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概要

エコジン04・05月号

ゲンゴロウ繁殖への挑戦昆虫館東京都多摩動物公園環境省のレッドリストでも「絶滅危惧Ⅱ類」に選定され、全国的に生息数が減少しているゲンゴロウ。東京都多摩動物公園では、園内にある「昆虫園」でゲンゴロウの繁殖活動を行っています。絶滅を防ぐために、まずはゲンゴロウの生態を知る関東地方のゲンゴロウは、東京都と神奈川県で絶滅、千葉県でも近年の生存情報がなく、絶滅した可能性が高いといわれている。そのため、東京都の多摩動物公園昆虫園では以前よりゲンゴロウの繁殖に取り組んできた。飼育員の杉田務さんはこう語る。「ゲンゴロウは水草の茎に穴を空けて産卵します。生まれた幼虫はエサをたくさん食べ、どんどん成長し、やがて準備が調うと陸に上がって地中にもぐりサナギになります。飼育下では“上陸”を人の手で行うのですが、最適なタイミングは個体ごとに異なるため、見極めには経験が必要です。当園も、成果の一つといえると思います。展示を維持するだけでなく、飼育技術開発という面からも、さらに知見を深めていきたいですね」では、産卵床となる水草やエサの選定など、ゲンゴロウの繁殖に関するノウハウを歴代にわたって蓄積してきました。エサとなるバッタを冷凍して保存できるようになり、エサの供給が安定したこと東京都多摩動物公園教育普及課昆虫園飼育展示係杉田務さん同園ではライオンなどの飼育員を務めた後、現在はゲンゴロウやタガメをはじめとした水生昆虫の飼育に携わる。東京都多摩動物公園(左)ゲンゴロウの産卵床とするため、園内で水草を栽培している。この他、発砲スチロールなどに産卵する例も見られた(右)生息地調査。杉田さんたち飼育員は、ため池などの管理者に「貴重な生物が生息している」ことを理解してもらい、信頼関係を築きながら生息環境の調査を行っている住所:東京都日野市程久保7-1-1TEL : 042-591-1611URL : http://www.tokyo-zoo.net/zoo/tama/13