東部、湖東平野の中央にあり、東は三重県との県境、西は琵琶湖に面しています。
市域の56パーセントを森林が占め、東部の鈴鹿山脈から西部の琵琶湖までが一級河川愛知川という一つの水系でつながり、南西部を流れる一級河川日野川とともに、森、里、川、そして湖といった多様な姿を見せる自然豊かなまちで、生業や日常生活などの中で、継続的に人の手が加えられ維持されてきました。
しかし、その森里川湖の原風景は、人口の減少、超高齢化社会、生活様式や産業構造の変化などの影響を受け、地域の活力が低下することに伴い、将来、消滅するおそれがあります。
そんな原風景を支える地域力を維持するためには、住民が地域に愛着と誇りを持つとともに多くの人が行きたい・住みたいと思える魅力ある地域づくりを行うことが必要です。地方創生の取組の中で、イベントの開催や情報発信などの施策を強化したことにより、来訪者は増加しています。今後は、単に見て終わるだけの観光ではなく、ここでしか体験することができない時間や人と人との交流があり、心が豊かになるような旅に昇華させる必要があると考えます。
その取組の一つがエコツーリズムであり、地域ぐるみで自然環境や歴史文化など地域固有の魅力を来訪者に伝えることにより、その価値や大切さが理解され、保全につながっていくことを目指すこの取組を推進したいと考えます。
豊かな自然資源を土台に、人的資源、人工資源、社会関係資源が効果的につながることで、その魅力がより高まり、ひいては地域の活力を創出し、この大切な原風景を将来世代に継承することを目的として、東近江市エコツーリズム推進全体構想(以下「全体構想」という。)を策定しています。
「東近江市の森里川湖の原風景を未来につなぐエコツーリズム」
自然と暮らし・生業のつながりによって生み出された森里川湖の原風景が、エコツーリズムの基盤ですが、近年の人口減少、高齢化、生活様式や産業構造の変化などによって農林水産業が衰退することで、二次的自然である森里川湖の荒廃など、様々な問題が顕在化してきているため、①森里川湖の原風景を活用したエコツアーの企画・実施、②森里川湖の原風景を育む地域産業との連携や活用を推進することで地域振興や観光振興を行い豊かな地域づくりを目指します。
社会やライフスタイルの変化などによって、森里川湖の利用や管理の縮小等が進み、森里川湖が持つ本来の原風景が消失しつつあるため、市民、事業者、行政及び専門家・研究者等による①ルールづくり、②モニタリング及び評価の仕組みづくり、③原風景を構成する地域資源等の保全・再生を推進することで、エコツーリズムをきっかけに、森里川湖の原風景を再評価し、地域住民が自然と共生した暮らしや生業の価値を再認識するとともに、保全・再生の取組を通して、そこに住む人の誇りと愛着を高める地域づくりを目指します。
全体構想を実現するためには、市民、事業者、行政及び専門家・研究者の協働の取組が不可欠であるため、①エコツーリズムの推進体制づくり、②エコツーリズムの推進に必要な人材育成と確保、③エコツーリズムの推進に必要な拠点の確保を進めることで、原風景の活用と保全・再生を行う「人」と「つながりの場」を創出し、森里川湖の原風景を次代につなぐ仕組みがある地域づくりを目指します。
全体構想を市全体で推進するためには、広く市民、事業者の協力参加が必要であるため、①エコツーリズムに関する情報提供、②住民参加の促進、③エコツーリズムの中での環境教育を通じた地域人材の育成を推進し、積極的な情報提供、住民参加、環境教育により、市内全体で原風景の活用と保全・再生するエコツーリズムの理念が共有された地域づくりを目指します。
エコツーリズムをきっかけに、人と自然、人と人のつながりを再生し、原風景を将来世代に継承するため、推進する地域は本市全域とします。
(写真:主な自然観光資源の写真)
●鈴鹿10座(市政10周年を記念して東近江らしい10の山々を選定)
●伊庭の水郷
●茶畑