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概要

エコジン02・03月号

VOLUME . 1February-March 2015ELECTRICITY SECTOR最大排出の発電部門に規制2030年に2005年比で3割減も訴訟や大統領選の結果などによっても左右されることから、しばらくは不確定な状態が続く」とも見られるという。次に大量のCO?を排出するのが自動車部門だが、これについては新車に対する燃費規制を2012年に決定した。2025年の燃費基準値(ガソリン1ガロンあたりの走行距離)を、2011年の値と比べて2倍に引き上げるという。米国内で最も大量のCO?を排出しているのが発電所だ。したがって、発電部門の排出削減をどう行うのかが気候変動対策のカギとなる。現在、米国では天然ガス火力の米国の電源別発電電力量発電電力量(TWh)4500発電量が増え、石炭火力は減少。大気浄化法という既存の法律を基に、既設・新設の発電所の排出を規制する案の検討が進められ、2015年の夏から秋にかけて最終決定するとされている。「新たな規制が生まれれば、天然ガス火力はさらに増加し、再生可能エネルギーも増えると考えられます。その結果、2030年に2005年比で30%程度のCO?削減が見込まれます」と上野さんは分析する。しかし、「州や事業者からの40003500300025002000150010005000その他再生可能エネルギー(水力を含む)原子力天然ガス石炭※20 05年と2012年は実績値で、残りは新規制下での見通し20052012202020252030 (年)SHALE GAS REVOLUTIONシェール革命の課題メタン排出削減に向けた戦略題視されていた。これを受けて、2015年1月、米政府は、石油・ガス部門からのメタン排出削減に向けた戦略を発表。石油や天然ガスの生産・加工・輸送に際して排出されるメタンを、新規の施設については新たな環境規制で、既存の施設については業界の自主的取組で削減を図るというもの。オバマ政権は、これらの措置によって、石油・ガス部門のメタ現在、米国はサウジアラビアやロシアを抜いて世界最大の産油国となってン排出を2025年までに2005年比で40~45%削減できると見込んでいる。いる。地下のシェール層から天然ガスや石油を抽出する技術が発達したことで、それまで石油資源を輸入に頼っていたアメリカが他国に輸出するまでになった。この「シェール革命」は、石炭火力を減らすことでCO?の排出削減につながる一方で、シェールガスの生産や加工、輸送などによっ米ペンシルベニア州のシェールガス掘削施設写真/AFP=時事て新たにメタンの排出量を増やすおそれもあり、問09