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概要

エコジン04・05月号

“希釈”で微生物を生かすUASBシステムの主力「グラニュール」甘水エコロジープラントに採用されているUASBシステムで活躍する、微生物のグラニュール。バイオガスを作り出すことはもちろん、排水を浄化する機能も併せ持つ。で再利用してきた。それでも甘水の回収率は80%程度に留まり、残りの20%は産業廃棄物になってしまう。また、蒸発・蒸留に際しても多量のエネルギーが消費される。このような状況を改善するために、同社が注目したのが「UASBシステム」だ。これは、微生物に有機性の廃水を通し、排水を下水放流基準値以下に浄化しながらバイオガスを生成する方法だ。UASBを有機性の甘水に導入すれば、これまで捨てられていた廃棄物をバイオガスに変え、工場の稼働エネルギーとして再利用できるのでは??そう考えた生産管理部のメンバーは、すでにこのシステムを採用しているビール会社な1928年発売の赤箱(右下)。直径4m、容量60m 3さらには石鹸カスを除去する仕組みを整備。約5年の歳月をかけて、2013年2月に甘水をUASBシステムに対応させ、バイオガスから蒸気を生成して自社工場で利用する「甘水エコロジープラント」を完成させた。現在、工場の年間使用エネルギーの約20%をバイオガスで代替。さらなる精度の向上を目指し、工場の稼働時にバイオガスを効率的に生成する技術の研究を進めている。の大きな釜を使って、創業当時と変わらない製法で作られている。少量でしっかり泡立つので、環境負荷も少ない。どの食品関連工場の例を調査。しかし大きな問題があった。「甘水には、高濃度の塩分と殺菌作用のある石鹸カスが含まれているため、微生物の働きを止めてしまうのです」そこで、工場の製造部門、研究部門、さらに大阪伝統的な製法で作られる石鹸ガス、O G C T S、月島機械、エイブルとチームを組み、UASBシステムに通す前に甘水の希釈率を調整し、左は処理前の甘水。右はUASBシステムで処理後の甘水。塩分濃度が高く、殺菌作用がある石鹸カスを含んだ甘水は、6 . 6 7倍に希釈することで処理可能に。醤油や漬け物などの高塩分の食品を扱う工場などに対応できる可能性も。29