第2回自然公園のあり方懇談会(H15.2.14)議事要旨
中央環境審議会自然環境部会自然公園のあり方検討小委員会「自然公園のあり方に関する中間答申(H14.1.29)」において継続審議事項とされた課題について意見交換等を行うために開催した、第2回「自然公園のあり方懇談会」の概要についてお知らせします。 |
懇談会の概要 | |
中央環境審議会自然環境部会自然公園のあり方検討小委員会「自然公園のあり方に関する中間答申」Ⅱ(2)「自然公園の課題」において示された課題の中から、具体的検討課題をくくり出し、順次議論を深めるとともに、小委員会報告ないし答申を取りまとめる際の「柱」づくりを目指した検討を行うもの。 |
○ | 開催日時:平成15年2月14日(水)14:30~17:00 |
○ | 開催場所:虎ノ門パストラル新館5階マグノリア |
○ | 議題 :「山岳地域における歩道のあり方」について |
自然公園のあり方懇談会委員 |
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氏名 | 所属 | 出欠 |
渡辺 修 | (財)休暇村協会理事長 | 出席 |
安達 瞳子 | 花道家 | 欠席 |
磯部 力 | 東京都立大学法学部教授 | 欠席 |
岩槻 邦男 | 放送大学教授 | 欠席 |
大沢 雅彦 | 東京大学大学院新領域創成科学研究科教授 | 欠席 |
岡島 成行 | 大妻女子大学教授 | 出席 |
栢原 英郎 (新) | (社)日本港湾協会理事長 | 欠席 |
川名 英子 | (財)生協総合研究所客員研究員 | 出席 |
熊谷 洋一 | 東京大学大学院新領域創成科学研究科教授 | 出席 |
瀬田 信哉 | (財)国立公園協会理事長 | 出席 |
立花 直美 | 武蔵野美術大学造形学部建築学科教授 | 出席 |
服部 明世 | 大阪芸術大学環境計画課学科教授 | 出席 |
速水 亨 (新) | (社)日本林業経営者協会副会長 | 出席 |
森本 幸裕 (新) | 京都大学大学院地球環境学堂教授 | 出席 |
和里田 義雄 | (財)河川環境管理財団理事長 | 出席 |
(新):新しく委員になった方 |
∴∵資料一覧∴∵
○ | 本懇談会の委員に変更がありました。 |
○ | 事務局からの説明、石川県環境安全部自然保護課の課長補佐である美馬秀夫氏からの「登山道整備・白山での試み」についての事例紹介を受けての議論の概要は以下の通りです。 |
議事要旨 | |
1.総論 | |
○ | 自然に対して手を加えない方がいいという意見もあろうが、橋梁、標識、路傍トイレなども含め、自然景観に配慮した歩道は文化的な面をもっと積極的に評価し、環境資産として認知すべきではないだろうか。 |
○ | 山岳地域の歩道整備のあり方を議論するのであれば、例えば国土交通省の整備計画のように歩道の現況把握等のデータ整備が必要である。 |
○ | 獣道や高度な技術を要するバリエーションルートのように、公園計画上に位置付けのない道もあるが、そのような道の利用に対してはどう考えるのか。 (事務局)必要に応じて利用調整地区制度などを活用して利用をコントロールすることも考えられるが、安全面も含め、利用者の自己責任が原則の世界と考えている |
○ | 過剰利用の現状に対して、歩道の整備による対応ばかりでなく、利用のコントロールを重視すべきである。 (事務局)従来から、マイカー規制等による利用の適正化を図っているが、利用調整地区といった新たな制度も積極的に活用していきたい。 |
○ | 地域に歩道整備に係る指導者を養成し、ボランティア活動の一環として歩道整備を取り入れることはできないだろうか。 |
○ | 本来、景観や生態系への影響を軽減する観点、優れた自然体験や眺望を提供する観点など、自然公園にふさわしい歩道とは何かを明らかにする必要がある。歩道のあり方としては、路面の整備ばかりでなく、ルートや線形、眺望点における通景の確保などを考える必要がある。 |
2.歩道整備のあり方について | |
○ | アンケート調査結果にある、コンクリートを用いた歩道に対する批判は、整備すること自体の問題よりも、使用する素材や施工方法にあると思われ、そこを区別して評価する必要がある。 (事務局)ご指摘の点に加え、利用状況や自然条件を勘案し、どの範囲まで、どのような利用者層に対応した整備を行うべきかという点も主な論点と認識している。 |
○ | アンケート調査結果は、利用者は、植生復元の効果等を評価する一方、景観等への配慮が不十分という評価をしていると受け取ることが可能であり、これらを踏まえ対策を検討する必要がある。 |
○ | コンクリートの使用、砂利の持ち込みなど、植生への影響だけでなく、土壌への影響も十分考慮する必要がある。 |
○ | 歩道の「整備」と言われても、実際は、新規に歩道を開設するというものではなく、「維持管理」が主体であり、誤解を与えないように留意すべきである。 |
○ | 伝統的な技術を活用するなど、きめ細やかな歩道の維持管理を行っていく方針には賛成である。自治体が、しっかり事前の調査を行い、補助金の支出に当たっては出来高払い制を導入するなど、自治体に整備の責任と権限を一任するような運用はできないものか。 (事務局)石工の技術を活用した近自然工法の導入も試みているところ。自治体の取り組みが進むように、できるだけ柔軟な対応をしたい。 |
○ | 公共事業は、短期間で景観を一変させてしまう。時間をかけてゆっくり歩道を整備していけば自然景観になじむと思われるので、グリーンワーカー事業をもっと活用していくべきだ。 |
○ | 整備技術の向上を図る必要があるとしているが、伝統的な技術など、既に地域に根ざした技術が存在しているのではないだろうか。これらの技術を発掘し、情報として広く普及し、関係者や現場の意識の向上を図っていくことが重要である。 |
○ | 水処理、踏圧防止対策など、土木的な技術面での検討、評価も必要だが、素材感、形状など、アメニティとしての歩道景観を評価するような仕組みも必要である。 |
○ | 単年度で予算執行しようとする場合、十分な事前調査や合意形成を行っている時間的な余裕がない。 (事務局)平成14年度からは、調査や設計のみに対する補助制度を整えた。 |
問い合わせ先 |
環境省自然環境局国立公園課(大代表03-3581-3351) |
課長 |
笹岡 達男 | (内線6440) |
課長補佐 | 牛場 雅己 | (内線6442) |
(以上、委員発言の順不同、文責:事務局)