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概要

エコジン04・05月号

ネッコチップ工法株式会社熊谷組環境に配慮した独自の技術開発で自然と共生する社会づくりを目指す道路・ダムなどの建設工事の際、現場で発生した伐採材や根などを針状にチップ化したものと、現地で発生する表土を混合し、植物の生育基盤材として、法面や荒廃地などにリサイクルする工法。森林表土が含まれる発生土を生育基盤材料として利用することにより、外部から種子を持ち込むことなく、在来種による緑化復元が可能となる。また、現地で発生した根や枝葉を運び出す必要がないため、運搬時におけるCO2の削減にも貢献する。2010年に、建設業界では初めて「エコ・ファースト企業」の認定を受けた熊谷組。「低炭素社会」「循環型社会」「自然共生社会」という3つのキーワードを掲げ、工事現場はもとより周辺地域に至るまで、環境保全対策に積極的に取り組んでいる。そのひとつが、環境に配慮した独自の技術開発だ。同社技術研究所の地球環境研究グループ部長・佐々木静郎氏はこう語る。「当社では、従来から自然環境や生物が生息する空間づくりに配慮し、ビオトープの創造のほか、生態系を考慮した屋上緑化の整備などを積極的に推進してきました」。さらに2002年からは、失われた清涼な自然のシンボルであるホタルに着目し、ホタルの卵から羽化までの生育に適した土壌環境・水環境の創出を通して、ホタルの棲める環境づくり(ホタルビオトープ技術)の普及・展開を進めてきた。最近では、大分県日田市に建設された大山ダムの工事にともない、約300平方メートルのホタルビオトープを整備した。「建設予定地が“ホタルの里”として有名な地域で、その生態系を残していきたいという思いで当社が提案しました。今後は、自然と直接関与することが多い建設業の特色を生かして、全国の地域整備や都市開発の現場においてホタルビオトープの復元・再生を目指します。地域の住民や子どもたちへの環境学習24