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概要

エコジン02・03月号

エコに関する旬な話題を勉強しよう!こうして、『なすびのギモン』は2013年に第1弾が、2014年には第2弾が福島県内で放映されました。第1弾では、除染の現場や仮置場などに出向き、福島県民の皆さんが不安に思っている除染や放射線に関する疑問を行政のご担当者や専門家の方々などに率直にぶつけました。県民からすると「正しいことが自分たちに知らされていないのではないか」という気持ちがどこかにあるし、僕自身もそう思っていた部分もあったのですが、現場で直接聞いてみると、それが誤解だったということが分かりました。一般の人たちが専門家から直接情報を得ることは難しいので、僕がその橋渡し役になれたのではないかと思っています。第2弾は、農産物の状況や除染終了後に人々がどのように暮らしているのかなど、除染そのものから一歩先へ踏み出した内容もお伝えしました。取材で川内村や田村市の都路地区を訪問したのですが、除染が終わり、規制が解除されて元の場所に住めるようになった後には、これから生活を充実させるためのインフラの整備や地域コミュニティの回復などの必要性を実感しました。食品についても取り上げていますが、福島県産の米が全量全袋検査をしていることは全国的にもあまり認知されていないのではないでしょうか。そうしたギャップや温度差を埋め、最終的には官民一体の取組にしていくために僕らには何ができるのか、共に考え、解決するための一つのきっかけにしてもらえたら何よりです。える「安全」と、それを受け取る側の考える「安心」との間には、微妙な考え方のズレがあるのかもしれません。震災から4年近く経った現在、その溝が埋まっているともいえるし、違う方向から見たら広がっていっているようにも見えます。福島県から安全・安心を一方通行で発信するのではなく、もっと身近な形で理解、実感してもらえるような発信の仕方もあるのではと思い始めているところです。僕の活動は、ここまでやったからゴールという問題ではないし、ひょっとすると50年先100年先にバトンを渡していくことになるかもしれません。震災さえなければと思うこともありますが、起きてしまったものは仕方がない。僕はそこで生き残った者、生かされた者として、福島の再生への動きや新しい福島に向けた動きを全国の皆さん、さらには世界の皆さんにいかに前向きに捉えてもらえるか、これからもその方法を模索していきたいと思います。今回のおさらい県内外の人たちに福島の再生への歩みを見てもらうことで、福島が「安全」であることを知ってもらい、福島に対して「安心」も感じてもらうことが必要です。一方通行ではない実感できる「安全・安心」の発信を食品に関しては、個人的には「安全」と「安心」は、別の考え方なのだと思っています。たとえ世界一厳しい基準で検査をして、数値として「安全です」という発信をしても、「安心」は受け手側の感覚的・心理的な部分に起因します。検査する側の考なすび1975年福島県生まれ。1998年、バラエティ番組『進ぬ!電波少年』の「懸賞生活」で話題に。劇団「なす我儘」主宰、丸福ボンバーズ所属。2013年と14年、「福島に元気と勇気と希望を」を合言葉にエベレスト登頂を目指す「エベチャレ」を実施。19