１．現状
ジクロロメタン（塩化メチレン）については、その他の有機溶剤と同様に金属の脱脂洗浄用途に用いられている。近年では、他の有機溶剤の代替として消費量が増加傾向にある。
また、平成５年３月、ジクロロメタンが環境基準に位置付けられてから、公共用水域・地下水において、事業場からの排水等に起因して環境基準を超過する事例が見られる。
公共用水域常時監視結果 |
地下水概況調査結果 | ||||
調査年度 |
調査地点数 |
超過地点数（＊） |
調査本数 |
超過本数（＊） | |
平成５年度 平成６年度 平成７年度 平成８年度 平成９年度 |
2,496 3,510 3,631 3,745 3,771 |
２（１） ４（０） ３（３） ２（２） １（１） |
964 2,639 2,915 2,904 2,805 |
０（０） ０（０） ０（０） ０（０） ２（１） | |
合 計 |
17,153 |
１２（７） |
12,227 |
２（１） | |
なお、平成１０年度に環境庁から都道府県等に対して行ったアンケート調査結果から、ジクロロメタンを排出する２，０８１事業場のうち、５８６事業場が未規制、すなわち水質汚濁防止法の特定事業場に位置付けられておらず、排水基準に適合しない水を排出するなどのおそれがある。
２．水質汚濁防止法におけるこれまでの経緯
平成６年２月、ジクロロメタンの排水基準（排水基準値：0.2mg/l以下）が設定され、その排水基準に対応することが著しく困難と認められた７業種に属する特定事業場に対して平成９年１月３１日まで暫定基準が設けられた。
現時点では、ジクロロメタンを排出する特定事業場に対する暫定基準は設けられていない。
３．ジクロロメタンを含む排水の処理方法について
ジクロロメタンを含む水は適切に処理する必要がある。
ジクロロメタンは、水への溶解度が他の有機溶剤に比べて著しく高いため、排水基 準を確保するためには、ばっ気時間を相当長くしたり、ばっ気処理温度を５０℃以上 にすると効果的である。
なお、気化したジクロロメタンについては、活性炭等を用いて吸着・回収する必要 がある。
４．ジクロロメタンを排出する施設の取り扱いについて（案）
ジクロロメタンについては、