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概要

エコジン12・01月号

10生物多様性を損ない、不法投棄の原因にもなる放置竹林の再生を、まちづくりに活かそうというグループがあります。その竹林整備活動の現場を訪ねました。特定非営利活動法人 加茂女竹林の活用で「人のつながり」を生み出すたべようかもめ竹林整備 天まで伸びるような青竹の間から、晩秋の陽が明るく差し込んでくる。ここは京都府木津川市にある竹林。この日は、2008年から放置竹林整備を行う「NPO法人加茂女」のメンバーたちが間伐作業を行っていた。理事を務める曽我千代子さんが、作業の手を休めてこう語る。「この現場で活動を始めたのは今年の春。半年がかりで間伐を終えたエリアは、ずいぶん明るい竹林になりました」 この地はもともとタケノコの名産地。「山城筍」ブランドは、京タケノコの代名詞として珍重されてきた。ところが、2000年ごろから価格の安い輸入タケノコに市場を奪われ、生産者が廃業したことで放置竹林が増え始めた。旺盛な繁殖力を持つ竹は、手入れを怠るとたちまち生息域を拡大する。生い茂る枝葉が日光をさえぎることで、他の植物や、その植物を糧とする生きものが生息できなくなり、生物多様性を貧弱なものにしてしまうのだ。昔から「竹の間を、傘をさして歩けるくらい」が、竹林の理想的な密度と伝えられてきた。 加茂女では、2010年から「竹を食べて放置竹林をなくそう」を合言葉に、竹を活用した商品開かもめやましろたけのこ