第3回自然公園のあり方懇談会(H15.3.25)議事要旨
中央環境審議会自然環境部会自然公園のあり方検討小委員会「自然公園のあり方に関する中間答申(H14.1.29)」において継続審議事項とされた課題について意見交換等を行うために開催した、第3回「自然公園のあり方懇談会」の概要についてお知らせします。 |
懇談会の概要 | |
中央環境審議会自然環境部会自然公園のあり方検討小委員会「自然公園のあり方に関する中間答申」Ⅱ(2)「自然公園の課題」において示された課題の中から、具体的検討課題をくくり出し、順次議論を深めるとともに、小委員会報告ないし答申を取りまとめる際の「柱」づくりを目指した検討を行うもの。 |
○ | 開催日時:平成15年3月25日(火)14:00~16:30 |
○ | 開催場所:法曹会館2階 「高砂」 |
○ | 議題 :「地域社会など多様な主体の参加による自然公園の風景の形成」について |
自然公園のあり方懇談会委員 |
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氏名 | 所属 | 出欠 |
渡辺 修 | (財)休暇村協会理事長 | 出席 |
安達 瞳子 | 花道家 | 出席 |
磯部 力 | 東京都立大学法学部教授 | 欠席 |
岩槻 邦男 | 放送大学教授 | 出席 |
大沢 雅彦 | 東京大学大学院新領域創成科学研究科教授 | 出席 |
岡島 成行 | 大妻女子大学教授 | 出席 |
栢原 英郎 | (社)日本港湾協会理事長 | 出席 |
川名 英子 | (財)生協総合研究所客員研究員 | 出席 |
熊谷 洋一 | 東京大学大学院新領域創成科学研究科教授 | 出席 |
瀬田 信哉 | (財)国立公園協会理事長 | 出席 |
立花 直美 | 武蔵野美術大学造形学部建築学科教授 | 出席 |
服部 明世 | 大阪芸術大学環境計画課学科教授 | 欠席 |
速水 亨 | (社)日本林業経営者協会副会長 | 出席 |
森本 幸裕 | 京都大学大学院地球環境学堂教授 | 出席 |
和里田 義雄 | (財)河川環境管理財団理事長 | 出席 |
○ | 事務局からの説明(中部山岳国立公園乗鞍高原地区及び阿蘇くじゅう国立公園阿蘇地域における取組の事例紹介を含む。)、北海道上川町建設課都市整備室の泉勝雄室長からの「大雪山国立公園層雲峡地区における取組」についての事例紹介を受けての議論の概要は以下のとおりです。 |
議事要旨(資料一覧へ) | |
◆ | 地域社会など多様な主体の参加について |
○ | 地域づくりに関して地域住民との合意形成を図る際に、行政側がコーディネーター役を担う以前に、公園管理者としてこうあるべきとの考えを示さないと、地域側から行政側への要求のみとなって、自分たちの痛みを伴う改善策など積極的な意見が出てこないおそれがある。全てを住民の意志に任せていいとは思わない。 |
○ | 地域住民が主体となって地域づくりの合意形成を図っていくことは望ましい方向であるが、客観的な外部の視点がないと地域特有の良さに気付かずに、それが失われてしまうおそれがある。そのような知識データベースのようなものを全国的に整備し、提供することが重要である。 |
○ | 「参加」の意味には、意志決定への参加、それを受けた活動への参加とあると思うが、意志決定過程において、従来の公園行政の基本スタンスとの摺り合わせをどのように図るのかが課題である。 |
○ | 「参加」の意味には、意志決定への参加、それを受けた活動への参加とあると思うが、意志決定過程において、従来の公園行政の基本スタンスとの摺り合わせをどのように図るのかが課題である。 |
○ | 上意下達ではない、合意形成の手法は基本的には良いことであるが、声なき声、大勢ではない声がかき消されてしまう可能性があることに留意する必要がある。 |
◆ | 自然公園の風景の形成について |
○ | 自然公園における風景は、現状を維持すべきなのか、自然の遷移など変化を認めるのか。 (事務局)各公園の指定又は保護すべき理由によって異なるものである。現在の価値を再評価することも必要であり、火山現象等の変化を前提とする景観もあり得る。本来的には公園計画によって基本的方針を明確に示しておくべきものである。 |
○ | 草原管理の省力化のために、阿蘇では放牧による輪地切りを行っているが、生物多様性の保全の観点から希少生物への影響をモニタリングなどにより把握する必要がある。 |
○ | 草原保全など里地里山の事例は、風景の形成というよりも維持管理の問題であるが、従来の規制的手法による風景保護から、風景の形成という積極的な提案があったことは評価したい。普通地域に「風景形成地区」を設定し、風景形成事業を行うといった創造的な展開を期待する。 |
○ | 合意形成のシステムとしても、①自然の遷移に委ねる、②伝統的な風景を守る、③積極的に風景を形成する、といった幾つかのシナリオを描いた上で、議論を行うといった、エコロジカルな意味でのシミュレーションを活用することが必要である。 |
○ | 自然公園における風景の形成を多様な主体の参加によって考えていくためには、情報として何が必要かという点を明らかにし、必要な情報を確保し、共有していくことが重要である。 |
問い合わせ先 |
環境省自然環境局国立公園課(大代表03-3581-3351) |
課長 |
笹岡 達男 | (内線6440) |
課長補佐 | 牛場 雅己 | (内線6442) |
(以上、委員発言の順不同、文責:事務局)