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概要

エコジン02・03月号

30 エコジン気や海水などがきれいな状態に保たれている南極は、さまざまな観測を行うのに適しているため「地球と宇宙を観る窓」と言われています。日本の南極観測隊は、昭和基地を拠点に多様な観測を行い、地球環境問題の解明に取り組んでいます。私の仕事は、南極の「大気」と「水(氷)」について長期的に観測する「気水圏変動のモニタリング」で、CO2など4種の温室効果ガスの大気濃度測定などに取り組んでいます。2016年5月には、昭和基地の大気中のCO2濃度が1984年荒川逸人 隊員第57次南極地域観測隊越冬隊(モニタリング観測・気水圏変動担当) お話を伺った人野外科学(株)で20年間、雪氷調査に従事。道路の吹雪・雪崩対策のために、気象観測や雪の堆積状況を調べ、対策方法の提言をする。現在は、第57次南極地域観測隊員として、気水圏変動のモニタリング観測を行っている。大南極地域観測隊とは?南極地域観測隊昭和基地の観測棟でCO2濃度の測定を行う※気候変動に関する政府間パネルの観測以降初めて400ppmを突破しました。IPCC※によると、産業革命前と比べた気温上昇を2℃未満に抑えるためには、CO2濃度を450ppm程度にとどめる必要があるため、400ppmという数字は、有効なCO2削減対策を実行する期限が迫っているという警鐘と言えると思います。けいしょう