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概要

エコジン04・05月号

応用編特別講義今回の講師川本俊弘先生国立研究開発法人国立環境研究所エコチル調査コアセンター長北は北海道から南は沖縄まで、全国から約10万組の母親、子ども、父親にご協力いただいて、エコチル調査が行われています。近年、私たちを取り巻く環境が大きく変わってきていることは、多くの人が感じていると思います。科学技術の発展に伴って新しい化学物質が次々と生み出され、私たちの身の回りで使われるようになっています。もちろん、化学物質が世の中に出回るまでに作為で抽出した5,000名を対象とした詳細調査も始まりました。子どもがお腹の中にいる時から小児期までは、健康な体をつくるのにとても大切な時期です。この時期は大人より化学物質の影響を受けやすいとされています。エコチル調査を通して、子どもが健やかに成長できる環境をつくり、そうすることで大人も安心して暮らすことができる社会を作っていきたいと思います。は、人や動植物への影響を考慮して審査・規制がなされていますが、長期的に人の健康へ与える影響は未だ解明されていないものが多いのが現状です。こうした中で、エコチル調査を行うことで、生活環境の中に含まれる有害な物質を明らかにし、また、さまざまな物質がどの程度までなら体に害を及ぼさないのか、そのレベルを示すことができると今回のおさらい化学物質の影響を詳しく調査し、正しく規制・監視することで、子どもたちが健やかに成長できる社会につなげる。考えています。さらに体に悪影響を及ぼす物質を監視するシステムが構築されればなお良いと思います。現在は、ご協力いただいた方から採取した血液などに含まれる化学物質の分析を順次進めています。また全体の参加者の中から無川本俊弘(かわもと・としひろ)医学博士。産業医科大学医学部長。2007年に日本産業衛生学会賞を受賞。2010年よりエコチル調査福岡ユニットセンター長を務め、2012年7月よりエコチル調査コアセンター長に就任。19