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概要

エコジン02・03月号

温暖化と感染症は無関係ではない!?昨年、デング熱の国内感染例が70年ぶりに見つかり、感染者が次々と増えていったニュースを多くの人が注意して見守っていたのではないでしょうか。これまでデング熱は熱帯・亜熱帯地域で多く見られる感染症として認識されていました。さまざまな要因があるため因果関係は確定できないものの、地球温暖化によって、熱帯性の感染症の発生エリアが拡大しているのではないかと予想されています。実は地球温暖化に伴う日本でのデング熱の国内感染の危険性は、多くの研究者が以前から指摘していたものです。昨年まとめられたIPCC第5次評価報告書にある通り、地球温暖化は確実に進んでおり、今後ますます感染症のリスクが高まることを私たちは自覚しなければいけないのです。注意報日本で感染症にかかるリスクは高まっている最初に日本でデング熱が確認された約70年前は戦時中だったため、熱帯地域からの帰還兵や徴用船の船員らが感染源になったと考えられています。現在の日本は、2013年に訪日外国人旅行者が史上初めて1,000万人を突破、昨年もそれを上回る旅行者が日本を訪れており、もちろんデング熱が発生する熱帯エリアからの観光客も増加しています。文/柳澤美帆その対策をテーマ毎に紹介していきます。気候変動に関する専門家が、地球温暖化が引き起こす危険や、私たちの生活にも大きな影響を及ぼし始めています。地球温暖化は、いまやどこか遠い国のできごとではなく、今回デング熱を媒介したヒトスジシマカは、一年の平均気温が11℃以上のところで生息できる蚊で、温暖化に伴って分布域が徐々に北上しています。またデング熱のウイルスそのものも、高温になると活動を活発化させる特性をもっているため、気温が高くなると、媒介蚊の体内で効率良くウイルスが増殖してしまいます。近年、日本の夏の気温は高温になっているので、感染症にかかるリスクも高まっ代々木公園で行われた、ヒトスジシマカの防ていると言えるでしょう。除対策(写真:国立感染症研究所)IPCCとは?気候変動に関する政府間パネル。気候変動について発表された論文や観測データを、各国の有識者・専門家が評価し、まとめる政府間機関。5~7年ごとに最新の報告書が公表され、現在は第5次評価報告書が作成されている。20