法令・告示・通達
国立公園の公園区域及び公園計画の点検の推進について
環自計70号
(国立公園管理事務所長あて計画課長通知)
国立公園の公園区域及び公園計画の点検については、「国立公園計画の再検討要領」(昭和四八年一一月二二日付け環自計第六一五号自然保護局長通知)及び「国立公園の公園区域及び公園計画の点検について」(昭和五五年四月一日付け環自計第六三号自然保護局長通知:以下「点検通知」という)により実施しているところであるが、これら作業の円滑な推進を図るため、今般下記のとおり公園(地域)別のスケジュール及び作業手順の細部についての運用方針を定めたので、今後はこれらにより点検作業の進捗を図られたい。
なお、公園計画の見直しの手続き及び要領については、自然環境保全審議会自然公園部会利用のあり方検討小委員会の検討報告等も踏まえて総合的な検討を行い、年内を目途に諸規定の改正を行う予定であるので申し添える。
記
一 公園(地域)別の点検スケジュールについて
公園計画の再検討を了した国立公園については、再検討要領に基づきその後五年ごとに点検を行うこととされているところであるが、点検通知施行後一〇年を経過し、再検討を了した公園も増加した一方、再検討又は点検終了後相当年数が経過したものも見られるところである。このため、今般新たに公園(地域)別の点検スケジュールを別紙一のとおり定めたので、これにより難い特段の事情がある場合には早急に申し出られるとともに、平成二年度及び三年度に点検を行うこととなっている公園(地域)については、以下の点に留意しつつ作業を進められたい。
また、再検討が未了の公園(地域)については、再検討の終了した年度(官報告示日の属する年度)の翌年度から起算して四年度目に作業を開始し、五年度目に終了することを目途として点検を行い、以後同様の考え方で五年ごとに点検を実施する。
この場合、複数の地域に区分して再検討を実施している公園については、当該公園区域の全域の再検討の終了後は、原則として公園単位で点検を行うこととなるが、その時点で必要に応じスケジュールの調整を行うこととする。
なお、次のいずれかに該当する場合は、別紙一のスケジュールの中間年度であっても点検を行うことができるものとする。
- (一) 火山活動、土砂崩壊その他の災害または突発的事情が発生し、もしくはそのおそれがある等により、公園の適正な保護及び利用の安全確保等の観点から、公園(地域)の全般にわたり早急に計画の点検の必要が生じた場合。
- (二) 環境庁が政策的に整備を進めようとする事業に関連して、公園(地域)の全般にわたり早急に計画の点検の必要が生じた場合。
二 点検の作業手順について
点検の作業手順の基本的考え方は、「点検通知」の記の三に示したとおりであるが、作業の円滑化を図るため、具体的手順については、今後は別紙二を標準とするとともに、以下の点に留意されたい。なお、国立公園管理官分担区域以外の地域が含まれる国立公園等公園(地域)の実情に照らし妥当と認められる場合には、素案作成等の段階から都道府県に協力を求めることを妨げるものではない。
(一) 作業スケジュール作成
国立公園管理事務所長は、担当区域に含まれる国立公園の点検作業の開始年度のなるべく早い時期に、保護計画及び利用計画のそれぞれについて見直しを行う対象、見直しの考え方等を明らかにした点検の基本方針及び作業スケジュールの案を作成し、当課と調整を行うこと。
(二) 素案作成
素案作成に先立ち、関係都道府県及び市町村等に対し、各地方公共団体の観光振興のための構想等との調整を図る観点から意見の聴取を行うこと。この場合、基本方針において定めた当該点検の趣旨及び検討範囲について十分理解を得るよう努めること。
なお、この段階で、向こう五年間を見通した上で、公園区域及び公園計画に変更すべき箇所がないと判断された場合には、当該点検作業を終了することとし、その旨当職あて連絡すること。
(三) 事務所案作成及びその調整
原案作成後に都道府県に依頼して行う関係出先機関協議を円滑に進めるため、従来の国有林に係る場合における営林局に加え、原則として別表に掲げる案件毎の協議対象となる全出先機関について実質的な調整を了しておくこと。
(四) 本庁との調整
別紙二の各段階における本庁と管理事務所の間の調整は、必要に応じ、当職あての文書をもって行うこと。
また、「事務所修正案」は、都道府県自然公園主管部局長及び関係市町村長の同意書の写しを添えて、自然保護局長あて提出すること。
(五) 必要な図書等
事務所修正案提出時に、変更の内容に応じて「国立公園の指定書及び公園計画書作成要領」(昭和五四年四月一日付け環自計第二五〇号自然保護局長通知‥昭和五七年四月一日付け環自計第四六号改正)の様式第一―三及び様式第二―三並びに「国立公園の区域図及び公園計画図等作成要領」(昭和五四年四月一日付け環自計第二五〇号自然保護局長通知:昭和五五年四月一日付け環自計第六四号改正)の「保護規制計画変更図」及び「変更施設図」により、関係図書を作成し、提出すること。
三 その他参考事項
前記のほか、点検作業の実施にあたっては、次に示す関係通知に沿って行うこと。
- (一) 「国立公園計画の再検討要領」
(昭和四八年一一月二二日付け環自計第六一五号自然保護局長通知) - (二) 「国立公園の公園区域及び公園計画の点検について」
(昭和五五年四月一日付け環自計第六三号局長通知) - (三) 「国立公園の指定書及び公園計画書作成要領」
(昭和五四年四月一日付け環自計第二五〇号自然保護局長通知‥昭和五七年四月一日環自計第四六号改正) - (四) 「国立公園の区域図及び公園計画図等作成要領」
(昭和五四年四月一日付け環自計第二五〇号自然保護局長通知‥昭和五五年四月一日環自計第六四号改正) - (五) 「国立公園又は国定公園の公園計画再検討実務要領」
(昭和五五年一月二二日付け環自計第九号計画課長通知)
別表
各案件の協議を要する関係省庁一覧
(平成2年4月1日現在)
要協議案件
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公園指定又は区域の拡張
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公園計画の決定又は変更(変更は削除の場合を除く)
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特別地域の指定又は区域の拡張
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特別保護地区の指定又は区域の拡張
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海中公園地区の指定又は区域の拡張
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湖沼又は湿原の指定
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高山植物等の指定
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海中公園地区の動植物の指定
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集団施設地区の指定又は区域の拡張
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備考
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関係省庁
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地方行政機関
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北海道開発庁
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○
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○
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○
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○
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○
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北海道の場合に限る。
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北海道開発局
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○
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○
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○
|
○
|
○
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北海道の場合に限る。
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|||||
防衛庁
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○
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||||||||||
科学技術庁
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○
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○
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|||||||||
沖縄開発庁
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○
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○
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○
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○
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○
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沖縄県の場合に限る。
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|||||
沖縄総合事務局
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○
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○
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○
|
○
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○
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沖縄県の場合に限る。
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国土庁
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○
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大蔵省
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○
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○
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○
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○
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○
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大蔵省所管国有地に係る場合に限る。
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財務部(局)
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○
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○
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○
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○
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○
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大蔵省所管国有地に係る場合に限る。
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財務部の管轄区域のないところは財務局
