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概要

エコジン10・11月号

12服は、私たちの生活に欠かせないアイテムではあるけれど、その裏には形になることなく、生地のまま在庫となった“残反”と呼ばれるものもある。これは大量生産の過程などで出てしまう余り生地のことで、1~ 30mと中途半端な長さゆえ、使い道がなく、廃棄されることがほとんどだ。 そんな残反を、“一点生産”という新たな発想で蘇らせたのが、群馬県桐生市に拠点を構えるアパレルメーカー「フクル」の木島 広さん。「この春立ち上げた自社ブランド『ルコリエ デ ペルール』は、お客様の注文を受けてから洋服を作るというスタイルです。その生地に使っているのが、地元の残反。桐生市は、古くから織物の町として栄えた歴史があるので、質のいい残反が豊富に手に入る。一点生産なら、残反のような中途半端な生地でも洋服は作れますし、いい生地が廃棄されるくらいなら、活用したいと思ったんです」 多めに作って余らせるという従来のシステムではなく、木島さんが目指すのは、ムダなものは作らず、むしろ今ある生地を大切に使い切ること。「洋服を作ったあとに余った生地はバッグへ。いずれは、端切れ同士を合わせて一着の服を作るという、生地をより使い切る試みも考えています」本来廃棄処分となるはずの余り生地から、着る人にとって“オンリーワン”の服を作る。思い出のつまった子ども服を、他の家族に譲って大切に着てもらう……。クローゼットから始まるエコの形を紹介します。→http://fukule.co.jp/株式会社フクル“大量生産”から“必要な分だけ”の服づくりへ左・自ら試作を行う。上・桐生市が得意とするジャガード織りの残反も多数。下・次世代の育成が地域の活性化にもつながる「ジュンヤ ワタナベ コム デ ギャルソン」のチーフパタンナー、「イオン」のチーフクリエイティブデザイナーを経て、2015 年に木島 広さん 群馬県桐生市で「フクル」を設立。フクル代表取締役フクル洋クローゼットざんたん