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概要

エコジン10・11月号

に取り組んできたが、「AHXが塩に強い耐性を持つのなら、東日本大震災で塩害を受けた土地の緑化にも活用できるのでは?」と考え、宮城県を流れる鳴瀬川の堤防法面緑化にチップを試験導入。芝の被覆効果向上が確認された。 同クラブの指導にあたる望月基希教諭は言う。「研究を応用すれば、塩害や乾燥、高温などの影響で植物がうまく育たない地域に貢献できます。生徒たちの研究は、もともとは地域の農家の課題解決のために行っているもの。それが地球規模の環境課題解決につながるのはうれしいことですね」取り組む静岡大農学部の河岸洋和教授に話を聞いたところ、この物質が植物の成長を促進するだけでなく、塩や乾燥に強い耐性を持っていることがわかった。 生徒たちは、キノコの一種・シバフタケからAHXを抽出した。また、AHXによって植物の成長が促進され、低温や酸性への耐性も高くなることを実験で確認した。地元の基幹産業が、実用化のヒントに 生徒たちは次に実用化する方法を考えた。地元富士宮市は製紙産業が盛んな土地柄。そこで、再生紙をつくる際の廃材(ペーパースラッジ)を加熱して収縮、緻密化させた、大きさ1㎝ほどの炭化チップにAHXを混ぜて「AHXチップ」を開発した。このチップと一緒に苗を植えると、AHXが徐々に放出され、植物の成長を促す仕組みだ。当初は土に混ぜて富士山の緑化活動農業分野のさまざまな課題を解決これが「AHXチップ」。家畜排泄物の堆肥化を促す、高温に負けない農作物を栽培できるなど、さまざまな分野への応用が期待されているわたしたちの富岳館高校では、宮城県東松島市の子どもたちを対象にエコ授業を実施。被災地での除塩活動などを行うNPO 法人と協力し、幼稚園児などとともに耕作放棄地に野菜を植えたほか、塩害についての科学実験や、畑で育てた野菜を収穫・調理し、みんなで食べるなどの活動を行った。被災地の子どもたちを笑顔にします!プチ水田の再生にも効果を発揮昨年からは、津波による塩害を受けた水田に対応できるよう、チップ活用に向けた検討をスタート。実験では、稲の収量が回復する効果が確認されている※フェアリーリング現象:シバが輪状に周囲より色濃くなり、繁茂する。その後キノコ(シバフタケ、コムラサキシメジ等)が発生する現象。なる せ がわ のり めん25