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概要

エコジン12・01月号

「高炉セメントは、高炉スラグの混合割合に応じてA種(5~30%)、B種(30~60%)、C種(60~70%)に分類され、混合割合が高いほど、ひび割れ抵抗性や耐久性に課題が生じます。当社では、高炉スラグの混合割合が最も低いA種を改良することにより、高いひび割れ抵抗性や耐久性などを実現しながら、製造時のCO?排出量を約25%削減しました。コストの面でも、一般的なコンクリートと同レベルです」 同社では今後、都内の生コン工場を対象に、エコクリートRBLSの出荷体制の整備を進めることで、環境配慮型コンクリートのさらなる普及展開を図り、低炭素社会の実現に貢献していく方針だ。従来の「低炭素セメント」の弱点を克服 2020年の東京五輪に向けて都心の再開発が加速するなど、コンクリートの需要が高まっている。コンクリートは砂利などの「骨材」と、それをつなぐ「セメント」でできているが、このセメントを製造する際には、1tあたり750kgものCO?が発生してしまう。そのため、CO?排出量が少ない「低炭素セメント」が求められている。 低炭素セメントには、「普通ポルトランドセメント」と呼ばれる一般的なセメントに高炉スラグ(製鉄の過程で生成する副産物)の微粉末を混合した「高炉セメント」があるが、耐久性が低く、乾燥収縮によるひび割れが生じやすいという難点があった。そのため、外気にさらされることで劣化しやすく、乾燥の影響を受けやすい建物の地上部分では使用することができず、地下の骨組などに用途が限定されていた。また、CO?排出量が少ない環境配慮型コンクリートはコストが高いため、普及が進まないという欠点も持っていた。 そこで鹿島建設が開発したのが、CO?排出量が少なく、建物地上部にも使用でき、生産コストも平均的という環境配慮型コンクリート「エコクリートRBLS」だ。環境配慮型コンクリートの普及を促進「エコクリートRBLS」について、同社技術研究所主席研究員の閑田徹志氏はこう語る。鹿島建設では、環境ビジョン「トリプルZer o2050」を策定。2050年を目途に低炭素(Zero Carbon)・資源循環(ZeroWaste)・自然共生(Zero Impact)の3つの社会の実現を掲げるとともに、2030 年の到達点を「ターゲット2030」として設定し、革新的な環境技術開発を進めている。鹿島環境ビジョン「トリプルZe r o20 5 0」プチ建物のCO?排出量を約40%削減実際の現場で、高品質を証明一般的な鉄筋コンクリート造の建物で、地上部にエコクリート?BLS、地下部にECMコンクリート※を使用すればCO?排出量を約40%削減することができる東京都内に建設したビルでは、床全面に「エコクリート? BLS」を適用。高いひび割れ抵抗性が実証されている※エネルギー・CO?・ミニマムセメント(高炉スラグを主体とする燃成不要のセメント)を利用したコンクリート23