環境省
VOLUME.62
2017年12月・2018年1月号

エコジンインタビュー/グアム、サイパン、ハワイも素晴らしいけど、沖縄の海の美しさにはどこも敵わないような気がします。/小島よしお

小島よしお

海パン一枚で体を張る姿が印象的な、芸人の小島よしおさん。

沖縄出身だから海水パンツにいきついたのかと思いきや、実は大人になるまで、沖縄のことはあまり知らなかったそうです。

そして年を経た今、自分のルーツである琉球の良さを改めて再確認しているのだと言う小島さんに、これまでに見て感じた琉球諸島の自然や文化の面白さについて教えてもらいました。

 沖縄出身の小島よしおさん——と言っても、生まれた場所が母親の故郷の久米島(くめじま)というだけで、実際のところは千葉育ちというのが真相。沖縄に住んだことはないけれど、小学生の頃までは、毎年夏休みに島に行っては海で泳いだり、釣りをしたりしていたのだとか。
「小さい頃は沖縄の良さをわかっていなかったですね。久米島は特に何にも無いですから(笑)。大人になって、仕事をしてからの方が島の良さをわかるようになりました。今、親が久米島に住んでいるので、里帰りを理由に沖縄に行けてラッキーだと思います。人が多くてストレスもたまりがちな都市生活を離れて沖縄に行けば、気持ちがホッと安らいで、エネルギーを充電できる気がします」

 最近では、ウミガメと一緒に泳げると噂を聞いて、帰郷途中に慶良間(けらま)諸島の阿嘉島(あかしま)へ。
「シュノーケリングで行ける、そんなに深くない場所で、簡単に数匹ものウミガメと遭遇できる海なんて、他にあまり無いんじゃないですか? しかも全く人間を怖がらないんですよ。仕事でサイパンやグアム、ハワイの海でも潜りましたけれど、そのどこよりもきれいで、生き物もたくさんいて驚きました」

豊かな自然がある素晴らしさは大人が一番実感できるもの。だから大人一人ひとりがちゃんと守らないといけませんよね。 透明度の高い海、色とりどりのサンゴや熱帯魚、一緒に泳いでくれるウミガメなど、世界自然遺産に登録されるに値する自然の豊かさが確かにある、と小島さん。
「陸には野生の鹿がウロウロしているし、夜は浜辺にヤドカリがたくさんいてびっくりするほど。阿嘉島は、世界自然遺産登録予定エリア外ですけれど、他の島にも本州周辺では見られない生態系が広がっているんだろうなって容易に想像できますよね。また、琉球諸島とひとくくりにされることがありますけれど、島によって文化も全然違うんですよ。久米島と宮古島の人が方言で喋ったら、意味が全く通じないんだと聞いたことがあります。食べ物だって独特ですよね。久米島はクルマエビと海ぶどうの出荷量が全国トップクラスなんですよ。『ダッピエビ』って知ってますか? ソフトシェルクラブのエビ版で、脱皮をしたばかりのクルマエビなんですけれど、頭から全部食べられて本当においしいです。海ぶどうも食べたことがない人は驚くでしょうね。僕の奥さんも大好きでハマッてますよ。世界自然遺産への登録は、多くの人に、いろいろな角度から島に興味を持ってもらうきっかけになるかもしれませんね」

 小島さん自身、世界自然遺産登録予定地のうち、足を踏み入れたことがあるのは、テレビ番組の収録で海釣りをしに行った奄美大島と、趣味の自転車の大会に参加して、大雨の中を走行した沖縄島北部くらい。
「どうしても久米島ばかりに行ってしまうので、そんなに他の島を知らないんですよね。しかも両方とも景色を楽しむ余裕なんてなかったので、いつかもう一度ゆっくり行ってみたいです。登録されたらきっと、島を訪れる人が増えるんでしょうね。島に経済効果がもたらされるのは良いことかもしれないけれど、自然を守るためには観光客一人ひとりがモラルをしっかり持たないといけないだろうと思います」

 豊かな自然以外“何もない”ことを守るのは、実は並大抵なことではないことを知っている。「久米島の人でも、観光客をたくさん呼べば経済的に潤うからゴルフ場があれば、なんて言う人もいます。でもやっぱりそれは抑えているんですよね。 “何もない”ことの良さを、訪れた人がSNSなどを使って少しずつでも発信していくことも大事かもしれません。その一人として僕も魅力を伝えていきたいと思います」。

profile

小島よしお

1980年生まれ、沖縄県出身。母親が久米島出身で、島で現在飲食店を営んでいる。小さい頃から体を動かすことが好きで、趣味はマラソンと筋トレ。「ジュニアアスリートフードマイスター」や「ダイエットインストラクター」の資格を持ち、食事とトレーニングにも見識が深い。現在子どもたちからの絶大なる支持を得て、再ブレイク中。2016年に結婚。

写真/かくたみほ

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