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概要

エコジン02・03月号

はないかと見ています。江守これまでの温暖化対策は、我慢や辛抱をして環境に良いことをしましょうという風に見えましたが、これからは経済活動を損なわずに社会が変わっていかなければならないし、それが今回の合意に象徴される新しい価値の共有ではないでしょうか。たとえば、農耕が始まった時、あるいは産業中国では太陽光発電の導入が急ピッチで進んでいる(写真は中国江西省上饒市横峰県)写真:Imaginechina/時事通信フォト革命が起こった時など、人類史には大きな転換点がいくつかありますが、脱化石燃料はそれに匹敵する歴史的な大転換になるかもしれない。今回、世界の首脳陣が「ついにそれをやる時が来た」と認識共有したとすれば、これは凄いことです。からではない」というのはサウジアラビアの石油相だったシェイク・ザキ・ヤマニ氏の言葉だそうですが、脱化石燃料は、「まだ使える化石燃料があるのに使わない選択をする」ということです。それ高村パリ協定は京都議定書のように目標達成がいかにして起こり得るかといえば、化石燃料よりも望ましいエネルギーが十分に利用可能になっを義務づけてはいませんが、目標達成のために国内措置を実施する義務はあるので、目標を掲げたけれど何もやらなければ義務違反です。達成に向けて行動しない国に対してどうするのかなどパリ協定の発効までにきちんとした検証のルールをつた時でしょう。それを起こすのが、この2℃や排出量ゼロが社会に要請していることだろうと思います。まず、そうした大きな流れを共有した上でさまざまな議論をしていくことが重要ではないでしょうか。くる必要があります。パリ協定が実効的なものとなるかは、各国が協定をジャンプ台にしながら、脱化石燃料に向けていかに誠実にそれを履行していくかにかかっているのです。江守「石器時代が終わったのは石がなくなったEMORI’s POINTパリ協定によって脱化石燃料が実現するかもしれない。脱化石燃料とは「まだ使える化石燃料があるのに使わない選択をする」ということ。世界がこの認識を共有すれば、文明史的な大転換が起こり得る。17