ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

エコジン12・01月号

エコに関する旬な話題を勉強しよう!画」において「気候適応策は、コペンハーゲンが世界有数の“住みたい街”であり続けるための重要な機会を与えてくれるものである」と宣言し、地区内の道路面積を20%削減してグリーンエリアにすることで雨水の流れを誘導し、下水道に流れ込む雨水の量を減らすなど、魅力的な都市空間を創造する取り組みを進めています。 気候変動への適応は、あらかじめ効果が検証しにくいことから、都市計画の中に組み込みにくいのが現状です。けれどもコペンハーゲンのように、「人々が住みたくなるような、魅力ある都市空間や暮らし方を生み出す」という大きな枠組みのなかで適応策を考えることで、より明確な方向性が生まれ、実現への道が見えてくるのかもしれません。 では、私たちが個人で行うことのできる適応策には、どんなものがあるのでしょうか? 皆さんが適応策に取り組もうとしても「何から始めたらよいのかわからない」という人がほとんどだと思います。 そこで、環境省と国立環境研究所、地球温暖化観測推進事務局が一体となって、「気候変動適応情報プラットフォーム」のポータルサイトを開設しました。このサイトでは、国や地方公共団体の適応計画の紹介、適応への取り組み事例のほか、適応に関する個人向け参考情報のリンク集、気候変動関連ニュース、普及啓発のための動画など、さまざまなコンテンツを掲載しています。日ごろから、気候変動によって自分たちが住む地域にどのような影響が起こっているのか、また起こる可能性があるのかを分かるようにしておけば、情報を集めるのに時間をかけることなく、すぐに適応策を講じることができます。ぜひ多くの人に活用してほしいですね。< 今回のおさらい >後送「地球温暖化への適応」とは、将来を見越して“暮らしやすさ”を考えること。コペンハーゲンのトーシンエ広場。この広場は、中央部分に盛り土がされ芝生が植えられており、豪雨の際には水が傾斜を伝って流れるよう設計されている。地中には大きな貯水槽が埋め込まれ、下水に流れ込む水量が調整される仕組みだ(cUrsula Bach)「気候変動適応情報プラットフォーム」ポータルサイトでは、都道府県単位で気候変動のデータや予測が開示されている。平均気温や降水量だけでなく、コメ収量や熱中症搬送者数など、細かいカテゴリごとの予測も知ることができる肱岡靖明( ひじおか・やすあき)国立環境研究所 社会環境システム研究センター 地域環境影響評価研究室 室長。研究分野は、環境システム、温暖化統合評価モデリング、水需要。アジア太平洋統合評価モデル(AI M)開発グループの一員として、気候の安定化レベルとその影響について統合評価モデルを用いた解析に取り組んでいる。19