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概要

エコジン04・05月号

地球温暖化の処方箋農業症状稲作では、西日本の温暖地や特に九州地域で、夏場の高温によりコメ粒の内部が白く濁る「白未熟粒」が多くなる、コメの品質低下が起きている。果樹では、秋の高温と多雨によって、温州みかんの皮と果肉が分離する「浮皮」が発生するなど、温暖化を原因とする作物被害が顕著となっている。処方箋高温に強いコメ「にこまる」夏、稲から穂が出て籾の中にコメができる頃に気温が高い状態が続くと発生する「白未熟粒」。デンプンがコメに十分蓄えられず、密度が低下してしまうため、粒ぞろいが悪くなってしまう“症状”だ。そこで九州沖縄農業研究センターが新たに開発した品種が「にこまる」。これまでの主力銘柄だが高温に弱い「ヒノヒカリ」よりも白未熟粒の発生が少なく、安定した収穫量が得られ、かつ味も良いとして、九州だけでなく瀬戸内や東海地方圏でも栽培され始めている。同センターでは、「にこまる」の高温に強い遺伝子の調査を進めており、今後の気温上昇や大きな気候変動にも耐え、それに伴う病害虫にも強い稲を開発して、日本の稲作を守っていく。10「にこまる」の水田(宮崎県えびの市)「にこまる」(左)と、白未熟粒が多発した「ヒノヒカリ」(右)