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概要

エコジン12・01月号

「土砂災害予兆検知システム」解析結果の画面イメージと、水分量を測定するセンサーECでは、2014年7月に、従来からの「緩和」中心の気候変動対策に加え、ICT(情報通信技術)を活用して「適応」への貢献も強化するという新たな方針を打ち出しました。同社環境推進部長の堀ノ内力氏はこう語ります。「ICTを活用した例の一2時間目 企業では、どんな取り組みが行われているの?3時間目 自治体では、どんな取り組みが行われているの?つが、土砂災害の危険性をリアルタイムで把握する技術の開発です。当社が開発した技術は、これまでの方法に比べ、約3分の1のセンサー数で斜面の危険度を算出できます」。この技術の開発によって、従来と同等のコストで、より広範囲にセンサーを設置することが可能になり、危険性がある斜面を高精度で素早く把握できるようになりました。「こうしたセンシング技術によって、災害の発生をいち早く予知・予測することで、自治体からの避難誘導が適切に行われ、人的・物的な被害を最小限に食い止めることが可能になります。私たちはICTで『安全・安心なまちづくり』の実現に貢献していきます」。同社は他にもICTによって、洪水シミュレーションや森林火災対策など、国内外であらゆる適応策を推進しています。玉県では、全国の自治体に先がけて、適応策の情報整理や計画策定が行われてきました。2009年に作成・公表された「埼玉県地球温暖化対策実行計画」では、一つの章を割いて適応策への取り組み方針等が記述されました。2015年には改訂版も作成され、適応策の方向性と推進方法がさらに具体的に記されています。自治体における適応策の考え方について、県環境部温暖化対策課主査の小林健太郎氏はこう語ります。「適応のために特別な事業を始めるというよりは、各部局が従来から行っている事業について、“この事業は適応策につながるか”という視点を持つことが重要と考えています。さらに“将来の気候変動を前提とした思考”が必要です。例えば、自然災害への対応について、従来は1時間に50mmの最大雨量を想定して行っていたものを、“将来、現在想定している以上の雨が降る可能性がある”ことも念頭に置いて、フレキシブルな対策を検討するということです。現在はこうした考え方を県庁内に浸透させるために奮闘しています」埼埼玉県で育成された、高温にも強いブランド米「彩のきずな」つよしさ17