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文部省
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○
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○
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○
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○
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○
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○
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○
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文化財保護法に基づく史跡名勝天然記念物又は文部省所管国有財産に係る場合に限る。
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(都道府県教育委員会)
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○
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○
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○
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○
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○
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○
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○
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文化財保護法に基づく史跡名勝天然記念物又は文部省所管国有財産に係る場合に限る。
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農林水産省
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○
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○
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○
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○
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○
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○
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○
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○
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○
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集団施設地区の指定又は区域の拡張については国有林等農林水産省所管国有地に係る場合に限る。
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地方農政局
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○
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○
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○
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○
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○
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集団施設地区の指定又は区域の
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営林局
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○
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○
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○
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○
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○
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○
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拡張については農林水産省所管国有地に係る場合に限る。国有林に係る場合に限る。
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通商産業省
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○
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○
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○
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○
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○
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○
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|||||
通商産業局
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○
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○
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○
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○
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○
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○
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運輸省
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○
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○
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○
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○
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○
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運輸局
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○
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○
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○
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○
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○
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港湾建設局
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○
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○
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○
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○
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○
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海面に接する公園の場合に限る。
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管区海上保安本部
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○
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○
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○
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○
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○
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海面に接する公園の場合に限る。
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建設省
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○
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○
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○
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○
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○
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○
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○
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集団施設地区の指定又は区域の拡張については都市計画区域に係る場合に限る。
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地方建設局
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○
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○
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○
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○
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○
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○
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公園計画の変更のうち、利用計画の変更の場合には、利用施設を設けようとする土地(集団施設地区については変更しようとする地割に係る土地)を所管する省庁及び当該利用施設を監督する省庁(例えば道路法に基づく道路→建設省(地方建設局)、道路運送法に基づく一般自動車道→運輸省(運輸局))に対して協議するものとし、当該利用施設が文化財保護法に基づく史跡名勝天然記念物に係る場合は文部省(都道府県教育委員会)に対して協議するものとする。
国立公園計画点検作業手順の標準例