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概要

エコジン04・05月号

長野県蓼科地域の、緑深い森の中に書斎を構える原田マハさん。東京と海外にも仕事の拠点がありますが、蓼科に戻ると、“帰ってきた”と実感するそう。「その落ち着きは、美しい自然があるからだと思います。机に座ると森が見えるんですが、季節の移ろいとともに、景色が変わるのが本当に素晴らしい。春は芽吹きの季節、ふわっと緑になっていき、夏になるとたくさんの命の息づきを感じます。秋にはカラマツの木立が黄金色に輝いて、葉っぱを徐々に落としていき、しんしんと冬がやってきて一面真っ白に。でも2月くらいになると、春を含んだ寒さに変わっていく……。雪深い所なので苦労も多いのですが、その分春がきたときの喜びは大きいですね。日本全国、素晴らしい場所はたくさんあると思いますが、私にとっては、蓼科が大正解。水が本当に美味しくて、コーヒーを淹れるたびにそれを実感します」移住のきっかけは、偶然や友人との縁など、さまざまなことが重なった結果だという。「蓼科にある友人のセカンドハウスに遊びに行ったら、東京から2時間だし、自然も豊かだし、遊ぶ所もたくさんある。すごく楽しくて、いずれ引っ越すっていうのもいいかも?くらいに軽く考えてはいたんです。そんなとき『日本農業新聞』という農業の業界新聞から、“小説を書きませんか?”とお声がけをいただきました。“農業?!なんで私?!”と驚いたのですが、当時マクロビオティックを実践していたこともあり、食に興味はあったんです。食は、突き詰めて考えると、“どんな所で作られているのか”、つまり環境と深いつながりがある。食というアプローチから、環境のMAHA HARADA森のなかにいると、自分をじっくり見つめ直すことができる。04エコジン